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命を賭して護るべきもの。
リスクィートの王宮を出て再び馬車に乗り離宮に戻ったカリーナは、自室の長椅子に深く腰を下ろして肘掛けに置かれたクッションに、横たわる様に身体を預けた。
身体の大きな侍女がカップに茶を注ぎながらカリーナに話しかけた。
「あたくし驚きましたわ。
行方不明となったケンヴィー様が、まさか、あの様なお姿でリスクィートのお城に居るなんて……
敗戦の将とはいえ、あまりにもお気の毒で。」
「………もうお芝居は良いわ。セドリック。
わたくしも処刑されてもおかしくはない身だわ。
戦争とはそういう物だと理解はしている。
でも、母親としての感情は別物でしょう。」
カリーナは冷静に淡々と語りながら、手にした閉じた扇を血が滲む程強く握り締めていた。
身体の大きな侍女がカリーナの手をそっと解く。
「カリーナ様、御手が傷付きます。」
「セドリック。
前にも訊ねたけれど、もう一度訊ねるわ。
貴方はベルゼルト皇国が、わたくしを殺す様に命じたとしても、わたくしの味方で居てくれるの?」
傷付いたカリーナの手を解き、ひしゃげた扇を取り除いたカリーナの手には、扇の代わりにセドリックの手が強く握られていた。
「僕は、貴女がベルゼルト皇国に仇しない者だと判断した上で貴女の依頼を受けました。
もし貴女の気持ちが変わり、貴女がベルゼルト皇国を憎んだとしても…僕は一度信じた貴女を裏切りません。」
カリーナの手を握り返して答えたセドリックの手を、スルリと解いてカリーナがふふっと小さく笑った。
「一度信頼した者を絶対に裏切らない、ヴィーヴル国の者の矜持は素晴らしいと思うわ。
でも、それでは貴方達が無駄死にする場合だってある。
一つ位は、契約が解除出来る逃げ道を設けるようにした方が良くてよ。」
「…例えば、今回の場合ですと…どういった?」
「わたくしが不憫な息子の姿を見て激昂し、兄上と共謀してベルゼルト皇国を滅ぼそうとしている可能性が出来た。
ベルゼルトに仇しないとの判断は、その時は正しかったけど状況が変わって信用に値しなくなった…とかね。」
「……そう……ですね。
本当に、そのようなお考えをお持ちに見えた時には、貴女を見限る事も視野に入れましょう。」
セドリックは肉襦袢のような大柄な侍女の衣装を脱ぎ本来の姿に戻り、衣装共々部屋の暗がりに溶ける様に消えた。
変装を解いたセドリックの横顔に、一瞬セレスティーヌを見たカリーナは、目元に指先を当て涙を拭った。
「わたくしは愛しい貴女が愛した国に…再び戦火を投じる事になるかも知れない…。
許して、セレスティーヌ。」
▼
▼
▼
▼
「ほう…ケンヴィー皇子が見つかったと。
では、これで戦の準備はほぼ整うのか。
我が同胞にも伝えねば。」
リスクィートから届いた密書を衣服の胸の内側にしまい込み、ニヤッとほくそ笑む宰相補佐マンダンの姿を、
陰からソッと見つめてニヤッとほくそ笑む。
「ハァハァ…どんだけ胸に悪いモン溜め込んでるんだよ
巨乳ちゃん…。
もっと、巨乳ちゃんたくさん集めた所でまとめて……
全員縛ってモミモミ!揉み放題だなぁ!
ワクワクするぅ!」
興奮気味のおっぱいマスターギャリーが居た。
▼
▼
ケンヴィーがリスクィートで見つかったとのセドリックからの報せは、夜に自室にて寛ぐキリアンの元へヴィーヴルの者によって届けられた。
報せを受けたキリアンは思い悩む様に、ただ渋い顔をして口をつぐんだ。
「あんなに探して見つからなかったケンヴィー皇子殿下が見つかったと…?
