83 / 124
ミーちゃんと、お兄ちゃん。
キリアンはガインの両足を大きく開かせ膝裏を押してガインの腰を浮かせた。
太い楔を大口を開けて飲み込んだガインの恥部が丸見えとなり、二人が繋がった箇所を見下ろしたキリアンは満足気に笑みを浮かべる。
「一週間ぶりの俺は、そんなにも美味しい?
ガインの下の口が俺のをクチュクチュとねぶって噛んで、早くも吸い尽くされそうなんだけど。」
内側に迎え入れたキリアンをガインの内側が包む様に抱き込み、四方の肉壁が緩急を付けた収縮を繰り返す。
キリアンが楔を引き抜こうと腰を引けば、縋る様にキュウっとキツく内側が狭まる。
「あぁ…いい…内側がキリアンで満たされて…嬉しい…
でもまだ足りない…まだだ……
もっと…!もっと激しく突いて抉って…!
俺にキリアンを刻み付けてくれ!」
キリアンに押し上げられた両足の膝裏を自らで持ち、繋がった後孔を見せたガインが、ねだる様に下肢をくねらせて揺らす。
咥え込んだキリアンの巨杭にへばり付いた蜜孔の淵ヒダが、ガインが腰を揺らすに合わせてムニぃと伸び縮みする様子がキリアンの目に入った。
「なんて、やらしいメス穴を晒してんの。
ガイン。……あぁもう最高だよ。
哭いてよがる程ほじくり返してあげるよ、その貪欲で淫乱な口が満足するまで。」
ゆっくり腰を引いてガインの内側を満たした杭をヌプぅと引き抜きかけ、空虚になった場所を再び満たす様にグチュン!と勢いを付けて根元まで杭を埋め込む。
「うぁあ…!あっ…おおッ!んぁ…いい…!
ああっ…!あン!」
ガインの嬌声と重なり、濡れた筒を出入りする音がズチュズチュと部屋を満たす。
抽挿を繰り返され腹底をグングンと突き上げられたガインが顎を上げて汗ばむ喉元を晒す。
しっとりと濡れて艶めく喉仏をせぐり上げ、雄々しい低い声でありながら、情けなく上擦った声音を絶え間無く溢し続けた。
「あ、珍しい。アンだって。ナニ、ここを、この角度で突くとアンって声が出るの?
じゃあ、続けたらアンアン言っちゃうのかな。」
新しい玩具を手にした様に目を輝かせたキリアンは、試したいとばかりにガインの内側を竿の先で探る様に方方を突いて行く。
キリアンの雄根が内側を食い破る様に激しく不規則にガインの内側の壁を擦り、突いて押し上げる。
キリアンの責めに大きくしなるガインの身体に合わせてガインの屹立した馬首が白濁色の雫を飛ばしながらブンブンと揺れ動いた。
「おおおお!す、スゴ…!アッ……アン!あ、あンン…!
変な声ッ…!止まらない…!あんッ!」
「いいよ、ガイン。
可愛い声いっぱい出して。
俺しか知らないガインなんだから遠慮なんかしちゃ駄目だよ。」
ガインの内側を余す事無く満たした雄根の括れで壁を擦り、キリアンはガインを頂きへと追い上げる。
「ガイン、なんて可愛いんだろう!
あぁもう…愛が止まらないよ!」
「あああっ!好きだ…!キリアン!
