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暗躍する龍の乙女を掲げる国の者たち。
「さすがは役職持ちのお貴族様が滞在なさる為のお部屋、広くて立派ですねぇ。
俺みたいな、平民出身のペーペー兵士の部屋とは大違いです、いやぁ羨ましいですね!」
ギャリーは王城内の一角にある貴族用に用意された居住区域のひと部屋に居た。
ギャリーは部屋の主が部屋から出られないようにドアの前に立ち、楽しげに話しかける。
「一介の兵士如きが宰相補佐のワタシを自室に監禁するとは、一体どういうつもりだ。」
宰相補佐であるマンダンは、困った様な表情を見せつつもヘラヘラと笑っているギャリーの真意が読めず、訝しげに表情を強張らせた。
「監禁なんて大袈裟ですよーあったかい自室に拘束具も着けられずに閉じ込められた位で。
こんなの、せいぜい軟禁でしょ?
まぁ……牢に繋ぐって選択もあるにはあったんですけど」
ギャリーは他に兵士を連れずにたった一人でマンダンの部屋を訪ねて来た。
罪人として捕らえに来るならば、兵士が数人で来る筈なのだ。
「牢に繋ぐだと!?ワタシを罪人扱いするつもりか!
何の権限も無いお前なんぞの一存で、何の咎も無いこのワタシを罪人として捕らえる事など出来んわ!」
ギャリーは一歩踏み出し、立っていたドアの前から一瞬で間を詰めマンダンの眼前に移動した。
その俊敏さに驚く間もなく、長椅子に腰掛けたマンダンはギャリーに両手をそっと握り込まれた。
ギャリーはマンダンに向けてニッと口角を上げる不気味な笑みを浮かべる。
「いえいえ何の咎も無いなんて嘘は駄目ですよ?
だってマンダン様は、いつまで経っても陛下がお亡くなりにならない事を不思議に思ってらしたでしょう?
何度か暗殺者を城内に手引きした筈なのにって。」
罪を問う様な強い言い方ではなくギャリーは軽い口調で話すが、その内容はマンダンに血の気を引かせ一瞬呼吸を忘れさせた。
「ヒ…ヒゥッ…な、何を………」
「一番最初に浴場で陛下に返り討ちにあった暗殺者以外はもう全員捕らえましたよ。」
「ッッわ、わ、ワタシが!!ワタシがそ奴らを手引きしたと!
そ、そう言うのか!!」
明らかに動揺したマンダンはギャリーに握られた手を解こうとするが、ギャリーはマンダンの手を離さなかった。
ただ不気味な笑みを浮かべたままのギャリーに、目を逸らす事も出来ぬ位置でマンダンはずっと表情を見られ続ける。
「いやもうこの際誰が手引きしたかなんて、どうでもいいですよ。
拷問の末に全員死んじゃったし。
あ、王都外れの森を拠点にしていたみたいですが、待機していたのも全員死にました。
ちなみにですが、あの暗殺者達って最初の以外は陛下の暗殺に来てたんじゃないんですよ。
マンダン様、貴方を殺す為に来ていたんです。
知ってました?
貴方は、自分を殺しに来た暗殺者達を城内に入り込める様に手引きしていたんです。」
━━は?━━
マンダンが言葉を失い、ギャリーの顔を凝視した。
ギャリーは愉しげに微笑みながら、憐れみと嘲笑をたたえた瞳でマンダンを見詰める。
「なので、彼奴らを野放しにしていても陛下が亡くなる事はありませんでしたよ。
貴方が死んじゃっていただけです。
マンダン様は自分を殺しに来た奴らを自分で城に手引きしていたんですよ。
…………………いやぁ~滑稽ですよねぇ、ハハッ。」
「なっ何を!!何を何を何を言っている!!
なぜ!!なぜワタシが殺されねばならない!!