しかも大怪我をなさっていると……。」
キリアンの自室で酒を酌み交わしていたガインは、グラスを片手にキリアン同様、渋い表情をして言葉の最期を濁した。
あの戦争にはガイン自身も前線に立っていたのだが、敵軍の旗印となるべき第二皇子のケンヴィーの姿は、あまり戦場で見る事は無かったような気がする。
元々、ケンヴィー皇子本人は戦に対して乗り気では無かったとも聞いた。
そんなに皇帝の座に執着するようなタイプでもない。
自軍の兵士たちには、ケンヴィー皇子を見つけたら、なるべく傷を与えずに生きたまま捕らえる様に伝えてあった。
末端の兵士や、徴収した者には行き渡ってはいなかったかも知れないが、それでも大怪我をした上に遥か遠いリスクィートに居るというのが引っかかる。
「戦火はベルゼルトの国境近くまで拡がりかけたが、そこで大怪我をしたケンヴィー皇子を保護したとして…
遥か遠くのリスクィートまで連れて行ったと…
何やら不自然な気もするが……」
ガインの呟きにキリアンが目を伏せ、フゥ…と細く息を吐いた。
「ケンヴィーを保護した事をリスクィートはまだ公にはしていないが、公にする時には我が国への宣戦布告も共にされるのだろう。」
戦では対立したが、本来はそれなりに仲の良い兄弟であった。
戦を起こしたのも、周りの意地汚い甘言に唆されたゆえに起こった様な物だと、ガインは少なくともそう思う。
キリアンだって、弟を傷付けたくは無かった筈だ。
遠くの地に居る大怪我をした弟を憂いたキリアンを、ガインは胸が締め付けられる思いで見ていた。
悲しげに伏せられたキリアンの紺碧の瞳に、金糸のまつ毛が影を落とす。
紺碧の瞳は濡れた宝石の様に見えた。
いたたまれず、ガインは椅子から立ち上がるとキリアンの隣に立ち、包む様にキリアンの身体を抱き締めた。
「キリアン…!何があっても…俺がついている…!
再び戦争が起こっても、俺がキリアンを守る!
ケンヴィー皇子殿下を……助ける事は出来なくとも…
その罪は、悲しみは、俺が一緒に背負うから!」
「ガインも戦争が起きると感じているんだよね…。
我が国は大きいけど、先の戦で国力は疲弊している。
今なら落とせると思っているのだろうな…。
前の戦では、リスクィートは表立って我が国に対立の姿勢を見せる事は無かった…。
一部の貴族が、勝手に参戦しただけだと。」
ガインの腕の中で、キリアンがフルッと震えた。
次の戦は、リスクィートがケンヴィー皇子を旗印として掲げて、これは正義だと国として宣戦布告してくるに違いない。
再び戦争が起こる。
「ガインよ。私はケンヴィーと戦うつもりは無い。
だが、リスクィート国にベルゼルト皇国を渡す事などあってはならない。
私がこの先…どのような非道い決断を下しても、ガインだけはついて来てくれるか…?」
ガインの腕の中で、キリアンが顔を上げて瞼を開いた。
女神に喩えられる神懸かりした美しさを持つキリアンに真っ直ぐ見詰められ、ガインは思わず息を呑んだ。
乱れた絹糸の様な髪が、キリアンの頬や唇に掛かるのを、ガインが太い指先でよけていく。
「私は…何があろうと陛下のお側に居り続けます。
いつまでも、どこまでも、魂だけになろうとも。
私は常に、陛下のお側に。」
「魂だけ?それは駄目だ。私を置いて逝く事は許さん。
ガインが魂だけになるのならば私も魂だけとなろう。
そして共に逝こう。」
「それは、なりません!陛下…貴方は……!」
後に続く言葉は唇で塞がれた。
椅子から立ち上がったキリアンがガインの首に両腕を掛け身を屈ませ、下から強く唇を押し付けた。
舌先で割る様に唇が開かれ、ガインの咥内に柔らかくも力強く弾力を持つキリアンの舌先が入って来る。
呼吸も止まる程唇を重ねたまま、互いの僅かな吐息を交換し合う。
舌先を絡ませ合いながら唇が離れ、声が出せる様になったガインが続きを呟いた。
「陛下…キリアン…お前は俺の命より大切なんだ…
例え俺と一緒にだとしても、死ぬみたいな事…言うなよ…
皇帝陛下としてだけじゃなく、俺はキリアンに生きていて欲しいんだ。」
ガインが濡れた舌先を出した状態で、咽ぶ様に鼻をグズグズと鳴らした。
鼻の頭が赤くなった涙目の強面中年男が、何と愛らしく見えるのだろう。
キリアンはガインの目尻に唇を寄せた。
「ごめん…もう悲しませる様な事は言わないよガイン。
まだリスクィート国から正式な文書も何も来ていない。
今の内に出来る事だってあると思う。
皇帝として、この国を守るように頑張るから、ガインは騎士として国を
