完璧城主の哀悼記もしくは天然転生少女の奮闘記

翡翠

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転生、再び。

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 淡い、暗闇。落ちてるのか、浮いてるのか、分からなくなったとき、ふいに感覚が変わった。蒼玉…大丈夫。大丈夫…

「よもぎ。力を抜け。」

 はい…私のが先輩じゃなかったっけ?見上げると、蒼玉はどこか一点を見ていた。視線を追っていく。あ…
 金髪の、おさげ。勝ち気そうな顔立ち。

「あーあ。連れてきちゃったわけー?てか、死ぬの早すぎよ…私の休暇潰さないでくれる?」

「案内人さんっ!お願いしますっ!蒼玉さまも、転生させてくださいっ!」

 蒼玉の頭を引っつかんで、無理やり下げさせる。もちろん私も、地面につくほど頭を下げた。

「…さすがにここまで来ちゃったのに追い返すなんてできないわよ。セキュリティが甘すぎって上に文句言っとくけど。…蒼玉、だっけ?あんたやるわね。」

 え?

「平気です。これくらいは。おれが死ねば、こいつが苦しむ。」

 なに言ってるの…?まじまじと蒼玉を観察して、私は悲鳴を上げかけた。蒼玉の体には、細かいキズが無数にあった。しかも一つ一つが不気味に蠢いている。
 なにこれ…っ!

「あの世のセキュリティシステムよ。相当キツいでしょ?耐えられる人がいるなんて思わなかったわ。…さっさと行きなさい。うまく言っとくから。」

 案内人さんがしっしっと手を振ると、私たちの体は淡く光り始めた。

「ありがとう、ございますっ…ほんとに…」

 身を乗り出して、案内人さんに抱きついた。引っ張られた蒼玉が不満そうに手を離した。

「何してくれてんの⁉︎」

 案内人さんの悲鳴を最後に、私は意識を失った。
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