理由が!!ワタシが殺される理由がない!!」
ギャリーの嘲笑を含んだ表情と声音に怯えたマンダンは、ガクガクと全身を大きく暴れさせて喚き立てながら、ギャリーに握られた手を引き抜こうと試みた。
だがギャリーは見た目以上に頑強で、マンダンの抵抗に対して微動だにしない。
「それがあるんですよ。
リスクィート国王の愛妃となった貴方の御息女は、不義を犯した罪で処刑されました。
貴方の孫に当たるフォアン王子も父親であるリスクィート国王の手により処刑されました。
貴方がそれを知る前に、国王は貴方に消えて欲しかった。」
「………は…、そんな…事あるハズが……
娘が不義など、犯すハズが………」
マンダンの身体からガクリと力が抜けた。
ギャリーへの抵抗を止め、ただ小刻みに震えながら瞬きも忘れて開いたまなこは、ギャリーの目に焦点を合わせたまま動かなくなった。
「ええ、不義を犯したというのは処刑する口実として国王にでっち上げられたものです。
……あの国王は遺恨を嫌います。
恐れてではなく、ただ煩わしいから嫌いなんです。
リスクィートにおいでたマンダン様の縁者も皆、お亡くなりに……」
「……はぁ……?いや、嘘に決まっている……ワタシの……
ワタシのもとに……その様な話は一切届いてない………
お前如きが…そんな情報をどうやって………」
「ヴィーヴルの眼はあらゆる場所にあるのですよ。」
ギャリーは握り続けていたマンダンの手を離した。
脱力したマンダンの手は、ダラッと下に下がり長椅子に座った身体も今にも倒れそうに弱々しく見える。
だが顔だけは固定された様にギャリーの方を向き、瞬きを忘れたマンダンの両目はギャリーを見たまま、有り得もしない否定の言葉を待ち続けていた。
「……お前は最近まで城に居たセドリックとか言う若造の手の者か……あやつが、その様な情報を……」
「ああ、セドリック様がヴィーヴル国の者だとは知ってらっしゃいましたか。
セドリック様は御立派な方ですが、貴方に身バレしちゃってる時点ではまだまだですね。」
ギャリーはマンダンが腰掛ける長椅子の隣に並んで腰掛けた。
倒れそうなマンダンの身体を支え、肩を抱きながら囁いた。
「これは陛下にもナイショなんですが……
実は俺、ヴィーヴル国王直属の精鋭部隊のひとつに所属してるんですよ。その中では一番下っ端ですがね。
ヴィーヴルの眼は………
もう数十年も前から、ありとあらゆる場所にあるんですよ。
セドリック様でさえ知らぬ至る所に。」
ギャリーの声は、途中からマンダンの耳に届いてはいなかった。
ギャリーの隣で呪言の様にブツブツ呟きながら、マンダンは自身にこれが事実であるのかを問いかける。
信じ難い残酷な出来事ではあるが、情報収集や隠密行動に絶対の自信を誇るヴィーヴルの名が出た以上は、これが疑い様が無い現実なのだと認めざるを得ない。
であれば、遠く離れた故郷に、国王の妃として残して来た娘と孫が、謂れの無い罪により処刑された理由が知りたい。
「なぜだ!娘は陛下に逆らったりする様な女ではない!
陛下に従順であった筈だ!
まして、不義など犯す筈もない!
なのになぜだ!!陛下はなぜ、娘を…!!」
「それは生死不明のケンヴィー皇子の代わりとして、フォアン王子の遺体が必要だったからです。
貴方がたが望んだ、戦争を起こす為の狼煙がわりに。
国王に従順だった娘さんですが……
初めて、国王に逆らったのではないですか?