あンッ!ソコいい!気持ちいい!出るッ…!イくゥ!」
「俺もガインの中にいっぱい注いであげる。
一週間ぶりの熱くて濃いのをね。」
バチュバチュと激しい抽挿を数回繰り返した後にゴンッと下肢を叩きつける様に深く密着させ、キリアンがガインの1番深い場所で無遠慮に白濁液を注ぎ込む。
刹那、腸壁に浸透する様に熱が伝わりブルッと全身を震わせたガインの馬首から、ビュルルっと放物線を描いて白濁液が放出された。
ビンっと力の入ったガインの身体が脱力し、ふにゃふにゃとベッドに四肢が沈んでゆく。
キリアンも繋がった状態でガインの上に脱力した身体を重ねた。
「はぁ~……一週間ぶりのガイン……たまらないなぁ……
まだまだ終わる気は無いから、頑張ってね奥様。」
「お…おお……簡単にへばる程、ヤワな身体はしてねぇから大丈夫だ。
た、多分な…。」
腹の上に重なったキリアンの頭を愛おしむ様に撫でながら、ガインが嬉しそうな困り顔を見せた。
「じゃあ夜が明けるまで、いっぱい愛してあげる。
……いや、たっぷりイジメて可愛がってあげるよ。」
頭を撫でるガインの大きな手に頬を擦り寄せたキリアンが、ガインの指に歯を当て軽く噛んだ。
それだけで敏感なガインの頬にサッと赤みが差し、小さく詰まった声を漏らす。
「…ッン……」
「フフッ、感度いいね。
たくさん食べてあげるし……
たくさん食べられてあげる。」
▼
▼
▼
ガインが領主として名を置くヴィルムバッハ伯爵領に数日間滞在したミーシャは、出かける際には常にルンルンを従者兼護衛として侍らせていた。
婚約者のノーザンが見たら嫉妬せずには居られない程に、ずっとミーシャの傍にはルンルンが居た。
ミーシャはルンルンという人間が面白く、彼という人間を作った背景を知りたい好奇心から彼に興味を持ち、話を聞きたいと色々な事を訊ねた。
「そんなに面白い話は無いんですよねぇ。
俺が戦争孤児で、将軍に拾って貰って世話になってるってだけで。」
「もう20年以上も昔の話しでしょ?
そんなに前からヴィルムバッハに居たのに私は今までルンルンに会った事無かったわね。
どこに隠れてたの?」
「隠れていたワケじゃありませんて。
たまたま俺がヴィルムバッハを離れていた時に、お嬢さんがコチラにいらしてたんでしょう。
強く生きていけるようにと将軍が俺を鍛えて…修行と称して他国に旅をさせたり……
まぁ、脳筋のあの人には度を過ぎた部分はありますけど。」
ルンルンに聞いた話しをまとめれば、20年以上前にあった戦争により戦争孤児となったルンルンを将軍が引き取った。
将軍の元で心身共に鍛えられたルンルンは、将軍を父親の様に慕っている。
優秀な騎士となり得る技量を持つルンルンは、今は田舎の騎士だが、いつか王都に行き城に仕える騎士になりたいなぁなんて、割と軽く考えている。
自分の生まれた国を滅ぼしたベルゼルト皇国を恨んでないが、共に戦うから戦争を起こせと国を唆し、いざ戦争が始まれば一切の関わりを断ち切って戦争に加わらなかったリスクィートを憎んでいるとの事。
「リスクィートにしたら、カリーナ姫君様の嫁ぎ先が俺の国からベルゼルト皇国にって、急に真逆になったのだから仕方が無いのかも知れませんがね。
それでも、手の平を返した様に俺の国を見捨てたあの国を許したくない。
ホント、いやらしい国なんですよね…。」
「カリーナ様の事も恨んでるの?
あの国の生まれだから尚更、皆に冷たい人だと言われていたけど本当にそうかしら。
国の取り決めで嫁ぎ先が急に変わったカリーナ様の本当の胸の内はどうだったのかしらね。
ルンルンさんの国に輿入れするハズだったのに、ベルゼルトの皇帝に気に入られて輿入れしたおかげで命拾いしたのは、たまたま運が良かっただけ?
本当に、そうなのかしら。」
ミーシャは幼い頃に城でカリーナを見掛けた事があるが話した事は無い。
一人で佇む様に居る姿を何度か見掛けたが、彼女を包む雰囲気は穏やかで、そう悪い感じではなかった。
「イヤぁカリーナ様の事は恨んでませんよー。
ちょっと意地の悪い事を思う気持ちはありますけどね。
それに…カリーナ様は薄情な方だと見られがちですが、実はそうでは無いとの声もありますしー。」
実はそうでは無い?そんな話しをルンルンは誰から聞いたんだろう。
ミーシャは不思議そうに首を少し傾けた。
人との交流を避けていたカリーナ皇妃の人となりを話せる人物は、城にもそう居ない。
そこを「それ誰に聞いたの?」と追及したかったが…。
今までにも何度か、そこを掘り下げて話を聞きたい!と思うルンルンの言動があったが、追及しようとしてものらりくらりと追及をかわされ、ミーシャは何度も話をはぐらかされた。
追及されるのが嫌なら最初から言わなければ良いのに、ルンルンは言葉遊びを楽しむ様にわざとミーシャが引っ掛かる言葉を投げて来る。
「ルンルンて、ちょっと変わってるわよね。
ルンルンだったらキリアン皇帝陛下にも気に入られると思うわよ。
城に仕えるなら、私が陛下に言ってあげましょうか?
