路地裏のマッチ売りの少女

黒蝶

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Until the day when Christmas comes.

第12話

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ー**ー
目を開けると、メルが俺の腕のなかですやすやと眠っている。
俺はそっとベッドを抜け出し、クリスマス料理の準備をはじめる。
(したごしらえは終わらせないと)
しばらく調理していると、ドアをノックする音が聞こえる。
(二回...四回...二回)
ドアを開けると、警官が入ってきた。
「珍しいね、きみがくるなんて」
「お前に伝えておこうと思ってな」
青い髪が艶めいている、俺より少し高いくらいの身長の青年。
「何を?あ、頼んだ件?」
「お前が言っていた少女...顔を見せてもらえないだろうか?」
俺はあることを頼んでいた。
(...まさか)
ー*ー
「うう、ん...カムイ?」
横を見ると、いたはずのカムイがいない。
「カムイ?」
部屋を出ると、知らない男性がいた。
(眼帯を部屋に置いてきてしまいました...!)
「ああ、きみがメルか?」
「は、はい...」
「俺はエリック。警官だ。カムイとは仕事仲間なんだ。俺は表から、カムイは裏から情報を手に入れ、交換している」
「そうなんですか」
カムイの仕事の知り合い。
そう言われて少し安心した。
「カムイとエリックさんはお友だちなんですか?」
「まあそんなところだよ。メル、悪いんだけど...部屋に戻っていてくれないかな?」
(お仕事のお話なら、邪魔しない方がいいですよね)
「分かりました」
「終わったら一緒に何か食べよう」
「はい」
私はおとなしく部屋に戻ることにした。
(でも、どんな話をするのか気になります...)
ー**ー
「...で?どうだった?」
「捜索願は出されていない」
俺がエリックに頼んだこと...それは、メルの捜索願が出されているかどうかの調査だった。
「やっぱり、クズな父親か」
「おまえ、彼女に気があるのか?」
「...さあね」
エリックは変なところに敏感だ。
「それと忠告しにきた」
「何の忠告だよ」
「...おまえの両親を殺したマフィアが彷徨いているらしい。気をつけろ」
あの連中が、街を彷徨いている?
「もしかして、俺が調べた麻薬の隠しルートと関係ある?」
「ああ」
「捕まえなきゃね」
そう言うと、エリックは驚いたような素振りを見せる。
「まさかおまえが冷静にそう言うとは思わなかった。さっきの彼女のお陰だな」
「俺もそう思うよ。捕まえるの、手伝ってあげようか?」
「いや、今俺の部下に見張りをさせているからもうすぐ逮捕できるはずだ」
(今回は俺の出番はなさそうだな)
「そう。もし困ったら言ってね」
「お前はおとなしく患者の面倒を見て、あの子と幸せに暮らしてろ。裏に浸りすぎるな」
何度もこんなふうにエリックはお小言を言ってくる。
「はいはい」
「じゃあな」
扉が閉まるのを見て、俺はそっと呟く。
「あいつらが...」
ー*ー
「メル、出てきて大丈夫だよ」
カムイの優しい声が聞こえて、私は部屋を出る。
「あの、お仕事のお話は...」
「終わったよ。それより、フォンダンショコラ食べる?チョコレートケーキみたいなものなんだけど...」
「チョコレートケーキ?」
「チョコレートっていう、お菓子があるんだ。甘いのもあれば苦いのもある。でもこれは甘いので作ってあるから、メルも美味しく食べられるはずだよ」
知らないことが多すぎて、カムイに申し訳なく思う。
(自分で調べられるといいのですが...)
「ほら、食べてみて?」
差し出されたフォークにパクリと噛みつく。
「美味しいです!カムイもコックさんになれそうですね!」
「よかった、口に合わないんじゃないかと思ってたから...」
「カムイと食べるものは、なんでも美味しいです」
はじめてのフォンダンショコラはとても美味しくて、あっという間に食べきってしまった。
「紅茶を淹れますね」
「うん、ありがとう。ごめんね、ご飯というよりはデザートになっちゃって...」
「いえ、美味しかったですから!」
カムイと一緒にいたい。
私といてはカムイに迷惑かもしれない...。
「メル」
「はい、なんでしょうか?」
「...明日、手伝ってくれる?」
「何をでしょうか?」
「クリスマスの夜ご飯の準備!色々なものを作ろうよ、折角だからね」
「ありがとうございます!頑張ります!」
この気持ちを、カムイに伝えても迷惑にならないだろうか。
ーークリスマスまで、あと二日。
私は決心した。
(カムイに、気持ちを伝えましょう)
たとえ断られてしまったとしても、私は伝えたい。
でも、その前にやりたいことがある。
「カムイ、お願いがあります」
「どうしたの、メル」
「...明日、一緒にお出掛けしてくれますか?」
「勿論だよ。どこに行きたいの?」
「それは...」
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