そして妻として俺を支えて……。」
ガインの身体がビクッと縦に伸びる。
向き合って抱き締め合ったキリアンの両手の平が、ガインの衣服の上から双丘をがしっと握り込んでおり、両手の中指がトラウザーズの布を谷間に押し込む様にミチミチと食い込ませていく。
「ッ…き、キリアン……あ……駄目だ、俺、酔ってるし……
まともに相手、出来ん…多分寝ちまう…し…。」
「そんな風に気負わないで。寝たっていいよ。
ガインは、いつものままのガインでいい。
だから…全身で俺を包んで……俺を慰めて……」
シャツの上からカプと筋肉で出来たガインの乳房の頂きを噛む。
シャツを唾液で塗らしながら、ヂュッヂュッと乳首を吸い、臀部の谷間に4本の指先を立てて入れ、上下にスライドして受け入れ場所に準備を促す。
「んぉ…!ッ…ふぁあ!!…すっ…吸わ…!」
互いの膝頭を突き合わせた様に内股になり、カクカクとガインの下肢が震え出した。
膝から力が抜けて立っているのが困難になる。
キリアンを抱き締めるために背中に回したガインの手の平が、縋る様にキリアンの衣服をギュウッと掴んだ。
キリアンの肩に額を預け、俯いた状態で切ない吐息を漏らし始める。
「んあっ…!は…あ…っく…あぁ…!」
慰めてと言われれば抵抗の言葉は吐けず、断わる術も見つからないまま、ガインの気持ちより先に身体がキリアンを受け入れる側に傾いていく。
その場に崩れ落ちそうなガインの身体を支えてキリアンが囁いた。
「ベッドに行こうか。
そして俺を、たくさん慰めて………。」
身体の大きな侍女がカップに茶を注ぎながらカリーナに話しかけた。
「あたくし驚きましたわ。
行方不明となったケンヴィー様が、まさか、あの様なお姿でリスクィートのお城に居るなんて……
敗戦の将とはいえ、あまりにもお気の毒で。」
「………もうお芝居は良いわ。セドリック。
わたくしも処刑されてもおかしくはない身だわ。
戦争とはそういう物だと理解はしている。
でも、母親としての感情は別物でしょう。」
カリーナは冷静に淡々と語りながら、手にした閉じた扇を血が滲む程強く握り締めていた。
身体の大きな侍女がカリーナの手をそっと解く。
「カリーナ様、御手が傷付きます。」
「セドリック。
前にも訊ねたけれど、もう一度訊ねるわ。
貴方はベルゼルト皇国が、わたくしを殺す様に命じたとしても、わたくしの味方で居てくれるの?」
傷付いたカリーナの手を解き、ひしゃげた扇を取り除いたカリーナの手には、扇の代わりにセドリックの手が強く握られていた。
「僕は、貴女がベルゼルト皇国に仇しない者だと判断した上で貴女の依頼を受けました。
もし貴女の気持ちが変わり、貴女がベルゼルト皇国を憎んだとしても…僕は一度信じた貴女を裏切りません。」
カリーナの手を握り返して答えたセドリックの手を、スルリと解いてカリーナがふふっと小さく笑った。
「一度信頼した者を絶対に裏切らない、ヴィーヴル国の者の矜持は素晴らしいと思うわ。
でも、それでは貴方達が無駄死にする場合だってある。
一つ位は、契約が解除出来る逃げ道を設けるようにした方が良くてよ。」
「…例えば、今回の場合ですと…どういった?」
「わたくしが不憫な息子の姿を見て激昂し、兄上と共謀してベルゼルト皇国を滅ぼそうとしている可能性が出来た。
ベルゼルトに仇しないとの判断は、その時は正しかったけど状況が変わって信用に値しなくなった…とかね。」
「……そう……ですね。
本当に、そのようなお考えをお持ちに見えた時には、貴女を見限る事も視野に入れましょう。」
セドリックは肉襦袢のような大柄な侍女の衣装を脱ぎ本来の姿に戻り、衣装共々部屋の暗がりに溶ける様に消えた。
変装を解いたセドリックの横顔に、一瞬セレスティーヌを見たカリーナは、目元に指先を当て涙を拭った。
「わたくしは愛しい貴女が愛した国に…再び戦火を投じる事になるかも知れない…。
許して、セレスティーヌ。」
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「ほう…ケンヴィー皇子が見つかったと。
では、これで戦の準備はほぼ整うのか。
我が同胞にも伝えねば。」
リスクィートから届いた密書を衣服の胸の内側にしまい込み、ニヤッとほくそ笑む宰相補佐マンダンの姿を、
陰からソッと見つめてニヤッとほくそ笑む。
「ハァハァ…どんだけ胸に悪いモン溜め込んでるんだよ
巨乳ちゃん…。
もっと、巨乳ちゃんたくさん集めた所でまとめて……
全員縛ってモミモミ!揉み放題だなぁ!