身分は違えど幼馴染として多少の我が儘を聞いて貰えるのよ私。」
「いやぁキリアン皇帝陛下の許しを得てから、お城に仕えるのはさすがに…気が張るとゆーか。
もっと目立たない所で良いんですよー。」
城に務めたいと言いながら、陰日向の身分で良いと言う。
欲があるんだか無いんだか。
気の抜けた様な緊張感の無い佇まいを崩さないルンルンは、ミーシャの両親の墓碑の前で見せた以外では感情をあらわにする事は無かった。
ミーシャとしては、何を考えてるのか分からないルンルンの本心に、もっと近付きたかったのだが。
「そりゃ無理か…。
敬愛する将軍の孫娘とは言え、会って間もない私に胸の内を晒してはくれないわよね。
ネタになるような面白い話が、もっと聞けると思ってたんだけど。」
ミーシャ一行がヴィルムバッハを発つ日、ヴィルムバッハ伯爵邸の前には将軍をはじめ、滞在中に世話になった通いの使用人達や、裏庭で二人の従者と共に鍛錬していた汗臭い男どもが集まってミーシャ達を見送った。
寂しさからか、いつもより老けてヨボヨボのおじいちゃんと化した将軍にハグをして別れの挨拶をしたミーシャは、数日の滞在で何だか以前より逞しくマッチョになった従者二人と共に馬にまたがった。
「ミーシャぁぁ!わし、寂しいいぃ!
寝込んでしまいそうじゃ……。」
「お祖父様、急に老け込んで寝込まないで下さい。
また来ますわよ。
次は夫になる人を紹介しに連れて来ますわね。」
馬上から手綱を引き、馬を走らせようとしたミーシャが、使用人達に紛れてひらひらと控え目に手を振るルンルンを見付けた。
「ルンルンさんとのお話、楽しかったですわ。
いつか王都でお会い出来たら良いですわね。」
「俺も楽しかったです。ミーシャ様お元気でー。
それとー、俺の友人からミーシャ様に言伝て預かってまして。」
馬上からルンルンを見下ろしたミーシャが首を傾げる。
数日間の滞在中に、ルンルンから友人が居るなんて話を聞いた事は無かった。
いきなり降って湧いた謎の友人とやらが、自分に何の言伝てを?
「『またね、ミーちゃん』……と。」
「え!!!!!!ルん……!!」
ルンルンは、スススーと後退る様にその場から邸の方に去って行った。
馬を降りて言い逃げしたルンルンの後を追って問いただしたいが、そう簡単には捕まるまい。
「私をミーちゃんって呼ぶのはキリお兄ちゃんだけよ。
それを知っているのは、もう1人のお兄ちゃん…。」
ミーシャは今、初めてキリアンが何を知りたくてミーシャをこの地に寄越したのかを理解した。
「平和で何事も無く……
彼の人は誰に知られる事も無く、平和なこの領地で今も守られている…。」
▼
▼
▼
「おはよう可愛いガイン。
昨夜のガインは、とても素敵だったよ。
あのね、ケンヴィーは無事だよ。」
「はぁあッ!?」
ガインはキリアンに、明け方まで溶けて混ざり合う程に激しく何度も貫かれ交わり合い、気をやって深い眠りについていた。
昼前に目を覚ました、頭ボサボサ身体ベトベトで寝ぼけまなこのボヤぁっとしているガインに、何の前触れも無く唐突にキリアンが告げる。
━━ちょッ…マジ!?つか…!はぁ!?
大事な話をする、時と場所と状況を考えろ!!━━
太い楔を大口を開けて飲み込んだガインの恥部が丸見えとなり、二人が繋がった箇所を見下ろしたキリアンは満足気に笑みを浮かべる。
「一週間ぶりの俺は、そんなにも美味しい?
ガインの下の口が俺のをクチュクチュとねぶって噛んで、早くも吸い尽くされそうなんだけど。」
内側に迎え入れたキリアンをガインの内側が包む様に抱き込み、四方の肉壁が緩急を付けた収縮を繰り返す。
キリアンが楔を引き抜こうと腰を引けば、縋る様にキュウっとキツく内側が狭まる。
「あぁ…いい…内側がキリアンで満たされて…嬉しい…
でもまだ足りない…まだだ……
もっと…!もっと激しく突いて抉って…!