我が子を守ろうと……母親として。」
マンダンは、堰を切った様に慟哭した。
獣が唸る様に大声で喚き、滝の様に溢れ出る涙を拭いもせずに、自身の膝を殴り頭を掻き毟り。
ギャリーは、慟哭するマンダンの隣に座ったまま嵐が過ぎるのを待つように口を閉ざした。
嵐が過ぎれば後は━━
▼
▼
▼
リスクィート国の王城より少しばかり距離を置いた場所にカリーナが住まう離宮がある。
カリーナの離宮の周りには、リスクィート国の兵士がカリーナの護衛との名目で昼夜を問わず警らしている。
「わたくしが、外の者と接触を計らない様に警戒しているのね。
随分と用心深い事。」
そんな兵士達の警戒網を歯牙にも掛けず、ヴィーヴルの者は容易く離宮に出入りしてしまえるのだと言う。
「カリーナ様、少し夜風に当たってよろしいですかしら。」
ベルゼルト皇国より、カリーナの侍女として着いて来た大柄な女が部屋の窓を少し開いた。
窓の下には警ら中の兵士がおり、夜分に開いた窓を訝しげに見上げたが、ふぅふぅはぁはぁと息をあげ、いかにも暑がりでありそうな女の姿を目にすると、一旦嘲笑の眼差しを向け、兵士はすぐに目線を下げ見回りに戻った。
暗がりの中、大柄な侍女が開いた窓を目指しネズミの様な小さな動物がスルスルと壁を這い登る。
その背に、小指ほどの小さな筒を背負い。
侍女は窓の隅に来た動物の背の筒を外し、代わりに小さな餌を与えるとその動物は餌を口に含んで窓から出て行った。
「面白い方法を使うのね…ヴィーヴルって。
よく仕込めた物だわ…。」
「古くから伝わるヴィーヴルの秘伝らしいですわね。
あたくしの持つ餌に惹かれて来てるみたいですが…
動物に技を仕込む仕事は別の者たちで、国を出て活動するあたくしらには詳しくは教えられておりませんので。」
他国で捕らえられた際に、その秘伝を口外する事が出来ぬよう教えられていないのだと話し、侍女は筒を開いて小さな紙を出した。
「あら、カリーナ様、こちらに国王側に警戒されている者達の名が書き連ねてありますわよ。
マンダンがこちら側についたのでしょうね。」
「そう、やっと一歩ね。
その中に、わたくしと死地へと共に歩いてくれる者は何人居るのかしら。
兄に気付かれる前に急がなくては。」
俺みたいな、平民出身のペーペー兵士の部屋とは大違いです、いやぁ羨ましいですね!」
ギャリーは王城内の一角にある貴族用に用意された居住区域のひと部屋に居た。
ギャリーは部屋の主が部屋から出られないようにドアの前に立ち、楽しげに話しかける。
「一介の兵士如きが宰相補佐のワタシを自室に監禁するとは、一体どういうつもりだ。」
宰相補佐であるマンダンは、困った様な表情を見せつつもヘラヘラと笑っているギャリーの真意が読めず、訝しげに表情を強張らせた。
「監禁なんて大袈裟ですよーあったかい自室に拘束具も着けられずに閉じ込められた位で。
こんなの、せいぜい軟禁でしょ?
まぁ……牢に繋ぐって選択もあるにはあったんですけど」
ギャリーは他に兵士を連れずにたった一人でマンダンの部屋を訪ねて来た。
罪人として捕らえに来るならば、兵士が数人で来る筈なのだ。
「牢に繋ぐだと!?ワタシを罪人扱いするつもりか!
何の権限も無いお前なんぞの一存で、何の咎も無いこのワタシを罪人として捕らえる事など出来んわ!」
ギャリーは一歩踏み出し、立っていたドアの前から一瞬で間を詰めマンダンの眼前に移動した。
その俊敏さに驚く間もなく、長椅子に腰掛けたマンダンはギャリーに両手をそっと握り込まれた。
ギャリーはマンダンに向けてニッと口角を上げる不気味な笑みを浮かべる。
「いえいえ何の咎も無いなんて嘘は駄目ですよ?
だってマンダン様は、いつまで経っても陛下がお亡くなりにならない事を不思議に思ってらしたでしょう?
