完璧城主の哀悼記もしくは天然転生少女の奮闘記

翡翠

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完璧城主と天然転生少女

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「春林はもともと、穀雨宮から来た娘だ。穀雨宮と白露宮は昔は仲が良かったからな。穀雨宮が最初春林の名を語ったのも、このためだ。……何も知らなかったお前にしたら上出来だと思うが…?」

 最後の言葉は、むすっとしたままの私を気遣ったものと思われる。
 なんかかわいそうな感じだし、やさしい私は表情を戻す。

「違いますよ、これは、藍玉さんの案です。」

 最後に、藍玉さんがささやいた一言。それが、このことだった。

「藍玉、の…?」

「そうです。意識を失ってたとき、藍玉さんと話したんです。藍玉さんが、ほかの貴族たちをいじめてたのは知ってますよね?」

 蒼玉は、ふっと目をふせて頷いた。

「薄々はな。おれも、強く言えなかった。」

 あーもう!ウジウジするオトコは嫌いっ!

「藍玉さんがそうしていたのは、蒼玉さまのためです!あなたを、守りたかったんですっ!いいですか、蒼玉さまが恨まれないように、藍玉さんは自分が嫌われ者になって、守ろうとしたんですっ!」

 蒼玉が目を見開く。気づいてなかったんかいっ!イラッとした私はヒートアップする。

「藍玉さんに、守ってって言われました。私、私も、蒼玉さま好きですっ!だ
から、だから…」

 私、なに言いたかったんだっけ?違う。こんなこと言いたかったんじゃない。
 藍玉さんとの会話を、蒼玉に伝えなきゃって。藍玉さんが蒼玉さまを大好きだったこと、守ろうとしたこと。どうか、責任を感じないでほしいこと…
 うまく言えないのが歯がゆくって、キッと顔を上げると、ポカンとした蒼玉と目があった。

「おまえの、好き、は…」

 え?あ、あ、あー!私、今、告白した⁉︎全力否定しようとして…やめた。そう。たぶん、ずっと前から。

 好き、だった。

 藍玉さんごめんなさい。私の気持ち、優先しちゃいます。

「好きです。ダメですか?」

「…う…そ、そう、じゃなくて…」

 複雑なのはわかる。だって今の私、藍玉さんの体だもん。

「別に、どうこうしたいわけじゃないです。そんなに悩まなくていいですって」

 恥ずかしくなってくるしね…

「もし、もし本気でよもぎがおれを好きだというなら。それは、違う。よもぎの知るおれ、は、魔法でおかしくなったおれだ。本物じゃない。」

 はぁぁ?ああイラつくっ!

「幽玄さんの魔法は、人格を変えちゃう魔法ですか⁉︎」
 
「それは…」

「違いますよね⁉︎蒼玉さまの、自分でも気づいてないほんとの気持ちのはずです!」

 蒼玉が目を逸らす。

「私は、蒼玉さまも気づいてない、ほんっとーっの、蒼玉さまを好きになったんですっ!」

 人生初の告白が、こんなに目も当てられない強引なものになるなんて思ってなかったよ…
 シーツを握りこんだ拳ががくがくしてる。
 次の瞬間、私は蒼玉に抱きしめられていた。
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