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改変
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『どうするんですか、あんなこと言って…』
「ごめん。だけど、あんなに辛そうにしているのを放っておけない」
《廃ホテル 壺》でネット検索をかけてみる。
いくつか引っかかったものがあるなか、今回の事態の核心に迫れそうなものが目に入った。
「…やっぱり」
『何がです?』
「俺が聞いた噂話に壺なんて単語は含まれてなかった。だけど、このサイトにはまるで遭遇したことがあるような人の書き込みがある。
多分、壺が割れた音が合図かなにかになってるんだと思う」
『そう考えるのが自然ですね』
「…なかなか手強そうだな」
人伝に話が大きくなったものなら、誰かに噂を吹きこんでしまえばそちらが広がっていく可能性が高い。
だが、不特定多数が閲覧するネットでの拡散となると今流れているものを回収することさえ難しくなる。
『このサイトを見られないようにしてしまえばいいのではありませんか?』
「それが簡単にできればいいんだけど、残念ながら無理なんだ。本当にあった事件を元にしているならまだ名誉を傷つけられたとか理由づけできる。
だけど、今回は消えた人たちのことを誰も覚えてない。それなのにどうやって訴えればいいの?すぐ止まるわけでもないだろうし…」
『…面倒な世の中になったものです』
瑠璃はため息を吐きながら、小窓の前に留まった。
『仕方がないので今回も手を貸します。…お代は温かいお菓子でお願いします』
「分かった。ありがとう」
飛んでいったのを確認して、今できることをやろうとスマートフォンに手を伸ばす。
あんなに優しい人に、これ以上穢れてほしくない。
「…誰でも書きこみ可能、か」
誰でも使えるネットワークを使うことにして、コートを羽織り外に出る。
そこで打ちこんだのは、どうやらこの噂には続きがあるらしいというものだ。
《夜陽炎は柘榴が好物らしく、消えた人たちの人数分備えると無傷の状態で全員還してくれるらしい。
この場所に実際行った人から話を聞いたので間違いないと思います》
目には目を、歯には歯を…だったら、嘘には嘘で対抗するしかない。
これがどれだけの人たちに届くかは分からないが、なんとか多くの人たちの目に留まってほしいと願う。
アカウントなんて作っていない俺相手に返信がこないようになっているが、これが人の口から口へ伝わっていくことを祈らずにはいられない。
「…彼を助けたいんだ」
いつものお守りを握りしめながら、震える手で送信ボタンをタップした。
『何故こんな場所にいるんですか?』
「ここだと電波がいいから、かな」
『そうですか。…あなたが動いたなら明日には噂が変わるでしょう』
「そうだといいけど…」
瑠璃は寒そうに体を震わせている。
その小さな体を抱えて、暖房をかけたままの部屋へ戻ることにした。
「ごめん。だけど、あんなに辛そうにしているのを放っておけない」
《廃ホテル 壺》でネット検索をかけてみる。
いくつか引っかかったものがあるなか、今回の事態の核心に迫れそうなものが目に入った。
「…やっぱり」
『何がです?』
「俺が聞いた噂話に壺なんて単語は含まれてなかった。だけど、このサイトにはまるで遭遇したことがあるような人の書き込みがある。
多分、壺が割れた音が合図かなにかになってるんだと思う」
『そう考えるのが自然ですね』
「…なかなか手強そうだな」
人伝に話が大きくなったものなら、誰かに噂を吹きこんでしまえばそちらが広がっていく可能性が高い。
だが、不特定多数が閲覧するネットでの拡散となると今流れているものを回収することさえ難しくなる。
『このサイトを見られないようにしてしまえばいいのではありませんか?』
「それが簡単にできればいいんだけど、残念ながら無理なんだ。本当にあった事件を元にしているならまだ名誉を傷つけられたとか理由づけできる。
だけど、今回は消えた人たちのことを誰も覚えてない。それなのにどうやって訴えればいいの?すぐ止まるわけでもないだろうし…」
『…面倒な世の中になったものです』
瑠璃はため息を吐きながら、小窓の前に留まった。
『仕方がないので今回も手を貸します。…お代は温かいお菓子でお願いします』
「分かった。ありがとう」
飛んでいったのを確認して、今できることをやろうとスマートフォンに手を伸ばす。
あんなに優しい人に、これ以上穢れてほしくない。
「…誰でも書きこみ可能、か」
誰でも使えるネットワークを使うことにして、コートを羽織り外に出る。
そこで打ちこんだのは、どうやらこの噂には続きがあるらしいというものだ。
《夜陽炎は柘榴が好物らしく、消えた人たちの人数分備えると無傷の状態で全員還してくれるらしい。
この場所に実際行った人から話を聞いたので間違いないと思います》
目には目を、歯には歯を…だったら、嘘には嘘で対抗するしかない。
これがどれだけの人たちに届くかは分からないが、なんとか多くの人たちの目に留まってほしいと願う。
アカウントなんて作っていない俺相手に返信がこないようになっているが、これが人の口から口へ伝わっていくことを祈らずにはいられない。
「…彼を助けたいんだ」
いつものお守りを握りしめながら、震える手で送信ボタンをタップした。
『何故こんな場所にいるんですか?』
「ここだと電波がいいから、かな」
『そうですか。…あなたが動いたなら明日には噂が変わるでしょう』
「そうだといいけど…」
瑠璃は寒そうに体を震わせている。
その小さな体を抱えて、暖房をかけたままの部屋へ戻ることにした。
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