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Until the day when Christmas comes.
第16話
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ー**ー
...しまった、と俺は思った。
俺一人なら倉庫街から自宅まで走っても、疲れることなどない。夜の仕事が多いので眠くなることもない。
しかし...
「はあ、はあ...」
「ごめん、メル。馬を用意してくるべきだったね」
「いえ...大丈夫、です」
相当疲れているメルを歩かせてしまったことを俺はかなり後悔した。
「疲れたでしょ?...掴まっててね」
「カムイ?」
俺はメルをおぶる。
「もう少しで家だから寝てていいよ。メルのことは俺が守るから」
「カムイ...好きです...」
(...!)
彼女は自分の一言がどれだけ俺の心をかき乱すのか、自覚しているのだろうか。
「ありがとう、メル」
しばらく歩いていると目の前に自宅が見えてくる。
「おやすみ」
メルをベッドに寝かせると、とても幸せそうな顔をしていた。
ー*ー
(朝、でしょうか...?)
目が覚めるといつの間にかベッドの上にいた。
「おはよう、メル」
「カムイ!おはようございます」
(そういえば昨日は歩いて帰っていて、それで途中から...)
昨夜のことを思い出し、身体が熱くなる。
「メル?もしかして、具合悪い?」
「いえ、そうではなくて...」
(そういえば、まだ言わなければならないことがありました)
「カムイ」
「何?」
「私は、カムイと一緒にいてもいいんですか?ご迷惑になるのでは...」
重荷になるのは堪えられなくて。
ついつい聞かずにはいられなかった。
「当たり前でしょ?」
カムイは手を止め、私を包みこむ。
「メル、きみは自分で思っているよりもずっと素敵なんだよ。俺がナイフを使っても怖がらずにいてくれた。俺の重い話も聞いてくれた。それにメルと食べるご飯は、他の何よりもずっと美味しい。...他にも一緒にいるといいことがたくさんあるけど、俺はメルを失いたくない。ずっとそばにいてほしいんだ。俺がメルの居場所になるから...だから、迷惑だとか考えないでほしい」
「カムイ...ありがとう、ございます」
私はなんていい相手に出会えたのだろう。
私もカムイの力になりたい。
弱い面も強い面も、支えられるようになりたい。
「メル、そういえば...昨日、敬語がはずれてたよね?」
「え、いつですか?」
「...あの監禁場所で、助けてって」
(そういえばそうでした。ちっとも気づいてなかったです)
「あの時は必死だったので覚えていませんでしたが、言われてみればそうかもしれません」
「俺の事、呼んでくれてありがとう」
ふと見上げると、カムイの笑顔が視界いっぱいに見えた。
「カムイ、これからは、そのっ...恋人としてもよろしくお願いします」
(言っちゃいました!どうしましょう...)
ー**ー
彼女は俺をキュン死にさせるつもりなんだろうか。
メルは顔を真っ赤にして立っている。
俺はそんな彼女を強く抱きしめなおす。
「か、カムイっ」
「どうしてそんなに可愛いの...?」
「べ、別に可愛くはないです」
「ううん、可愛い。可愛いよ」
俺は、何をメルに伝えたかったのか分からなくなってしまった。
(何か言おうとしたんだよな...そうだ!)
「メル」
「はっ、はい!」
「今日の夕食の準備、手伝ってくれる?」
ー*ー
「カムイ、ケーキができました!」
「ありがとう」
ぽん、と頭を撫でられる。
(撫でられるのは照れちゃいます...)
「よし、できたよ!」
「わあ...」
テーブルにならんだチキンやパン、それにケーキ。
カムイと二人で飾った、クリスマスツリー。
そして、
「メリークリスマス、メル」
誰よりも大切な、愛する人。
「メル?どうしたの?」
私はなんて幸せなのだろうか。
「ごめんなさい、嬉しくて...。幸せすぎて、泣いてしまいました」
ー**ー
「大丈夫だよ、メルとのこの大切な時間は俺が守るから」
俺は堪えきれず、メルを抱きしめる。
彼女がどんな人生を歩んできたのか、全てを知ったわけではない。
彼女がその記憶と戦わなくてはならないことも分かっているつもりだ。
それでも、俺は...
「メルの手を離したりしないから、俺を信じて?」
「...っ、はい」
メルは涙を流しながらもにこにこと笑っていた。
本当に幸せそうな笑顔で、俺まで幸せな気分になる。
(...いや、ちがうな)
俺は今この瞬間が、幸せだ。
「メル、これ...受け取ってくれる?」
この日のために、彼女が寝ている間に準備したものだ。
「これは...」
ー*ー
それは、薄い青色のブレスレットだった。
「言ったでしょ?俺がプレゼントをあげるって」
「いただいてしまってもいいんですか?」
「勿論だよ!つけてあげるね」
温かい食事も、クリスマスツリーも、ジングルベルも、そして...
「ありがとうございます」
大切な居場所と、大切な人。
私は全てを手に入れた。
(幸せすぎて怖いです)
「カムイ」
「どうしたの?」
「大好きです」
「...!うん、俺もだよ」
どちらからともなく、どんどん距離が縮まって...唇が重なった。
(やっぱり、幸せです)
はじめてのクリスマスに、私の心は温かくなるばかりだった。
...しまった、と俺は思った。
俺一人なら倉庫街から自宅まで走っても、疲れることなどない。夜の仕事が多いので眠くなることもない。
しかし...
