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探しもの
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「あなたは、ワカさんですか?」
『どうしてそれを…」
「あなたのことを気にしている人がいたんです。初めて会ったときに気づかなくてすみませんでした」
やはり瑠璃の仮説は的中していた。
彼女ははっきり言ったのだ。…その少女は本当に生者だったのかと。
俺は答えにつまった。
いつだって自分に自信が持てない。
たとえ全てが解決しても、これでよかったと言い切れないだろう。
『私、ある人からもらったハンカチを探しているんです。来福に見せるつもりだったんですけど、そこまで辿り着けずに倒れてしまったみたいで…。
ここは元々、人通りが多くないでしょう?だから、そのまま…」
やはり彼女は死霊だった。
瑠璃はどうして分かったんだろう。
見た目だけでは全然分からないのに、どこで判断しているのか…相変わらず俺には分からないままだ。
「俺も一緒に探します。この辺りで間違いないんですよね?」
『お願いしてもいいですか?あれから何日も雨が降って、寒くて…。
それに、砂場に埋もれてしまったようなんです」
「分かりました。…あの、いくつか話をしてもいいですか?」
『勿論です」
早速砂が積もった場所を掘りながら、彼女がライフクと呼んだ存在について訊いてみることにした。
「その人とは…ライフクさんとは仲がよかったんですか?」
『会う度に話をしました。来たる福と書いて、来福と呼ぶみたいです。本人からそう聞いたので、私はずっとそう呼んでいます。
因みに、私の名前はこう書いて和歌と読みます。そのままですよね…」
「綺麗な名前だな、と思いました。俺は八尋っていうんです」
土の上に漢字を書いてみせると、なんだか威厳がありそうな名前ですねと笑っていた。
そんな話をしながら、少しずつ掘り進めていく。
だが、雨で土が積もっているせいかなかなか見つからない。
「俺がこの前からここに来ているのは、その来福に頼まれたからなんです。名前は知らなかったけど…おかめ仮面の人ですよね?」
『そうです。おかめ画面の…八尋さんも、視える人なんですね」
「彼女から、どうかあなたを手伝ってほしいと言われたんです。神社の規則って結構厳しいらしいので…」
『だから外には出られなかったんですね。生きていたとき、1度一緒にソフトクリームを食べに行こうと声をかけたことがあったんです。
でも、それはできないって悲しそうな顔をしていて…仮面を取るのが嫌だからなんだと思っていました」
「仮面に隠れている表情を読み取れるくらい、仲がいいんですね。…あ」
そのとき、布の切れ端のようなものが指先に触れた。
「もしかして、これですか?」
『それです!ありがとうございます。だけど、泥だらけになっちゃったな…」
「俺でよければ洗濯してきます。明日、同じ時間に来ますね」
『本当ですか!?ありがとうございます…!」
彼女は学生らしい反応を見せる。
そんな様子を瑠璃は遠くからぼんやりと眺めていた。
『どうしてそれを…」
「あなたのことを気にしている人がいたんです。初めて会ったときに気づかなくてすみませんでした」
やはり瑠璃の仮説は的中していた。
彼女ははっきり言ったのだ。…その少女は本当に生者だったのかと。
俺は答えにつまった。
いつだって自分に自信が持てない。
たとえ全てが解決しても、これでよかったと言い切れないだろう。
『私、ある人からもらったハンカチを探しているんです。来福に見せるつもりだったんですけど、そこまで辿り着けずに倒れてしまったみたいで…。
ここは元々、人通りが多くないでしょう?だから、そのまま…」
やはり彼女は死霊だった。
瑠璃はどうして分かったんだろう。
見た目だけでは全然分からないのに、どこで判断しているのか…相変わらず俺には分からないままだ。
「俺も一緒に探します。この辺りで間違いないんですよね?」
『お願いしてもいいですか?あれから何日も雨が降って、寒くて…。
それに、砂場に埋もれてしまったようなんです」
「分かりました。…あの、いくつか話をしてもいいですか?」
『勿論です」
早速砂が積もった場所を掘りながら、彼女がライフクと呼んだ存在について訊いてみることにした。
「その人とは…ライフクさんとは仲がよかったんですか?」
『会う度に話をしました。来たる福と書いて、来福と呼ぶみたいです。本人からそう聞いたので、私はずっとそう呼んでいます。
因みに、私の名前はこう書いて和歌と読みます。そのままですよね…」
「綺麗な名前だな、と思いました。俺は八尋っていうんです」
土の上に漢字を書いてみせると、なんだか威厳がありそうな名前ですねと笑っていた。
そんな話をしながら、少しずつ掘り進めていく。
だが、雨で土が積もっているせいかなかなか見つからない。
「俺がこの前からここに来ているのは、その来福に頼まれたからなんです。名前は知らなかったけど…おかめ仮面の人ですよね?」
『そうです。おかめ画面の…八尋さんも、視える人なんですね」
「彼女から、どうかあなたを手伝ってほしいと言われたんです。神社の規則って結構厳しいらしいので…」
『だから外には出られなかったんですね。生きていたとき、1度一緒にソフトクリームを食べに行こうと声をかけたことがあったんです。
でも、それはできないって悲しそうな顔をしていて…仮面を取るのが嫌だからなんだと思っていました」
「仮面に隠れている表情を読み取れるくらい、仲がいいんですね。…あ」
そのとき、布の切れ端のようなものが指先に触れた。
「もしかして、これですか?」
『それです!ありがとうございます。だけど、泥だらけになっちゃったな…」
「俺でよければ洗濯してきます。明日、同じ時間に来ますね」
『本当ですか!?ありがとうございます…!」
彼女は学生らしい反応を見せる。
そんな様子を瑠璃は遠くからぼんやりと眺めていた。
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