俺にキリアンを刻み付けてくれ!」
キリアンに押し上げられた両足の膝裏を自らで持ち、繋がった後孔を見せたガインが、ねだる様に下肢をくねらせて揺らす。
咥え込んだキリアンの巨杭にへばり付いた蜜孔の淵ヒダが、ガインが腰を揺らすに合わせてムニぃと伸び縮みする様子がキリアンの目に入った。
「なんて、やらしいメス穴を晒してんの。
ガイン。……あぁもう最高だよ。
哭いてよがる程ほじくり返してあげるよ、その貪欲で淫乱な口が満足するまで。」
ゆっくり腰を引いてガインの内側を満たした杭をヌプぅと引き抜きかけ、空虚になった場所を再び満たす様にグチュン!と勢いを付けて根元まで杭を埋め込む。
「うぁあ…!あっ…おおッ!んぁ…いい…!
ああっ…!あン!」
ガインの嬌声と重なり、濡れた筒を出入りする音がズチュズチュと部屋を満たす。
抽挿を繰り返され腹底をグングンと突き上げられたガインが顎を上げて汗ばむ喉元を晒す。
しっとりと濡れて艶めく喉仏をせぐり上げ、雄々しい低い声でありながら、情けなく上擦った声音を絶え間無く溢し続けた。
「あ、珍しい。アンだって。ナニ、ここを、この角度で突くとアンって声が出るの?
じゃあ、続けたらアンアン言っちゃうのかな。」
新しい玩具を手にした様に目を輝かせたキリアンは、試したいとばかりにガインの内側を竿の先で探る様に方方を突いて行く。
キリアンの雄根が内側を食い破る様に激しく不規則にガインの内側の壁を擦り、突いて押し上げる。
キリアンの責めに大きくしなるガインの身体に合わせてガインの屹立した馬首が白濁色の雫を飛ばしながらブンブンと揺れ動いた。
「おおおお!す、スゴ…!アッ……アン!あ、あンン…!
変な声ッ…!止まらない…!あんッ!」
「いいよ、ガイン。
可愛い声いっぱい出して。
俺しか知らないガインなんだから遠慮なんかしちゃ駄目だよ。」
ガインの内側を余す事無く満たした雄根の括れで壁を擦り、キリアンはガインを頂きへと追い上げる。
「ガイン、なんて可愛いんだろう!
あぁもう…愛が止まらないよ!」
「あああっ!好きだ…!キリアン!
あンッ!ソコいい!気持ちいい!出るッ…!イくゥ!」
「俺もガインの中にいっぱい注いであげる。
一週間ぶりの熱くて濃いのをね。」
バチュバチュと激しい抽挿を数回繰り返した後にゴンッと下肢を叩きつける様に深く密着させ、キリアンがガインの1番深い場所で無遠慮に白濁液を注ぎ込む。
刹那、腸壁に浸透する様に熱が伝わりブルッと全身を震わせたガインの馬首から、ビュルルっと放物線を描いて白濁液が放出された。
ビンっと力の入ったガインの身体が脱力し、ふにゃふにゃとベッドに四肢が沈んでゆく。
キリアンも繋がった状態でガインの上に脱力した身体を重ねた。
「はぁ~……一週間ぶりのガイン……たまらないなぁ……
まだまだ終わる気は無いから、頑張ってね奥様。」
「お…おお……簡単にへばる程、ヤワな身体はしてねぇから大丈夫だ。
た、多分な…。」
腹の上に重なったキリアンの頭を愛おしむ様に撫でながら、ガインが嬉しそうな困り顔を見せた。
「じゃあ夜が明けるまで、いっぱい愛してあげる。
……いや、たっぷりイジメて可愛がってあげるよ。」
頭を撫でるガインの大きな手に頬を擦り寄せたキリアンが、ガインの指に歯を当て軽く噛んだ。
それだけで敏感なガインの頬にサッと赤みが差し、小さく詰まった声を漏らす。
「…ッン……」
「フフッ、感度いいね。
たくさん食べてあげるし……
たくさん食べられてあげる。」
▼
▼
▼
ガインが領主として名を置くヴィルムバッハ伯爵領に数日間滞在したミーシャは、出かける際には常にルンルンを従者兼護衛として侍らせていた。
婚約者のノーザンが見たら嫉妬せずには居られない程に、ずっとミーシャの傍にはルンルンが居た。
ミーシャはルンルンという人間が面白く、彼という人間を作った背景を知りたい好奇心から彼に興味を持ち、話を聞きたいと色々な事を訊ねた。
「そんなに面白い話は無いんですよねぇ。
俺が戦争孤児で、将軍に拾って貰って世話になってるってだけで。」
「もう20年以上も昔の話しでしょ?
