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隠暮篇(かくれぐらしへん)
灯り
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七海はいつだって僕の道を明るく照らしてくれる。
ただ言葉を交わすだけで、一緒に何かをするだけで、今日もここにいていいんだと思えるのだから不思議だ。
「おはよう...」
「おはよう。今日は起きるの早いね」
「...それはきっと、昨日沢山もらっちゃったせいだよ」
声が沈んでぶっきらぼうな言い方になってしまったことには気づいたがもう遅い。
七海の顔を覗きこんでみると、その表情は悲哀に満ちていた。
「私は木葉の為に何かできればそれでいいの。...お願い、そんなふうに言わないで」
「ごめん、傷つけるつもりは、」
「大丈夫。...ちゃんと分かってるから。それじゃあ、ご飯食べようか」
そのときも暗い表情だったのが目にはいったものの、ただ頷くことしかできなかった。
僕にできることは何だろう。
そもそも、七海に対してできることなんて何かあるのだろうか。
どうしても悪い方に転がりがちな思考を明るい方に戻しながら、頭をフル回転させた。
そして夜、僕たちは天窓の部屋に一緒にいる。
「やっぱりここの景色はすごく綺麗だね」
「喜んでもらえたならよかった」
少しだけ間を置いて、ゆっくり話してみる。
「...七海、お昼はごめん。僕はもっと七海を大切にしたいのに、結局傷つけた。
人間みたいに愛したいって思うのに、そうじゃない部分が暴走しそうになるんだ」
「木葉...」
半分の部分を嫌悪してしまっているのが自分でも分かる。
どうしようもないことだとしても、七海の迷惑にならないようにしたかった。
だが、そんなことさえ僕にはできないのだ。
七海は少し黙った後、いつもより強く強く抱きしめてくれる。
「私は中津木葉が大好きで、中津木葉を愛してるの。人間だろうがヴァンパイアだろうがハーフだろうが、何の血が混ざっているかなんて関係ない。
だから私は、木葉の側にいたいって思うんだよ」
「七海...」
彼女は天使のような笑みを浮かべ、唇の端に優しいキスをくれた。
鼓動というのは、こんなにも高鳴るものだっただろうか。
「明日は年越し蕎麦一緒に食べようね」
「うん。...僕を受け入れてくれてありがとう」
「私の方こそ、沢山の愛をくれてありがとう」
七海は僕にとっての光だ。
どんなに暗い道さえも、あっという間に照らしてくれる。
「...七海」
「木葉...」
どちらからともなくだんだん近くなっていき、距離が一気に縮まる。
その口づけはいつもの何倍も甘く、もっと欲しいと思ってしまう。
だがそれは七海も同じだったようで、何度も食むように唇を重ねた。
「ごめん、なんだか感極まったというか、その...」
「僕は沢山の好きを伝えられて嬉しかったよ」
「わ、私も嫌だった訳じゃない。...寧ろ、もっとって思っちゃった」
僕もだよと笑って返し、もう1度性急なキスをする。
今年もあと1日で終わりだなんて今までなら気にしたこともなかったのに、こんなにも気になるのは...きっと可愛い恋人のせいだ。
──明日が楽しみで仕方なくなったのも彼女のおかげだと沁々思いながら、いつまでもふたりで空を見つめていた。
ただ言葉を交わすだけで、一緒に何かをするだけで、今日もここにいていいんだと思えるのだから不思議だ。
「おはよう...」
「おはよう。今日は起きるの早いね」
「...それはきっと、昨日沢山もらっちゃったせいだよ」
声が沈んでぶっきらぼうな言い方になってしまったことには気づいたがもう遅い。
七海の顔を覗きこんでみると、その表情は悲哀に満ちていた。
「私は木葉の為に何かできればそれでいいの。...お願い、そんなふうに言わないで」
「ごめん、傷つけるつもりは、」
「大丈夫。...ちゃんと分かってるから。それじゃあ、ご飯食べようか」
そのときも暗い表情だったのが目にはいったものの、ただ頷くことしかできなかった。
僕にできることは何だろう。
そもそも、七海に対してできることなんて何かあるのだろうか。
どうしても悪い方に転がりがちな思考を明るい方に戻しながら、頭をフル回転させた。
そして夜、僕たちは天窓の部屋に一緒にいる。
「やっぱりここの景色はすごく綺麗だね」
「喜んでもらえたならよかった」
少しだけ間を置いて、ゆっくり話してみる。
「...七海、お昼はごめん。僕はもっと七海を大切にしたいのに、結局傷つけた。
人間みたいに愛したいって思うのに、そうじゃない部分が暴走しそうになるんだ」
「木葉...」
半分の部分を嫌悪してしまっているのが自分でも分かる。
どうしようもないことだとしても、七海の迷惑にならないようにしたかった。
だが、そんなことさえ僕にはできないのだ。
七海は少し黙った後、いつもより強く強く抱きしめてくれる。
「私は中津木葉が大好きで、中津木葉を愛してるの。人間だろうがヴァンパイアだろうがハーフだろうが、何の血が混ざっているかなんて関係ない。
だから私は、木葉の側にいたいって思うんだよ」
「七海...」
彼女は天使のような笑みを浮かべ、唇の端に優しいキスをくれた。
鼓動というのは、こんなにも高鳴るものだっただろうか。
「明日は年越し蕎麦一緒に食べようね」
「うん。...僕を受け入れてくれてありがとう」
「私の方こそ、沢山の愛をくれてありがとう」
七海は僕にとっての光だ。
どんなに暗い道さえも、あっという間に照らしてくれる。
「...七海」
「木葉...」
どちらからともなくだんだん近くなっていき、距離が一気に縮まる。
その口づけはいつもの何倍も甘く、もっと欲しいと思ってしまう。
だがそれは七海も同じだったようで、何度も食むように唇を重ねた。
「ごめん、なんだか感極まったというか、その...」
「僕は沢山の好きを伝えられて嬉しかったよ」
「わ、私も嫌だった訳じゃない。...寧ろ、もっとって思っちゃった」
僕もだよと笑って返し、もう1度性急なキスをする。
今年もあと1日で終わりだなんて今までなら気にしたこともなかったのに、こんなにも気になるのは...きっと可愛い恋人のせいだ。
──明日が楽しみで仕方なくなったのも彼女のおかげだと沁々思いながら、いつまでもふたりで空を見つめていた。
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