何度か暗殺者を城内に手引きした筈なのにって。」
罪を問う様な強い言い方ではなくギャリーは軽い口調で話すが、その内容はマンダンに血の気を引かせ一瞬呼吸を忘れさせた。
「ヒ…ヒゥッ…な、何を………」
「一番最初に浴場で陛下に返り討ちにあった暗殺者以外はもう全員捕らえましたよ。」
「ッッわ、わ、ワタシが!!ワタシがそ奴らを手引きしたと!
そ、そう言うのか!!」
明らかに動揺したマンダンはギャリーに握られた手を解こうとするが、ギャリーはマンダンの手を離さなかった。
ただ不気味な笑みを浮かべたままのギャリーに、目を逸らす事も出来ぬ位置でマンダンはずっと表情を見られ続ける。
「いやもうこの際誰が手引きしたかなんて、どうでもいいですよ。
拷問の末に全員死んじゃったし。
あ、王都外れの森を拠点にしていたみたいですが、待機していたのも全員死にました。
ちなみにですが、あの暗殺者達って最初の以外は陛下の暗殺に来てたんじゃないんですよ。
マンダン様、貴方を殺す為に来ていたんです。
知ってました?
貴方は、自分を殺しに来た暗殺者達を城内に入り込める様に手引きしていたんです。」
━━は?━━
マンダンが言葉を失い、ギャリーの顔を凝視した。
ギャリーは愉しげに微笑みながら、憐れみと嘲笑をたたえた瞳でマンダンを見詰める。
「なので、彼奴らを野放しにしていても陛下が亡くなる事はありませんでしたよ。
貴方が死んじゃっていただけです。
マンダン様は自分を殺しに来た奴らを自分で城に手引きしていたんですよ。
…………………いやぁ~滑稽ですよねぇ、ハハッ。」
「なっ何を!!何を何を何を言っている!!
なぜ!!なぜワタシが殺されねばならない!!
理由が!!ワタシが殺される理由がない!!」
ギャリーの嘲笑を含んだ表情と声音に怯えたマンダンは、ガクガクと全身を大きく暴れさせて喚き立てながら、ギャリーに握られた手を引き抜こうと試みた。
だがギャリーは見た目以上に頑強で、マンダンの抵抗に対して微動だにしない。
「それがあるんですよ。
リスクィート国王の愛妃となった貴方の御息女は、不義を犯した罪で処刑されました。
貴方の孫に当たるフォアン王子も父親であるリスクィート国王の手により処刑されました。
貴方がそれを知る前に、国王は貴方に消えて欲しかった。」
「………は…、そんな…事あるハズが……
娘が不義など、犯すハズが………」
マンダンの身体からガクリと力が抜けた。
ギャリーへの抵抗を止め、ただ小刻みに震えながら瞬きも忘れて開いたまなこは、ギャリーの目に焦点を合わせたまま動かなくなった。
「ええ、不義を犯したというのは処刑する口実として国王にでっち上げられたものです。
……あの国王は遺恨を嫌います。
恐れてではなく、ただ煩わしいから嫌いなんです。
リスクィートにおいでたマンダン様の縁者も皆、お亡くなりに……」
「……はぁ……?いや、嘘に決まっている……ワタシの……
ワタシのもとに……その様な話は一切届いてない………
お前如きが…そんな情報をどうやって………」
「ヴィーヴルの眼はあらゆる場所にあるのですよ。」
ギャリーは握り続けていたマンダンの手を離した。
脱力したマンダンの手は、ダラッと下に下がり長椅子に座った身体も今にも倒れそうに弱々しく見える。
だが顔だけは固定された様にギャリーの方を向き、瞬きを忘れたマンダンの両目はギャリーを見たまま、有り得もしない否定の言葉を待ち続けていた。
「……お前は最近まで城に居たセドリックとか言う若造の手の者か……あやつが、その様な情報を……」
「ああ、セドリック様がヴィーヴル国の者だとは知ってらっしゃいましたか。