そんなに前からヴィルムバッハに居たのに私は今までルンルンに会った事無かったわね。
どこに隠れてたの?」
「隠れていたワケじゃありませんて。
たまたま俺がヴィルムバッハを離れていた時に、お嬢さんがコチラにいらしてたんでしょう。
強く生きていけるようにと将軍が俺を鍛えて…修行と称して他国に旅をさせたり……
まぁ、脳筋のあの人には度を過ぎた部分はありますけど。」
ルンルンに聞いた話しをまとめれば、20年以上前にあった戦争により戦争孤児となったルンルンを将軍が引き取った。
将軍の元で心身共に鍛えられたルンルンは、将軍を父親の様に慕っている。
優秀な騎士となり得る技量を持つルンルンは、今は田舎の騎士だが、いつか王都に行き城に仕える騎士になりたいなぁなんて、割と軽く考えている。
自分の生まれた国を滅ぼしたベルゼルト皇国を恨んでないが、共に戦うから戦争を起こせと国を唆し、いざ戦争が始まれば一切の関わりを断ち切って戦争に加わらなかったリスクィートを憎んでいるとの事。
「リスクィートにしたら、カリーナ姫君様の嫁ぎ先が俺の国からベルゼルト皇国にって、急に真逆になったのだから仕方が無いのかも知れませんがね。
それでも、手の平を返した様に俺の国を見捨てたあの国を許したくない。
ホント、いやらしい国なんですよね…。」
「カリーナ様の事も恨んでるの?
あの国の生まれだから尚更、皆に冷たい人だと言われていたけど本当にそうかしら。
国の取り決めで嫁ぎ先が急に変わったカリーナ様の本当の胸の内はどうだったのかしらね。
ルンルンさんの国に輿入れするハズだったのに、ベルゼルトの皇帝に気に入られて輿入れしたおかげで命拾いしたのは、たまたま運が良かっただけ?
本当に、そうなのかしら。」
ミーシャは幼い頃に城でカリーナを見掛けた事があるが話した事は無い。
一人で佇む様に居る姿を何度か見掛けたが、彼女を包む雰囲気は穏やかで、そう悪い感じではなかった。
「イヤぁカリーナ様の事は恨んでませんよー。
ちょっと意地の悪い事を思う気持ちはありますけどね。
それに…カリーナ様は薄情な方だと見られがちですが、実はそうでは無いとの声もありますしー。」
実はそうでは無い?そんな話しをルンルンは誰から聞いたんだろう。
ミーシャは不思議そうに首を少し傾けた。
人との交流を避けていたカリーナ皇妃の人となりを話せる人物は、城にもそう居ない。
そこを「それ誰に聞いたの?」と追及したかったが…。
今までにも何度か、そこを掘り下げて話を聞きたい!と思うルンルンの言動があったが、追及しようとしてものらりくらりと追及をかわされ、ミーシャは何度も話をはぐらかされた。
追及されるのが嫌なら最初から言わなければ良いのに、ルンルンは言葉遊びを楽しむ様にわざとミーシャが引っ掛かる言葉を投げて来る。
「ルンルンて、ちょっと変わってるわよね。
ルンルンだったらキリアン皇帝陛下にも気に入られると思うわよ。
城に仕えるなら、私が陛下に言ってあげましょうか?
