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遡暮篇(のぼりぐらしへん)
心に寄り添う
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いつだって人間は残酷だ。
自分と少し違うだけですぐに仲間はずれにしてしまう。
相手の気持ちになって考えられない、損得しか考えていない...私の周りもそうだった。
「七海...?」
「木葉はすごいね。私だったら絶対そんなふうに考えられなかった」
手柄は自分のもの、失敗は他人のせい。
それがうんざりで独りでいることを選択した私とは覚悟が違う。
木葉は異種族だからなんていう理由で諦めたりはしなかったのだ。
...今だってきっと、完璧に諦めている訳じゃない。
(やっぱり強い人なんだ...)
「それから木葉は、人と距離をとるようにして生きてきたの?」
「うん。母親やラッシュさんたちがいるし、ずっと寂しくはなかったんだ。
でも、友だちを作るのは...」
さっきから声が震えているのはきっと気のせいじゃない。
けれど、私にできることはこれしかないのだ。
「木葉...ずっとずっと、頑張ってきたんだね」
「そんなこと、ないと思うんだけどな...」
背中に回した腕に力をこめて、離さないというように強く抱きしめる。
私は非力でできることなんて少ないけれど、今木葉をひとりにしたくなかった。
「...ごめん、しばらくそうしててもらっていい?」
「うん」
瞬間、背中に腕がまわされて弱々しく抱きしめかえされたのだと気づいた。
小さく漏れる嗚咽を、零れる涙を、溢れ出す想いを、全部全部受け止めたい。
木葉にはいいところが沢山あるのに、いつもどこか自信なさげな態度の理由を理解した。
1度どうすればいいか分からなくなると、永遠に解けない迷路のように迷子になってしまう。
気持ちを全て理解するのは無理でも、ひとりを選ぶ勇気や孤独との戦いがどんなものだったかを想像することはできる。
「私はどんな木葉のことも好きだよ。...半分ヴァンパイアでも、そんなの関係ない」
いつも口癖のように言ってきた言葉をかける。
この先何度だって、ちゃんと伝えよう。
「私は木葉だからいいの。...今目の前にいる木葉だから、一緒にいたい」
どうしてか泣きそうになるのをぐっと堪えて、語りかけるように話をする。
答えがかえってこなくて不安に思っていると、やがて小さくありがとうと耳に届いた。
「ごめんね、急に困らせちゃって...」
「ううん。木葉のことが聞けてよかった」
いつか私の話もする日がくるのだろうか。
人間嫌いな理由も、どんな過去があるのかも、できるだけ話さずにきた。
けれどそれも、近いうちに終わるのかもしれない。
半分に欠けた月を見ながら、少しだけそんなことを考えた。
自分と少し違うだけですぐに仲間はずれにしてしまう。
相手の気持ちになって考えられない、損得しか考えていない...私の周りもそうだった。
「七海...?」
「木葉はすごいね。私だったら絶対そんなふうに考えられなかった」
手柄は自分のもの、失敗は他人のせい。
それがうんざりで独りでいることを選択した私とは覚悟が違う。
木葉は異種族だからなんていう理由で諦めたりはしなかったのだ。
...今だってきっと、完璧に諦めている訳じゃない。
(やっぱり強い人なんだ...)
「それから木葉は、人と距離をとるようにして生きてきたの?」
「うん。母親やラッシュさんたちがいるし、ずっと寂しくはなかったんだ。
でも、友だちを作るのは...」
さっきから声が震えているのはきっと気のせいじゃない。
けれど、私にできることはこれしかないのだ。
「木葉...ずっとずっと、頑張ってきたんだね」
「そんなこと、ないと思うんだけどな...」
背中に回した腕に力をこめて、離さないというように強く抱きしめる。
私は非力でできることなんて少ないけれど、今木葉をひとりにしたくなかった。
「...ごめん、しばらくそうしててもらっていい?」
「うん」
瞬間、背中に腕がまわされて弱々しく抱きしめかえされたのだと気づいた。
小さく漏れる嗚咽を、零れる涙を、溢れ出す想いを、全部全部受け止めたい。
木葉にはいいところが沢山あるのに、いつもどこか自信なさげな態度の理由を理解した。
1度どうすればいいか分からなくなると、永遠に解けない迷路のように迷子になってしまう。
気持ちを全て理解するのは無理でも、ひとりを選ぶ勇気や孤独との戦いがどんなものだったかを想像することはできる。
「私はどんな木葉のことも好きだよ。...半分ヴァンパイアでも、そんなの関係ない」
いつも口癖のように言ってきた言葉をかける。
この先何度だって、ちゃんと伝えよう。
「私は木葉だからいいの。...今目の前にいる木葉だから、一緒にいたい」
どうしてか泣きそうになるのをぐっと堪えて、語りかけるように話をする。
答えがかえってこなくて不安に思っていると、やがて小さくありがとうと耳に届いた。
「ごめんね、急に困らせちゃって...」
「ううん。木葉のことが聞けてよかった」
いつか私の話もする日がくるのだろうか。
人間嫌いな理由も、どんな過去があるのかも、できるだけ話さずにきた。
けれどそれも、近いうちに終わるのかもしれない。
半分に欠けた月を見ながら、少しだけそんなことを考えた。
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