セドリック様は御立派な方ですが、貴方に身バレしちゃってる時点ではまだまだですね。」
ギャリーはマンダンが腰掛ける長椅子の隣に並んで腰掛けた。
倒れそうなマンダンの身体を支え、肩を抱きながら囁いた。
「これは陛下にもナイショなんですが……
実は俺、ヴィーヴル国王直属の精鋭部隊のひとつに所属してるんですよ。その中では一番下っ端ですがね。
ヴィーヴルの眼は………
もう数十年も前から、ありとあらゆる場所にあるんですよ。
セドリック様でさえ知らぬ至る所に。」
ギャリーの声は、途中からマンダンの耳に届いてはいなかった。
ギャリーの隣で呪言の様にブツブツ呟きながら、マンダンは自身にこれが事実であるのかを問いかける。
信じ難い残酷な出来事ではあるが、情報収集や隠密行動に絶対の自信を誇るヴィーヴルの名が出た以上は、これが疑い様が無い現実なのだと認めざるを得ない。
であれば、遠く離れた故郷に、国王の妃として残して来た娘と孫が、謂れの無い罪により処刑された理由が知りたい。
「なぜだ!娘は陛下に逆らったりする様な女ではない!
陛下に従順であった筈だ!
まして、不義など犯す筈もない!
なのになぜだ!!陛下はなぜ、娘を…!!」
「それは生死不明のケンヴィー皇子の代わりとして、フォアン王子の遺体が必要だったからです。
貴方がたが望んだ、戦争を起こす為の狼煙がわりに。
国王に従順だった娘さんですが……
初めて、国王に逆らったのではないですか?
我が子を守ろうと……母親として。」
マンダンは、堰を切った様に慟哭した。
獣が唸る様に大声で喚き、滝の様に溢れ出る涙を拭いもせずに、自身の膝を殴り頭を掻き毟り。
ギャリーは、慟哭するマンダンの隣に座ったまま嵐が過ぎるのを待つように口を閉ざした。
嵐が過ぎれば後は━━
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リスクィート国の王城より少しばかり距離を置いた場所にカリーナが住まう離宮がある。
カリーナの離宮の周りには、リスクィート国の兵士がカリーナの護衛との名目で昼夜を問わず警らしている。
「わたくしが、外の者と接触を計らない様に警戒しているのね。
随分と用心深い事。」
そんな兵士達の警戒網を歯牙にも掛けず、ヴィーヴルの者は容易く離宮に出入りしてしまえるのだと言う。
「カリーナ様、少し夜風に当たってよろしいですかしら。」
ベルゼルト皇国より、カリーナの侍女として着いて来た大柄な女が部屋の窓を少し開いた。
窓の下には警ら中の兵士がおり、夜分に開いた窓を訝しげに見上げたが、ふぅふぅはぁはぁと息をあげ、いかにも暑がりでありそうな女の姿を目にすると、一旦嘲笑の眼差しを向け、兵士はすぐに目線を下げ見回りに戻った。
暗がりの中、大柄な侍女が開いた窓を目指しネズミの様な小さな動物がスルスルと壁を這い登る。
その背に、小指ほどの小さな筒を背負い。
侍女は窓の隅に来た動物の背の筒を外し、代わりに小さな餌を与えるとその動物は餌を口に含んで窓から出て行った。
「面白い方法を使うのね…ヴィーヴルって。
よく仕込めた物だわ…。」
「古くから伝わるヴィーヴルの秘伝らしいですわね。
あたくしの持つ餌に惹かれて来てるみたいですが…
動物に技を仕込む仕事は別の者たちで、国を出て活動するあたくしらには詳しくは教えられておりませんので。」
他国で捕らえられた際に、その秘伝を口外する事が出来ぬよう教えられていないのだと話し、侍女は筒を開いて小さな紙を出した。
「あら、カリーナ様、こちらに国王側に警戒されている者達の名が書き連ねてありますわよ。
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