身分は違えど幼馴染として多少の我が儘を聞いて貰えるのよ私。」
「いやぁキリアン皇帝陛下の許しを得てから、お城に仕えるのはさすがに…気が張るとゆーか。
もっと目立たない所で良いんですよー。」
城に務めたいと言いながら、陰日向の身分で良いと言う。
欲があるんだか無いんだか。
気の抜けた様な緊張感の無い佇まいを崩さないルンルンは、ミーシャの両親の墓碑の前で見せた以外では感情をあらわにする事は無かった。
ミーシャとしては、何を考えてるのか分からないルンルンの本心に、もっと近付きたかったのだが。
「そりゃ無理か…。
敬愛する将軍の孫娘とは言え、会って間もない私に胸の内を晒してはくれないわよね。
ネタになるような面白い話が、もっと聞けると思ってたんだけど。」
ミーシャ一行がヴィルムバッハを発つ日、ヴィルムバッハ伯爵邸の前には将軍をはじめ、滞在中に世話になった通いの使用人達や、裏庭で二人の従者と共に鍛錬していた汗臭い男どもが集まってミーシャ達を見送った。
寂しさからか、いつもより老けてヨボヨボのおじいちゃんと化した将軍にハグをして別れの挨拶をしたミーシャは、数日の滞在で何だか以前より逞しくマッチョになった従者二人と共に馬にまたがった。
「ミーシャぁぁ!わし、寂しいいぃ!
寝込んでしまいそうじゃ……。」
「お祖父様、急に老け込んで寝込まないで下さい。
また来ますわよ。
次は夫になる人を紹介しに連れて来ますわね。」
馬上から手綱を引き、馬を走らせようとしたミーシャが、使用人達に紛れてひらひらと控え目に手を振るルンルンを見付けた。
「ルンルンさんとのお話、楽しかったですわ。
いつか王都でお会い出来たら良いですわね。」
「俺も楽しかったです。ミーシャ様お元気でー。
それとー、俺の友人からミーシャ様に言伝て預かってまして。」
馬上からルンルンを見下ろしたミーシャが首を傾げる。
数日間の滞在中に、ルンルンから友人が居るなんて話を聞いた事は無かった。
いきなり降って湧いた謎の友人とやらが、自分に何の言伝てを?
「『またね、ミーちゃん』……と。」
「え!!!!!!ルん……!!」
ルンルンは、スススーと後退る様にその場から邸の方に去って行った。
馬を降りて言い逃げしたルンルンの後を追って問いただしたいが、そう簡単には捕まるまい。
「私をミーちゃんって呼ぶのはキリお兄ちゃんだけよ。
それを知っているのは、もう1人のお兄ちゃん…。」
ミーシャは今、初めてキリアンが何を知りたくてミーシャをこの地に寄越したのかを理解した。
「平和で何事も無く……
彼の人は誰に知られる事も無く、平和なこの領地で今も守られている…。」
▼
▼
▼
「おはよう可愛いガイン。
昨夜のガインは、とても素敵だったよ。
あのね、ケンヴィーは無事だよ。」
「はぁあッ!?」
ガインはキリアンに、明け方まで溶けて混ざり合う程に激しく何度も貫かれ交わり合い、気をやって深い眠りについていた。
昼前に目を覚ました、頭ボサボサ身体ベトベトで寝ぼけまなこのボヤぁっとしているガインに、何の前触れも無く唐突にキリアンが告げる。
━━ちょッ…マジ!?つか…!はぁ!?
大事な話をする、時と場所と状況を考えろ!!━━
あなたにおすすめの小説
嫌われ将軍(おっさん)ですがなぜか年下の美形騎士が離してくれない
天岸 あおい
BL
第12回BL大賞・奨励賞を受賞しました(旧タイトル『嫌われ将軍、実は傾国の愛されおっさんでした』)。そして12月に新タイトルで書籍が発売されます。
「ガイ・デオタード将軍、そなたに邪竜討伐の任を与える。我が命を果たすまで、この国に戻ることは許さぬ」
――新王から事実上の追放を受けたガイ。
副官を始め、部下たちも冷ややかな態度。
ずっと感じていたが、自分は嫌われていたのだと悟りながらガイは王命を受け、邪竜討伐の旅に出る。
その際、一人の若き青年エリクがガイのお供を申し出る。
兵を辞めてまで英雄を手伝いたいというエリクに野心があるように感じつつ、ガイはエリクを連れて旅立つ。
エリクの野心も、新王の冷遇も、部下たちの冷ややかさも、すべてはガイへの愛だと知らずに――
筋肉おっさん受け好きに捧げる、実は愛されおっさん冒険譚。
※12/1ごろから書籍化記念の番外編を連載予定。二人と一匹のハイテンションラブな後日談です。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。