ハーフ&ハーフ

黒蝶

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断暮篇(たちぐらしへん)

みんなの決意

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僕の目は完全に冴えきっていた。
普段ならもう少し微睡みに負けているところだが、残念ながら今はその余裕さえない。
「そろそろ帰る。...近々また来る」
「近くまで送ってくるから、絶対ここで待っててね」
力なく頷く七海にどんな言葉をかければいいのかも分からず、美桜さんの後を追う。
僕には、どうしても訊いておきたいことがあった。
「...自分が人柱だったって、御子について話すつもりはないの?」
「話せばたちまちあの子を困らせることになる。母親が殺された理由だって、自ずと理解してしまう。
...私には、それが正解なのかまだ分からない」
そこまで聞いてはっとした。
忘れてしまいがちだが、七海のお母さんだって御子の力を持っている。
今はまだ何も気づいていないと思うが、いずれ知ることになるだろう。
「...黙られていた方が悲しいよ?」
「そうかもしれないけど、私は嫌われるのが怖い」
「美桜さん...」
「お願い。あの子を護って。私はいつも近くにいられるわけではないから」
神様は寂しげに微笑み、その場を後にする。
僕は中途半端だ。現状に頭が追いついていないことも...存在それ自体も。
色々考えながら歩いていると、家までなんてあっという間に辿り着く。
「ただいま」
「おかえり」
少しの間沈黙が流れ、七海がぽつりと呟いた。
「どうすればいいのかな...」
「言ったでしょ、何があっても僕が護るって」
七海は自分を責めるような表情のまま固まっている。
どうすればとうわ言のように口にする彼女は、なんだか視線が定まっていない。
動揺するのも無理はないし、何故彼女ばかりがこんな目に遭わなければならないのかと思うと胸が締めつけられる。
「私は、誰かが傷つくのが怖い...」
「七海のせいだなんて誰も思わないよ。...多分、誰も悪い人はいないんだ」
「木葉?」
「狙ってくる人たちにはその人たちなりの考えがある。...僕は理解できないけど、その人たちにとってはそれが正しいことみたいな考え方があるんじゃないかな?」
話し合いで解決できる相手ではないことくらいよく分かっているつもりだ。
だが、争いは避けたいという思いがないわけではない。
「木葉は優しいんだね」
「そんなことないよ。...ただ弱いだけ」
「私にはできなかった考え方だけど、そうかもしれないってちょっと納得した。
...私は私が正しいと思うことを貫くために戦いたい。日常を護りたい。お願い、力を貸して」
「勿論だよ」
七海の瞳には決意がこもっていた。
彼女の手を握ると優しく握り返される。
...僕もいい加減、覚悟を決めよう。
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