ワクワクするぅ!」
興奮気味のおっぱいマスターギャリーが居た。
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ケンヴィーがリスクィートで見つかったとのセドリックからの報せは、夜に自室にて寛ぐキリアンの元へヴィーヴルの者によって届けられた。
報せを受けたキリアンは思い悩む様に、ただ渋い顔をして口をつぐんだ。
「あんなに探して見つからなかったケンヴィー皇子殿下が見つかったと…?
しかも大怪我をなさっていると……。」
キリアンの自室で酒を酌み交わしていたガインは、グラスを片手にキリアン同様、渋い表情をして言葉の最期を濁した。
あの戦争にはガイン自身も前線に立っていたのだが、敵軍の旗印となるべき第二皇子のケンヴィーの姿は、あまり戦場で見る事は無かったような気がする。
元々、ケンヴィー皇子本人は戦に対して乗り気では無かったとも聞いた。
そんなに皇帝の座に執着するようなタイプでもない。
自軍の兵士たちには、ケンヴィー皇子を見つけたら、なるべく傷を与えずに生きたまま捕らえる様に伝えてあった。
末端の兵士や、徴収した者には行き渡ってはいなかったかも知れないが、それでも大怪我をした上に遥か遠いリスクィートに居るというのが引っかかる。
「戦火はベルゼルトの国境近くまで拡がりかけたが、そこで大怪我をしたケンヴィー皇子を保護したとして…
遥か遠くのリスクィートまで連れて行ったと…
何やら不自然な気もするが……」
ガインの呟きにキリアンが目を伏せ、フゥ…と細く息を吐いた。
「ケンヴィーを保護した事をリスクィートはまだ公にはしていないが、公にする時には我が国への宣戦布告も共にされるのだろう。」
戦では対立したが、本来はそれなりに仲の良い兄弟であった。
戦を起こしたのも、周りの意地汚い甘言に唆されたゆえに起こった様な物だと、ガインは少なくともそう思う。
キリアンだって、弟を傷付けたくは無かった筈だ。
遠くの地に居る大怪我をした弟を憂いたキリアンを、ガインは胸が締め付けられる思いで見ていた。
悲しげに伏せられたキリアンの紺碧の瞳に、金糸のまつ毛が影を落とす。
紺碧の瞳は濡れた宝石の様に見えた。
いたたまれず、ガインは椅子から立ち上がるとキリアンの隣に立ち、包む様にキリアンの身体を抱き締めた。
「キリアン…!何があっても…俺がついている…!
再び戦争が起こっても、俺がキリアンを守る!
