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1枚目
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「結、もういいか?」
「はい!大丈夫です」
私の仕事は綺麗な写真を撮ること。
そして、その魅力を沢山の人に雑誌を通じて届けること。
「お疲れ様でした」
「お疲れ。今日の写真もよかったよ」
「ありがとうございます」
先輩からお褒めの言葉をもらえてすごく嬉しい。
まだまだ頑張ろう……なんて思っていた、この頃は。
いつもカメラの練習で訪れる屋上に、この日は先客がいた。
「あの……」
「ああ、すみません」
白っぽい肌に潤んだ瞳……なんだかすぐ消えてしまいそうな子だなと思った。
「名前、聞いてもいい?」
「高倉蓮です」
「かっこいい名前だね」
「……別に」
冷たい返事だったけど、無視することなく答えてくれるのはありがたい。
「これでも私、プロのカメラマンなの。もしよければあなたの写真を、」
「お断りします。どこかに載せられるの、嫌ですから」
警戒されるのも無理はない。
初対面の相手に馴れ馴れしくされているのだから当然だ。
距離を詰めたかったのに、どんどん遠ざかっている気がする。
「載せたりしないよ。カメラの練習につきあってほしいんだ」
「…………そういうことなら」
「ありがとう。それじゃあ、えっと……なんて呼べばいいかな?」
「蓮でお願いします」
「分かった。なら蓮、あなたの都合がいい日にここに来て。絶対素敵な写真を撮るから」
「分かりました」
蓮の背中を見送り、空にカメラを向ける。
飛行機雲と夕焼けがひっそり背比べしていた。
「はい!大丈夫です」
私の仕事は綺麗な写真を撮ること。
そして、その魅力を沢山の人に雑誌を通じて届けること。
「お疲れ様でした」
「お疲れ。今日の写真もよかったよ」
「ありがとうございます」
先輩からお褒めの言葉をもらえてすごく嬉しい。
まだまだ頑張ろう……なんて思っていた、この頃は。
いつもカメラの練習で訪れる屋上に、この日は先客がいた。
「あの……」
「ああ、すみません」
白っぽい肌に潤んだ瞳……なんだかすぐ消えてしまいそうな子だなと思った。
「名前、聞いてもいい?」
「高倉蓮です」
「かっこいい名前だね」
「……別に」
冷たい返事だったけど、無視することなく答えてくれるのはありがたい。
「これでも私、プロのカメラマンなの。もしよければあなたの写真を、」
「お断りします。どこかに載せられるの、嫌ですから」
警戒されるのも無理はない。
初対面の相手に馴れ馴れしくされているのだから当然だ。
距離を詰めたかったのに、どんどん遠ざかっている気がする。
「載せたりしないよ。カメラの練習につきあってほしいんだ」
「…………そういうことなら」
「ありがとう。それじゃあ、えっと……なんて呼べばいいかな?」
「蓮でお願いします」
「分かった。なら蓮、あなたの都合がいい日にここに来て。絶対素敵な写真を撮るから」
「分かりました」
蓮の背中を見送り、空にカメラを向ける。
飛行機雲と夕焼けがひっそり背比べしていた。
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