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追暮篇(おいぐらしへん)
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「木葉、着いたよ」
小声で話しかけてみるけれど、全く反応がない。
余程疲れていたのか、ラッシュさんたちの話が濃厚だったからか...どちらにしても、これだけ陽がのぼってしまえば動けないのは明白だった。
「布団に寝かせてあげたい。ラッシュ、運んであげて」
「そうだな。...よっと」
軽々と持ち上げたラッシュさんに、美桜さんとふたり呆然と立ち尽くす。
「それで、本当にこれだけでいいのか?」
「忘れ物はないと思う。それより、この立派な建物は一体...」
「おまえの社だよ。そこまで立派でもないはずだけどな」
前にいた場所が質素な造りだったのか、ラッシュさんが新しく創ったものが豪華なのか...私には分からない。
(ものすごく豪華だけど、かなり広いような気もする)
きっと私や木葉が頻繁に来るだろうからと少し広めにしてくれたのだろうけれど、こんなに大きなお社では掃除をするのが大変な気もする。
「この柱、ちょっと借りるぞ」
「...うん、どうぞ」
数部屋あるなかから、1番使い勝手がよさそうな場所の柱に持ってきたそれを少しずつ貼りつけていく。
「...よし、できたぞ。これで体がだいぶ軽いんじゃないか?」
「あ、本当だ。...私はこれがないと死んじゃうの?」
「いや、そういう訳じゃないだろうが...大体の神が1ヶ所に留まる癖があるだろ?それでそこにある持ち物に力が飛び散ってることがあるらしい。
それがおまえの中に戻ってきたから、今は元気になったように感じたんだろう」
「長生きしていると知識も多い」
「余計なこと言うなら今すぐ柱の細工解いて元に戻すぞ」
そんなふうに和やかに言い合っている声を聞きながら、私は木葉の側で色々な荷物を段ボールから取り出していく。
「...ふう」
台所に色々なものを運んでひと段落ついたとき、何か飲み物でも淹れて持っていこうと思いつく。
「あの、ふたりとも...お茶はいかがですか?」
「ありがたくもらうよ。ほぼ徹夜状態だし、ついでにこれでも一緒に食べるか?」
「ありがとう。七海はお茶を淹れるのが上手になったね。...それ、何?」
ラッシュさんがよく分からない箱を開けて出てきたのは、ほくほくのホットサンドだった。
「これってもしかして、道の駅か何かで売ってるものじゃ...」
「丁度立ち寄る時間があったから買っておいたんだ。...まあ、お嬢さんの料理には敵わないけどな」
こんなこともあろうかと、実はお弁当を作ってきておいたのだ。
それも一緒に食べてもらおうと思っていたのがばれてしまったらしい。
「私、プロの味には勝てませんよ...?」
おずおずとバスケットを差し出すと、美桜さんは不思議そうに首を傾げてそれを受け取る。
ラッシュさんはただ笑って中のものを食べてくれた。
「プロとかプロじゃないとかより、こういうものは気持ちだと思うけどな...。うん、やっぱり美味い」
小声で話しかけてみるけれど、全く反応がない。
余程疲れていたのか、ラッシュさんたちの話が濃厚だったからか...どちらにしても、これだけ陽がのぼってしまえば動けないのは明白だった。
「布団に寝かせてあげたい。ラッシュ、運んであげて」
「そうだな。...よっと」
軽々と持ち上げたラッシュさんに、美桜さんとふたり呆然と立ち尽くす。
「それで、本当にこれだけでいいのか?」
「忘れ物はないと思う。それより、この立派な建物は一体...」
「おまえの社だよ。そこまで立派でもないはずだけどな」
前にいた場所が質素な造りだったのか、ラッシュさんが新しく創ったものが豪華なのか...私には分からない。
(ものすごく豪華だけど、かなり広いような気もする)
きっと私や木葉が頻繁に来るだろうからと少し広めにしてくれたのだろうけれど、こんなに大きなお社では掃除をするのが大変な気もする。
「この柱、ちょっと借りるぞ」
「...うん、どうぞ」
数部屋あるなかから、1番使い勝手がよさそうな場所の柱に持ってきたそれを少しずつ貼りつけていく。
「...よし、できたぞ。これで体がだいぶ軽いんじゃないか?」
「あ、本当だ。...私はこれがないと死んじゃうの?」
「いや、そういう訳じゃないだろうが...大体の神が1ヶ所に留まる癖があるだろ?それでそこにある持ち物に力が飛び散ってることがあるらしい。
それがおまえの中に戻ってきたから、今は元気になったように感じたんだろう」
「長生きしていると知識も多い」
「余計なこと言うなら今すぐ柱の細工解いて元に戻すぞ」
そんなふうに和やかに言い合っている声を聞きながら、私は木葉の側で色々な荷物を段ボールから取り出していく。
「...ふう」
台所に色々なものを運んでひと段落ついたとき、何か飲み物でも淹れて持っていこうと思いつく。
「あの、ふたりとも...お茶はいかがですか?」
「ありがたくもらうよ。ほぼ徹夜状態だし、ついでにこれでも一緒に食べるか?」
「ありがとう。七海はお茶を淹れるのが上手になったね。...それ、何?」
ラッシュさんがよく分からない箱を開けて出てきたのは、ほくほくのホットサンドだった。
「これってもしかして、道の駅か何かで売ってるものじゃ...」
「丁度立ち寄る時間があったから買っておいたんだ。...まあ、お嬢さんの料理には敵わないけどな」
こんなこともあろうかと、実はお弁当を作ってきておいたのだ。
それも一緒に食べてもらおうと思っていたのがばれてしまったらしい。
「私、プロの味には勝てませんよ...?」
おずおずとバスケットを差し出すと、美桜さんは不思議そうに首を傾げてそれを受け取る。
ラッシュさんはただ笑って中のものを食べてくれた。
「プロとかプロじゃないとかより、こういうものは気持ちだと思うけどな...。うん、やっぱり美味い」
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