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第15章『バレンタインの災難』
番外篇『悪くない時間』
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「もしもし?あ、あの、私…」
電話の前には列ができている。
予想どおりの光景とはいえ、思わずため息を吐いた。
「大変そうだね」
「例年はもっと少なかったわよ」
「そうなんだ」
この子は生きている頃からこんな感じだった。
【あの、猫さん】
【……】
【猫さんは1人で寂しくないの?】
【別に。他の妖もいるし】
【そうなんだ】
猫の姿の私に話しかけてきて、いつも独りでいるのを知っていたからなんとなく放っておけなかった。
それがまさか、あの根暗糸使いの関係者だったなんてはじめは気づいてなかったけど。
「詩乃ちゃんは?」
「ちょっとした届け物をしてもらっているわ。あの子がここにいたら誰も電話をかけられなくなるでしょ?」
「たしかに…詩乃ちゃんは僕たちと違って見えちゃうもんね」
夜紅という存在はかなりおせっかいだ。
今だって、怪我をした手足であるものを配ってもらっている。
「猫さんにも部屋ってあるの?」
「あるわよ」
「電話それ自体とか…」
「流石にそれはないわ。まあ、場所は誰にも教えてないけどね」
電話の前には列ができている。
予想どおりの光景とはいえ、思わずため息を吐いた。
「大変そうだね」
「例年はもっと少なかったわよ」
「そうなんだ」
この子は生きている頃からこんな感じだった。
【あの、猫さん】
【……】
【猫さんは1人で寂しくないの?】
【別に。他の妖もいるし】
【そうなんだ】
猫の姿の私に話しかけてきて、いつも独りでいるのを知っていたからなんとなく放っておけなかった。
それがまさか、あの根暗糸使いの関係者だったなんてはじめは気づいてなかったけど。
「詩乃ちゃんは?」
「ちょっとした届け物をしてもらっているわ。あの子がここにいたら誰も電話をかけられなくなるでしょ?」
「たしかに…詩乃ちゃんは僕たちと違って見えちゃうもんね」
夜紅という存在はかなりおせっかいだ。
今だって、怪我をした手足であるものを配ってもらっている。
「猫さんにも部屋ってあるの?」
「あるわよ」
「電話それ自体とか…」
「流石にそれはないわ。まあ、場所は誰にも教えてないけどね」
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