「はあ、はあ...」
「ごめん、メル。馬を用意してくるべきだったね」
「いえ...大丈夫、です」
相当疲れているメルを歩かせてしまったことを俺はかなり後悔した。
「疲れたでしょ?...掴まっててね」
「カムイ?」
俺はメルをおぶる。
「もう少しで家だから寝てていいよ。メルのことは俺が守るから」
「カムイ...好きです...」
(...!)
彼女は自分の一言がどれだけ俺の心をかき乱すのか、自覚しているのだろうか。
「ありがとう、メル」
しばらく歩いていると目の前に自宅が見えてくる。
「おやすみ」
メルをベッドに寝かせると、とても幸せそうな顔をしていた。
ー*ー
(朝、でしょうか...?)
目が覚めるといつの間にかベッドの上にいた。
「おはよう、メル」
「カムイ!おはようございます」
(そういえば昨日は歩いて帰っていて、それで途中から...)
昨夜のことを思い出し、身体が熱くなる。
「メル?もしかして、具合悪い?」
「いえ、そうではなくて...」
(そういえば、まだ言わなければならないことがありました)
「カムイ」
「何?」
「私は、カムイと一緒にいてもいいんですか?ご迷惑になるのでは...」
重荷になるのは堪えられなくて。
ついつい聞かずにはいられなかった。
「当たり前でしょ?」
カムイは手を止め、私を包みこむ。
「メル、きみは自分で思っているよりもずっと素敵なんだよ。俺がナイフを使っても怖がらずにいてくれた。俺の重い話も聞いてくれた。それにメルと食べるご飯は、他の何よりもずっと美味しい。...他にも一緒にいるといいことがたくさんあるけど、俺はメルを失いたくない。ずっとそばにいてほしいんだ。俺がメルの居場所になるから...だから、迷惑だとか考えないでほしい」
「カムイ...ありがとう、ございます」
私はなんていい相手に出会えたのだろう。
私もカムイの力になりたい。
弱い面も強い面も、支えられるようになりたい。
「メル、そういえば...昨日、敬語がはずれてたよね?」
「え、いつですか?」
「...あの監禁場所で、助けてって」
(そういえばそうでした。ちっとも気づいてなかったです)
「あの時は必死だったので覚えていませんでしたが、言われてみればそうかもしれません」
「俺の事、呼んでくれてありがとう」
ふと見上げると、カムイの笑顔が視界いっぱいに見えた。
「カムイ、これからは、そのっ...恋人としてもよろしくお願いします」
(言っちゃいました!どうしましょう...)
ー**ー
彼女は俺をキュン死にさせるつもりなんだろうか。
メルは顔を真っ赤にして立っている。
俺はそんな彼女を強く抱きしめなおす。
「か、カムイっ」
「どうしてそんなに可愛いの...?」
「べ、別に可愛くはないです」
「ううん、可愛い。可愛いよ」
俺は、何をメルに伝えたかったのか分からなくなってしまった。
(何か言おうとしたんだよな...そうだ!)
「メル」
「はっ、はい!」
「今日の夕食の準備、手伝ってくれる?」
ー*ー
「カムイ、ケーキができました!」
「ありがとう」
ぽん、と頭を撫でられる。
(撫でられるのは照れちゃいます...)
「よし、できたよ!」
「わあ...」
テーブルにならんだチキンやパン、それにケーキ。
カムイと二人で飾った、クリスマスツリー。
そして、
「メリークリスマス、メル」
誰よりも大切な、愛する人。
「メル?どうしたの?」
私はなんて幸せなのだろうか。
「ごめんなさい、嬉しくて...。幸せすぎて、泣いてしまいました」
ー**ー
「大丈夫だよ、メルとのこの大切な時間は俺が守るから」
俺は堪えきれず、メルを抱きしめる。
彼女がどんな人生を歩んできたのか、全てを知ったわけではない。
彼女がその記憶と戦わなくてはならないことも分かっているつもりだ。
それでも、俺は...
「メルの手を離したりしないから、俺を信じて?」
「...っ、はい」
メルは涙を流しながらもにこにこと笑っていた。
本当に幸せそうな笑顔で、俺まで幸せな気分になる。
(...いや、ちがうな)
俺は今この瞬間が、幸せだ。
「メル、これ...受け取ってくれる?」
この日のために、彼女が寝ている間に準備したものだ。
「これは...」
ー*ー
それは、薄い青色のブレスレットだった。
「言ったでしょ?俺がプレゼントをあげるって」
「いただいてしまってもいいんですか?」
「勿論だよ!つけてあげるね」
温かい食事も、クリスマスツリーも、ジングルベルも、そして...
「ありがとうございます」
大切な居場所と、大切な人。
私は全てを手に入れた。
(幸せすぎて怖いです)
「カムイ」
「どうしたの?」
「大好きです」
「...!うん、俺もだよ」
どちらからともなく、どんどん距離が縮まって...唇が重なった。
(やっぱり、幸せです)
はじめてのクリスマスに、私の心は温かくなるばかりだった。
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