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12枚目
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何もできないと思っていたのに、少しのことをしただけで感謝してくれる。
結さんといるのは幸せだ。
帰ってこないことを確認し、宿泊セットを持っていく。
「……お邪魔します」
誰もいない部屋に入るのはまだ数えるほどしかないが、だいぶ慣れてきた。
冷蔵庫に揚げる以外の行程が済ませてあるとんかつを見つけ、メッセージを送った。
【帰る時間を教えていただければ仕上げやっておきます】
【ありがとう。あと10分くらいで着くと思うから、今からやっておいてくれたら喜びます】
了解のスタンプを押し、千切りキャベツと持ってきたスープも仕上げる。
そうこうしているうちに、閉めておいた鍵が開けられる音がした。
「ただいま」
「おかえりなさい。ご飯、できてます」
「ありがとう。すごく助かったよ」
たったこれだけのことでも結さんは笑ってくれる。
……だからこの部屋はいつも温かいんだ。
「食べられないものってない?」
「はい」
「なら、一緒にケーキ食べよう。さっき撮影させてもらったお店で買ってきたんだ」
「ありがとうございます。いただきます」
誰かと食べるご飯がこんなに美味しかったのをすっかり忘れていた。
それを思い出させてくれたことにも、僕の居場所を作ってくれたことにも感謝だ。
何かお返しができればいいのだが、今の自分にはできそうもない。
結さんといるのは幸せだ。
帰ってこないことを確認し、宿泊セットを持っていく。
「……お邪魔します」
誰もいない部屋に入るのはまだ数えるほどしかないが、だいぶ慣れてきた。
冷蔵庫に揚げる以外の行程が済ませてあるとんかつを見つけ、メッセージを送った。
【帰る時間を教えていただければ仕上げやっておきます】
【ありがとう。あと10分くらいで着くと思うから、今からやっておいてくれたら喜びます】
了解のスタンプを押し、千切りキャベツと持ってきたスープも仕上げる。
そうこうしているうちに、閉めておいた鍵が開けられる音がした。
「ただいま」
「おかえりなさい。ご飯、できてます」
「ありがとう。すごく助かったよ」
たったこれだけのことでも結さんは笑ってくれる。
……だからこの部屋はいつも温かいんだ。
「食べられないものってない?」
「はい」
「なら、一緒にケーキ食べよう。さっき撮影させてもらったお店で買ってきたんだ」
「ありがとうございます。いただきます」
誰かと食べるご飯がこんなに美味しかったのをすっかり忘れていた。
それを思い出させてくれたことにも、僕の居場所を作ってくれたことにも感謝だ。
何かお返しができればいいのだが、今の自分にはできそうもない。
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