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遡暮篇(のぼりぐらしへん)
望まぬ再会
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「今日はリハビリがてら散歩に行きたいな」
そんな七海の一言から決まった、夕陽が沈みはじめた頃の予定。
あれからふたりで寝てしまい、気づけばこの時間になっていた。
最近色々あったからか、気づかないうちに疲れていたのかもしれない。
七海のきらきらした瞳を見つめながら、自然と頬がゆるむのを抑えられないまま話しかけた。
「僕も行く。...ひとりよりふたりの方が、きっと楽しいから」
「ありがとう」
杖ではまだまだ不安定な歩きを見せる彼女をひとりで行かせるのが不安で、あとはふたりの時間を増やしたくてそんな言葉をかけてみる。
断られたらどうしようかと思っていたが、そっと手を握ってくれた。
「この辺りはまだ桜が咲いてるんだね。...綺麗」
「そうだね」
風呂敷に寝転び、夜桜が咲き誇る空を見あげる。
「夜風が気持ちいいね」
「たしかに涼しいね。何か食べられるものでも持ってくればよかったかな?」
「もうちょっと元気になったら、また一緒にピクニックしよう」
「そうだね」
そんな話をしながら、僕はあることに気づいた。
...殺気というほどではないが、敵意を持った誰かがついてきているような気がする。
「...木葉」
「大丈夫だよ」
七海も気づいたらしく、横抱きにして思いきり走る。
僕の速さに追いつける様子はないが、最悪の場合待ち伏せされているかもしれない。
様々な要素を考えながらその足で向かったのは、なんとか振り切れそうな場所だった。
「いらっしゃ...おい、何があった」
「ごめん、ラッシュさ...。部屋、貸してくれる?」
「奥なら誰も来ないはずだ」
「ありがとう」
七海の震える体を強く抱きながら、そのまま急いで奥の部屋で寝させてもらう。
ラッシュさんになんて説明しようかと思っていると、申し訳なさそうな声が響いた。
「ごめんね、木葉」
「七海が謝る必要なんてないよ。もしかすると僕が自意識過剰だったのかもしれないし、勘違いだったのかもしれないし...」
そう話してはみたものの、七海の表情は安堵したものになるどころか不安を帯びたものに変化していった。
「あれは、私の母方の家の人間だよ」
「どういうこと...?」
「分からない。でも、多分私を追ってきたんだと思う」
予想外の一言に、僕は驚きのあまりただ黙っていることしかできなかった。
そんな七海の一言から決まった、夕陽が沈みはじめた頃の予定。
あれからふたりで寝てしまい、気づけばこの時間になっていた。
最近色々あったからか、気づかないうちに疲れていたのかもしれない。
七海のきらきらした瞳を見つめながら、自然と頬がゆるむのを抑えられないまま話しかけた。
「僕も行く。...ひとりよりふたりの方が、きっと楽しいから」
「ありがとう」
杖ではまだまだ不安定な歩きを見せる彼女をひとりで行かせるのが不安で、あとはふたりの時間を増やしたくてそんな言葉をかけてみる。
断られたらどうしようかと思っていたが、そっと手を握ってくれた。
「この辺りはまだ桜が咲いてるんだね。...綺麗」
「そうだね」
風呂敷に寝転び、夜桜が咲き誇る空を見あげる。
「夜風が気持ちいいね」
「たしかに涼しいね。何か食べられるものでも持ってくればよかったかな?」
「もうちょっと元気になったら、また一緒にピクニックしよう」
「そうだね」
そんな話をしながら、僕はあることに気づいた。
...殺気というほどではないが、敵意を持った誰かがついてきているような気がする。
「...木葉」
「大丈夫だよ」
七海も気づいたらしく、横抱きにして思いきり走る。
僕の速さに追いつける様子はないが、最悪の場合待ち伏せされているかもしれない。
様々な要素を考えながらその足で向かったのは、なんとか振り切れそうな場所だった。
「いらっしゃ...おい、何があった」
「ごめん、ラッシュさ...。部屋、貸してくれる?」
「奥なら誰も来ないはずだ」
「ありがとう」
七海の震える体を強く抱きながら、そのまま急いで奥の部屋で寝させてもらう。
ラッシュさんになんて説明しようかと思っていると、申し訳なさそうな声が響いた。
「ごめんね、木葉」
「七海が謝る必要なんてないよ。もしかすると僕が自意識過剰だったのかもしれないし、勘違いだったのかもしれないし...」
そう話してはみたものの、七海の表情は安堵したものになるどころか不安を帯びたものに変化していった。
「あれは、私の母方の家の人間だよ」
「どういうこと...?」
「分からない。でも、多分私を追ってきたんだと思う」
予想外の一言に、僕は驚きのあまりただ黙っていることしかできなかった。
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