ノーヴォイス・ライフ

黒蝶

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第39話

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「…で、今日はどうした?」
学校終わり、様子が変だと声をかけられてりっ君の家にあがらせてもらっている。
昔からプラモデルが好きなのは知ってたけど、訪ねる度に増えているから凝視してしまった。
「みい」
「あ、ごめん。ちょっと色々あって、その…恋愛相談?」
俺がそう話すとりっ君はふっと笑った。
「なんだ、自覚したのか」
「どういうこと?」
「前から思ってたんだよ。護りたいとか側で笑っててほしいとか、発言が告白みたいだって。
けど、自分で気づかないんじゃ意味がないから黙ってた」
告白なんて言われてしまうとすごく恥ずかしい。
全然そんなつもりじゃなかったけど、無意識って怖いと思った。
「それで、プレゼントは用意したのか?」
「勿論!りっ君にもあげるから楽しみにしててね」
「俺のもあるのか。律儀だな」
「お世話になりっぱなしだからね」
出してもらったお茶を飲み干して立ちあがると、りっ君に少し大きめの箱を渡される。
「少し早いクリスマスプレゼントだ。みいの好きなように使ってくれればいい」
「ありがとう。大事にするね。じゃあ俺のも…はい」
いつも同じ万年筆とインクを使っているので、いつものものとカラフルなインクセットに新しい万年筆、羊皮紙とハンカチを渡すことにした。
「開けてもいいか?」
「どうぞ」
開けたりっ君は少しだけ複雑そうな顔をしていた。
「あの万年筆に思い出がつまってることくらい分かってるけど、カラフルな色のインクを使うなら別のがあった方がいいと思ったんだ。
そっちの黒いやつはいつも使ってるやつが入ってるから、自由に使って」
「そういうことか。久しぶりに手紙でも書くかな」
「俺宛?それとも…」
「言わない。みい、気をつけて帰れよ」
「教えてくれてもいいのに…ありがとう。じゃあまた」
部屋についてからりっ君がくれた包みを開ける。
ハンカチや筆箱、鉛筆とシャーペン…そして、五線譜とギターの張り替え用の弦が入っていた。
…見たくないものだったら申し訳ないという手紙と一緒に。
「…弦、張り替えようかな」
五線譜は真っ白なまま引き出しにいれて、鉛筆も同じ場所に仕舞う。
他のものは早速明日から使うことにした。
丁度胸ポケットに入れても重くないシャーペンがほしいと思っていたところだったのだ。
【今日はありがとうございました。合同イベント、頑張ります】
【こちらこそありがとう。一緒に楽しもうね】
他にきていた連絡は見なかったことにして、桜雪ちゃんに返信する。
弦を張り替えている途中で指先が痺れたものの、なんとか作業を終えて防音室を後にした。
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