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遡暮篇(のぼりぐらしへん)
僕の昔話
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人間の友人を作ったこともあった。
正確に言えば、作ろうとしたこともあった...だろうか。
どう答えればいいのか分からず押し黙っていると、七海は申し訳なさそうな表情でただ告げる。
「話したくないなら言わなくてもいいの。ただ、どうしても気になってしまって...」
「分かった、ちゃんと話す。でも、もし嫌な思いをしたら途中でやめるから言ってね」
七海はゆっくりと首を縦にふり、じっと視線を向けてくる。
今の僕にとってはそれが1番ありがたかった。
「...ヴァンパイアだってばれそうになったことかあったんだ。
それまでは友だちだった、はずだったんだけど...」
話すのが苦しくなってしまい、俯いてしまいそうになる。
あの頃は何も違いはないのにと思っていた。
考えが甘かったなどと、当時の僕は想像したことさえなかったのだ。
手が震えそうになるのを堪えていると、すっと温かい手が伸びてきた。
「大丈夫?顔色悪いよ...?」
「僕は平気、だから」
「無理だと思ったらそのまま止めてもいいから...」
僕は縦にふりたい首を横にふる。
話すと決めたのは僕なのだから、最後まできちんとやり遂げたい。
「...僕はただ、助けたかっただけなんだ。でも、学生の頃能力が暴走した」
「え...」
七海は驚いたような表情を浮かべていて、どこから話していいのかまた分からなくなりそうになる。
「その日は学園祭で、いつもは独りで教室の隅にいる僕もちょっと浮かれてたんだ。
本当なら楽しい思い出を作るはずだったのに、それを僕が壊した」
崩れそうになった舞台を思い出す。
鉄骨が倒れはじめて逃げようとしたものの、下敷きになりかけたクラスメイトの姿が視界に入った。
見殺しにするような真似をしたくなかった...ただそれだけの理由で、人間業ではないことをやってのけたのだ。
「ちょっと動かすつもりが、あり得ない方向に曲がって折れたんだ。
その生徒も他の人たちも怪我はしなかったんだけど、その日から僕を見る目が変わった。化け物って悲鳴をあげられちゃったんだ」
「そんな理不尽なことが...」
おどけて話してできるだけ明るく振る舞ってみせたものの、七海の表情はどんどん暗いものになっていく。
やがて彼女は一言、息をするように告げた。
「...やっぱり人間は残酷だね」
正確に言えば、作ろうとしたこともあった...だろうか。
どう答えればいいのか分からず押し黙っていると、七海は申し訳なさそうな表情でただ告げる。
「話したくないなら言わなくてもいいの。ただ、どうしても気になってしまって...」
「分かった、ちゃんと話す。でも、もし嫌な思いをしたら途中でやめるから言ってね」
七海はゆっくりと首を縦にふり、じっと視線を向けてくる。
今の僕にとってはそれが1番ありがたかった。
「...ヴァンパイアだってばれそうになったことかあったんだ。
それまでは友だちだった、はずだったんだけど...」
話すのが苦しくなってしまい、俯いてしまいそうになる。
あの頃は何も違いはないのにと思っていた。
考えが甘かったなどと、当時の僕は想像したことさえなかったのだ。
手が震えそうになるのを堪えていると、すっと温かい手が伸びてきた。
「大丈夫?顔色悪いよ...?」
「僕は平気、だから」
「無理だと思ったらそのまま止めてもいいから...」
僕は縦にふりたい首を横にふる。
話すと決めたのは僕なのだから、最後まできちんとやり遂げたい。
「...僕はただ、助けたかっただけなんだ。でも、学生の頃能力が暴走した」
「え...」
七海は驚いたような表情を浮かべていて、どこから話していいのかまた分からなくなりそうになる。
「その日は学園祭で、いつもは独りで教室の隅にいる僕もちょっと浮かれてたんだ。
本当なら楽しい思い出を作るはずだったのに、それを僕が壊した」
崩れそうになった舞台を思い出す。
鉄骨が倒れはじめて逃げようとしたものの、下敷きになりかけたクラスメイトの姿が視界に入った。
見殺しにするような真似をしたくなかった...ただそれだけの理由で、人間業ではないことをやってのけたのだ。
「ちょっと動かすつもりが、あり得ない方向に曲がって折れたんだ。
その生徒も他の人たちも怪我はしなかったんだけど、その日から僕を見る目が変わった。化け物って悲鳴をあげられちゃったんだ」
「そんな理不尽なことが...」
おどけて話してできるだけ明るく振る舞ってみせたものの、七海の表情はどんどん暗いものになっていく。
やがて彼女は一言、息をするように告げた。
「...やっぱり人間は残酷だね」
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