ケンヴィー皇子殿下を……助ける事は出来なくとも…
その罪は、悲しみは、俺が一緒に背負うから!」
「ガインも戦争が起きると感じているんだよね…。
我が国は大きいけど、先の戦で国力は疲弊している。
今なら落とせると思っているのだろうな…。
前の戦では、リスクィートは表立って我が国に対立の姿勢を見せる事は無かった…。
一部の貴族が、勝手に参戦しただけだと。」
ガインの腕の中で、キリアンがフルッと震えた。
次の戦は、リスクィートがケンヴィー皇子を旗印として掲げて、これは正義だと国として宣戦布告してくるに違いない。
再び戦争が起こる。
「ガインよ。私はケンヴィーと戦うつもりは無い。
だが、リスクィート国にベルゼルト皇国を渡す事などあってはならない。
私がこの先…どのような非道い決断を下しても、ガインだけはついて来てくれるか…?」
ガインの腕の中で、キリアンが顔を上げて瞼を開いた。
女神に喩えられる神懸かりした美しさを持つキリアンに真っ直ぐ見詰められ、ガインは思わず息を呑んだ。
乱れた絹糸の様な髪が、キリアンの頬や唇に掛かるのを、ガインが太い指先でよけていく。
「私は…何があろうと陛下のお側に居り続けます。
いつまでも、どこまでも、魂だけになろうとも。
私は常に、陛下のお側に。」
「魂だけ?それは駄目だ。私を置いて逝く事は許さん。
ガインが魂だけになるのならば私も魂だけとなろう。
そして共に逝こう。」
「それは、なりません!陛下…貴方は……!」
後に続く言葉は唇で塞がれた。
椅子から立ち上がったキリアンがガインの首に両腕を掛け身を屈ませ、下から強く唇を押し付けた。
舌先で割る様に唇が開かれ、ガインの咥内に柔らかくも力強く弾力を持つキリアンの舌先が入って来る。
呼吸も止まる程唇を重ねたまま、互いの僅かな吐息を交換し合う。
舌先を絡ませ合いながら唇が離れ、声が出せる様になったガインが続きを呟いた。
「陛下…キリアン…お前は俺の命より大切なんだ…
例え俺と一緒にだとしても、死ぬみたいな事…言うなよ…
皇帝陛下としてだけじゃなく、俺はキリアンに生きていて欲しいんだ。」
ガインが濡れた舌先を出した状態で、咽ぶ様に鼻をグズグズと鳴らした。
鼻の頭が赤くなった涙目の強面中年男が、何と愛らしく見えるのだろう。
キリアンはガインの目尻に唇を寄せた。
「ごめん…もう悲しませる様な事は言わないよガイン。
まだリスクィート国から正式な文書も何も来ていない。
今の内に出来る事だってあると思う。
皇帝として、この国を守るように頑張るから、ガインは騎士として国を
そして妻として俺を支えて……。」
ガインの身体がビクッと縦に伸びる。
向き合って抱き締め合ったキリアンの両手の平が、ガインの衣服の上から双丘をがしっと握り込んでおり、両手の中指がトラウザーズの布を谷間に押し込む様にミチミチと食い込ませていく。
「ッ…き、キリアン……あ……駄目だ、俺、酔ってるし……
まともに相手、出来ん…多分寝ちまう…し…。」
「そんな風に気負わないで。寝たっていいよ。
ガインは、いつものままのガインでいい。
だから…全身で俺を包んで……俺を慰めて……」
シャツの上からカプと筋肉で出来たガインの乳房の頂きを噛む。
シャツを唾液で塗らしながら、ヂュッヂュッと乳首を吸い、臀部の谷間に4本の指先を立てて入れ、上下にスライドして受け入れ場所に準備を促す。
「んぉ…!ッ…ふぁあ!!…すっ…吸わ…!」
互いの膝頭を突き合わせた様に内股になり、カクカクとガインの下肢が震え出した。
膝から力が抜けて立っているのが困難になる。
キリアンを抱き締めるために背中に回したガインの手の平が、縋る様にキリアンの衣服をギュウッと掴んだ。
キリアンの肩に額を預け、俯いた状態で切ない吐息を漏らし始める。
「んあっ…!は…あ…っく…あぁ…!」
慰めてと言われれば抵抗の言葉は吐けず、断わる術も見つからないまま、ガインの気持ちより先に身体がキリアンを受け入れる側に傾いていく。
その場に崩れ落ちそうなガインの身体を支えてキリアンが囁いた。
「ベッドに行こうか。
そして俺を、たくさん慰めて………。」
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