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追暮篇(おいぐらしへん)
少しだけ違った生活
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翌日の昼間、木葉に顔を覗きこまれる。
「仕事は大丈夫そう?」
「うん。...渡瀬さんに、怪我をして直接会っての打ち合わせは無理そうだって説明しておいた」
休んでくださいと言われたけれど、そうするつもりにはなれなかった。
なんでもいいから書いてみたい。
創って、綴って、そうやってできたものを沢山の人に読んでみてほしいといつもより欲張ってしまう。
「七海、今回はどんな話にするの?」
「...透明人間との恋物語。変かな?」
「そんなことないと思う。すごく面白そうだね」
ふたりで微笑みあいながら、そんな話をする。
それから無言で綴れるだけひたすら打ちこんだ。
「...」
「七海、少しやすんだ方がいいよ」
「木葉...ありがとう」
ごめんなさいよりありがとうがいい...木葉はそう言ってくれた。
だから私は、今日もありがとうを伝える。
「はい、紅茶を淹れてきたよ」
「ありがとう」
いつもより打つスピードが遅いとはいえ、なんとか物語を進めることができた。
淹れてもらった紅茶を飲んでみると、いつもよりふんわりとした香りと甘い味が口の中いっぱいに広がる。
「茶葉、新しいのにしてくれたの?」
「すごい、よく分かったね」
「いつものも好きだけど、こっちのも私は好き」
「気に入ってもらえたならよかった」
いつもならふたり並んで料理を作ったりお茶の用意をしたりするけれど、残念なことに今の私にはそれすら難しい。
「木葉...全部任せっぱなしで、」
「謝らないで。僕はこうやって君と過ごせるのが1番嬉しいから」
木葉はカップを片づけていた手を止めて、私の目を真っ直ぐ見ながらただ微笑みかけてくれた。
大袈裟に言っているわけではなく、彼の心からの言葉だとすぐに分かる。
(...どうしよう、すごく嬉しい)
迷惑をかけて申し訳ない気持ちがなくなったわけではない。
けれど、やっぱり喜びが湧いてくるのも事実なのだ。
「木葉」
「どうしたの?」
「ありがとう」
「...!うん、どういたしまして!」
木葉が笑ってくれるのはとても嬉しい。
今の私にできることは少ないけれど、それでもやっぱり彼が心配なのは変わることはないだろう。
「...これ、もしよかったら受け取って」
それは、いつかに千切れてしまったと話していたものよりも少しだけ頑丈に作ったミサンガだ。
「このくらいしかできないんだけど...」
「ううん、すごく嬉しい。ありがとう」
私の傷を避けながら、そっと優しく抱きしめてくれる。
そのぬくもりを感じられることが、今の私にとっては1番の幸せなのかもしれない。
「仕事は大丈夫そう?」
「うん。...渡瀬さんに、怪我をして直接会っての打ち合わせは無理そうだって説明しておいた」
休んでくださいと言われたけれど、そうするつもりにはなれなかった。
なんでもいいから書いてみたい。
創って、綴って、そうやってできたものを沢山の人に読んでみてほしいといつもより欲張ってしまう。
「七海、今回はどんな話にするの?」
「...透明人間との恋物語。変かな?」
「そんなことないと思う。すごく面白そうだね」
ふたりで微笑みあいながら、そんな話をする。
それから無言で綴れるだけひたすら打ちこんだ。
「...」
「七海、少しやすんだ方がいいよ」
「木葉...ありがとう」
ごめんなさいよりありがとうがいい...木葉はそう言ってくれた。
だから私は、今日もありがとうを伝える。
「はい、紅茶を淹れてきたよ」
「ありがとう」
いつもより打つスピードが遅いとはいえ、なんとか物語を進めることができた。
淹れてもらった紅茶を飲んでみると、いつもよりふんわりとした香りと甘い味が口の中いっぱいに広がる。
「茶葉、新しいのにしてくれたの?」
「すごい、よく分かったね」
「いつものも好きだけど、こっちのも私は好き」
「気に入ってもらえたならよかった」
いつもならふたり並んで料理を作ったりお茶の用意をしたりするけれど、残念なことに今の私にはそれすら難しい。
「木葉...全部任せっぱなしで、」
「謝らないで。僕はこうやって君と過ごせるのが1番嬉しいから」
木葉はカップを片づけていた手を止めて、私の目を真っ直ぐ見ながらただ微笑みかけてくれた。
大袈裟に言っているわけではなく、彼の心からの言葉だとすぐに分かる。
(...どうしよう、すごく嬉しい)
迷惑をかけて申し訳ない気持ちがなくなったわけではない。
けれど、やっぱり喜びが湧いてくるのも事実なのだ。
「木葉」
「どうしたの?」
「ありがとう」
「...!うん、どういたしまして!」
木葉が笑ってくれるのはとても嬉しい。
今の私にできることは少ないけれど、それでもやっぱり彼が心配なのは変わることはないだろう。
「...これ、もしよかったら受け取って」
それは、いつかに千切れてしまったと話していたものよりも少しだけ頑丈に作ったミサンガだ。
「このくらいしかできないんだけど...」
「ううん、すごく嬉しい。ありがとう」
私の傷を避けながら、そっと優しく抱きしめてくれる。
そのぬくもりを感じられることが、今の私にとっては1番の幸せなのかもしれない。
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