148 / 258
追暮篇(おいぐらしへん)
任務完了
しおりを挟む
「ふたりとも、お疲れ様」
「お、お疲れ様でした...」
ふたりで声を揃えてそんな言葉を発する。
ラッシュさんが心配そうにこちらを見ているのに気づいて、なんとか笑ってみせた。
「ごめんなさい、大変だったでしょう?」
「ううん、全然大丈夫...」
意外と量があったその箱を仕分けていくのに必死で、なかなか終わりが見えずにめげそうになったなんて言えない。
「今夜は頑張ってここに結界をはる。...私がここにいるのを知っている人しか入れないようにする為に」
美桜さんは真剣な眼差しを向けながらぎゅっと拳を握っている。
自分がこの場所にいると覚悟を決めたらしい。
「だから、みんなにはできれば帰ってほしい」
「おう。それなら行くか」
「そうですね。...美桜さん、また来るね」
「美桜さん、僕もまた」
「...うん、また」
3人で山道を少しずつ降りていくと、ラッシュさんがにやにやしながら木葉に話しかけた。
「お嬢さんと随分仲良くやってたみたいだな?」
「恋人なのに仲が悪かったら、それはそれで問題じゃない?」
然り気無く告げられた言葉に頬を赤くしながら、車に乗せてもらう前にちらっと後ろをふりかえる。
(美桜さん、倒れたりしないかな...)
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「え?」
木葉にはお見通しだったらしく、優しく微笑みかけられる。
「美桜さんも神様なんだし、きっと上手く結界をはってゆっくり休んでくれるよ」
「...そうだね」
ハンドルを握るラッシュさんは苦笑しながら真っ直ぐ前を見つめている。
「ふたりとも本当に仲がいいな」
行きなり話しかけられたことには驚いたけれど、半分は居心地悪そうに、半分からかいたくてわくわくしているような表情だった。
「...ほら、ついたぞ。今夜はちゃんと休むように」
「ありがとうございました」
「ラッシュさん、おやすみ」
ふたりで手をふってから、そっと指を絡ませて歩き出す。
「お疲れ様。疲れてない?」
「ちょっとだけ。でも大丈夫だよ」
「駄目だよ、無理しちゃ」
笑って誤魔化してみせるけど、やっぱり木葉には通用しないらしい。
それから入浴をすませて、そのままふたりで一緒にキッチンでくつろぐ。
「なんだかこうやって過ごすのも、久しぶりな気がするね」
「...そうだね」
じっと木葉を見つめていると、ふっと笑って冷蔵庫や食器棚の方へ向かっていく。
(どうしたんだろう?飲み物なら私が淹れたのに...)
「のんびりしているだけなのは性にあわないから、ちゃんと色々なものを準備しておいたよ」
「準備?」
疑問に思っていると、木葉は嬉しそうに笑いながら冷蔵庫を開けた。
「これは...」
「お、お疲れ様でした...」
ふたりで声を揃えてそんな言葉を発する。
ラッシュさんが心配そうにこちらを見ているのに気づいて、なんとか笑ってみせた。
「ごめんなさい、大変だったでしょう?」
「ううん、全然大丈夫...」
意外と量があったその箱を仕分けていくのに必死で、なかなか終わりが見えずにめげそうになったなんて言えない。
「今夜は頑張ってここに結界をはる。...私がここにいるのを知っている人しか入れないようにする為に」
美桜さんは真剣な眼差しを向けながらぎゅっと拳を握っている。
自分がこの場所にいると覚悟を決めたらしい。
「だから、みんなにはできれば帰ってほしい」
「おう。それなら行くか」
「そうですね。...美桜さん、また来るね」
「美桜さん、僕もまた」
「...うん、また」
3人で山道を少しずつ降りていくと、ラッシュさんがにやにやしながら木葉に話しかけた。
「お嬢さんと随分仲良くやってたみたいだな?」
「恋人なのに仲が悪かったら、それはそれで問題じゃない?」
然り気無く告げられた言葉に頬を赤くしながら、車に乗せてもらう前にちらっと後ろをふりかえる。
(美桜さん、倒れたりしないかな...)
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「え?」
木葉にはお見通しだったらしく、優しく微笑みかけられる。
「美桜さんも神様なんだし、きっと上手く結界をはってゆっくり休んでくれるよ」
「...そうだね」
ハンドルを握るラッシュさんは苦笑しながら真っ直ぐ前を見つめている。
「ふたりとも本当に仲がいいな」
行きなり話しかけられたことには驚いたけれど、半分は居心地悪そうに、半分からかいたくてわくわくしているような表情だった。
「...ほら、ついたぞ。今夜はちゃんと休むように」
「ありがとうございました」
「ラッシュさん、おやすみ」
ふたりで手をふってから、そっと指を絡ませて歩き出す。
「お疲れ様。疲れてない?」
「ちょっとだけ。でも大丈夫だよ」
「駄目だよ、無理しちゃ」
笑って誤魔化してみせるけど、やっぱり木葉には通用しないらしい。
それから入浴をすませて、そのままふたりで一緒にキッチンでくつろぐ。
「なんだかこうやって過ごすのも、久しぶりな気がするね」
「...そうだね」
じっと木葉を見つめていると、ふっと笑って冷蔵庫や食器棚の方へ向かっていく。
(どうしたんだろう?飲み物なら私が淹れたのに...)
「のんびりしているだけなのは性にあわないから、ちゃんと色々なものを準備しておいたよ」
「準備?」
疑問に思っていると、木葉は嬉しそうに笑いながら冷蔵庫を開けた。
「これは...」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる