峽(はざま)

第1幕

あとがき

ここまで読んでくださりありがとうございました。
『吸血病』...『好血症』、『ヴァンパイアフィリア』なんて呼ばれる場合もあります。
私は『ヴァンパイアフィリア』です。
ただし、私の場合は『オートカニバリズム』といって、千夜と同じように自分の血液のみが対象です。
人によっては他人の血を欲したり快感を覚えるらしいですが、私の場合は他人の血を見たら治療しないとって方に考えがいくので特に興味は沸かず、快感も全くなく、食事同然に吸うだけです。
ただ、何十分も無我夢中で吸っていることもあります。
お腹に食べ物がたまらなくて、味もほとんど分からなくて。
一日に一回だったのがだんだん吸う回数が増えて、今となっては五回です。
本当にチョコレートや飴で時間稼ぎをすることもあります。
実際歯が茶色になってしまっていて、「歯磨きした？」と親に言われたことがあります。
歯磨きしたあとで血を吸ったのがまずかったようです。
人じゃないものに傾いていく感覚...なんとなく、そういうものを感じます。
周辺にいる人たちには今まで言ったことがありません。
理解されないのが分かっているから。
これ以上蔑まれて傷つくのは嫌だから。
ただ、千夜のように一部の人間のみが知っていて理解してもらえたら、それが一番理想だと思います。
人によって症状は違うし、治療法もないけれど...近くに誰か分かろうとしてくれる人がいればいいなと思います。
重い話ですみませんでした。
もし希望があれば、続きを書くことも考えています。
ほとんど舞花が出てこなくてごめんなさい。
改めまして、物語を読んでいただきありがとうございました。
他作品も是非よろしくお願いいたします。