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Until the day when I get engaged.-The light which comes over darkness-
閑話『Story of a Herculean strength girl』Ⅱ
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もしもあの時、少しでも遅れていたならば。
もしもあの時、先に出たのがあたしじゃなければ。
あたしはきっと後悔しつづける。
あたしは...どうすればよかったのだろうか。
《ナタリー目線》
出発の日、あたしは馬車にのっている人を見て、呆然とした。
「エリック...⁉」
「ナタリー、おまえの家の依頼か」
「えっと...二人は知り合い?」
隣にもう一人乗っている。
あたしよりも歳は下だろうか。
この時のあたしは十六。
「自己紹介が遅れたね。俺はカムイ。一応色々やってます。一応エリックの親友です」
「あたしに敬語なんて要らないわ。あなたが媚びるような人間には見えないもの」
「じゃあ遠慮なく。俺十三なんだ」
「え?え?学校は?」
「お前が言えたことか!」
エリックにつっこまれた。
しかもかなりテンポよく。
「いいじゃん、別に!」
「...お貴族様ってもっときれいな服を着ているのかと思った。使われているのはシルクみたいだけど...なんだか、ちょっと贅沢をした庶民みたいに見える。もしかして、貴族でいることが嫌だったりするの?」
「カムイ!」
「気にしなくていいから!そうよ、あたしはこの家の除け者だもの。それに、外でのびのびと働いていた方が性に合うの」
「...そうなんだ」
カムイは下を向く。
(え?え?あたし変なこと言った?)
「カムイ、時間だ」
「ん?...ほんとだ、急がないと。それじゃあまたお話ししようね、ナタリー」
エリックたちは行ってしまった。
「あのお...」
大柄の男が近づいてくる。
「あなたは...馬車の御者さん?」
「俺は『運び屋』だよ」
「あなたが...こんにちは」
「こんにちはだよ。よろしくお願いしますだよ」
...訛りがある。恐らくだが、彼はもっと田舎からきたのだろう。
「名前、聞いてもいい?」
「おいらはベンだよ」
「おお、やっときたか『運び屋』。早くその子を運んでくれ!」
「...分かりました」
警戒心むき出しで話す彼は、あたしの手を優しくとり、馬車へとエスコートしてくれた。
「ナタリー、待っててね」
「はい、お姉様」
「行き先はちゃんと彼に伝えてね」
「はい」
近くに豪華な馬車が用意されているのが見えた。
あたしの荷物はトランク二つ。
彼らの荷物は、馬車二台分。
...あたしだけ釣り合っていないのがよく分かった。
「じゃあ、私たちはコーヒーでも飲んでからにしましょう」
「そうだな」
各々は屋敷へと入っていった。
この屋敷での唯一の味方はジェイソンだった。
あたしを外に連れ出してくれたり、普通の学校に通うことを許してもらえるようにと説得してくれたのもジェイソンだった。
それなのに、彼はもういない。
(やっていけるのかな、あたし)
「どこに行けばいいだか?」
「えっと...まずはその角を右に」
そこまで言った時、屋敷は火の海になっていた。
「!」
あたしはそのなかに飛びこもうとした。
「ダメだよ、今そこに行ったらきみを逃がしたご家族の意志を無にしてしまうだよ」
あたしは声にならないくらいに叫んでいた。
「離して!お願い!」
あんな人たちでも、家族なのだ。
ここには思い出もある。
なのに...
「いやっ!いやっ!」
「...女性にこの手は使いたくなかっただが」
あたしはそのまま意識を失った。
《ベン目線》
おいらはお嬢様に手刀をおろし、馬車に乗せた。
「エリック、カムイ。問題発生だよ」
おいらは通信で状況を伝えながら、馬車を走らせる。
(...おいらの家に連れていくしかないだよ)
おいらの家はあの屋敷に比べるととても狭い。
それでも、彼女のためになるならばと、女性の身体に触れるのはいけないと思いつつ、ようやくたどり着いたおいらの家のベッドまで運ぶ。
「...」
おいらはそっと涙を拭ってやる。
『ベン、ナタリーは...』
「今は寝ているだよ」
エリックの心配そうな声を聞きながら、おいらは食事の準備をした。
この冬は比較的寒く、雪が積もることも少なくなかった。
『そっちに行く』
「了解だよ」
俺は綺麗な金髪の髪をそっと撫でてやる。
「ん...」
おいらよりはるかに小さな手が、おいらの手を優しく...
「⁉」
(この小さな身体のどこからそんなパワーがくるだよ...)
「痛いだよ」
『ベン?』
「カムイっ、エリック...ドア、勝手に開けて、入って、くれ、だよ」
『どこか怪我したのか⁉』
ドアが勢いよく開かれる。
「...すまない、ナタリーは超ド級の怪力でな。俺ははじめて会ったとき、男だと思ってたんだ」
「それいつ?」
「学校の天使像が破壊されたと言ったろう」
「え、ナタリーが壊したの?」
「まあな。...で、その怪力は眠っていても健在なのか。もうこの子には身寄りがない。ベンが言っていた事件は俺たちで解決するとして...あとはナタリーが起きてからだな」
「この子、とっても悲しそうだっただよ」
「...そうか」
女性嫌いのエリックがいつもおいらたちに話すその女性が、今目の前にいる。
(変な感じだよ)
「ん...」
「!」
もしもあの時、先に出たのがあたしじゃなければ。
あたしはきっと後悔しつづける。
あたしは...どうすればよかったのだろうか。
《ナタリー目線》
出発の日、あたしは馬車にのっている人を見て、呆然とした。
「エリック...⁉」
「ナタリー、おまえの家の依頼か」
「えっと...二人は知り合い?」
隣にもう一人乗っている。
あたしよりも歳は下だろうか。
この時のあたしは十六。
「自己紹介が遅れたね。俺はカムイ。一応色々やってます。一応エリックの親友です」
「あたしに敬語なんて要らないわ。あなたが媚びるような人間には見えないもの」
「じゃあ遠慮なく。俺十三なんだ」
「え?え?学校は?」
「お前が言えたことか!」
エリックにつっこまれた。
しかもかなりテンポよく。
「いいじゃん、別に!」
「...お貴族様ってもっときれいな服を着ているのかと思った。使われているのはシルクみたいだけど...なんだか、ちょっと贅沢をした庶民みたいに見える。もしかして、貴族でいることが嫌だったりするの?」
「カムイ!」
「気にしなくていいから!そうよ、あたしはこの家の除け者だもの。それに、外でのびのびと働いていた方が性に合うの」
「...そうなんだ」
カムイは下を向く。
(え?え?あたし変なこと言った?)
「カムイ、時間だ」
「ん?...ほんとだ、急がないと。それじゃあまたお話ししようね、ナタリー」
エリックたちは行ってしまった。
「あのお...」
大柄の男が近づいてくる。
「あなたは...馬車の御者さん?」
「俺は『運び屋』だよ」
「あなたが...こんにちは」
「こんにちはだよ。よろしくお願いしますだよ」
...訛りがある。恐らくだが、彼はもっと田舎からきたのだろう。
「名前、聞いてもいい?」
「おいらはベンだよ」
「おお、やっときたか『運び屋』。早くその子を運んでくれ!」
「...分かりました」
警戒心むき出しで話す彼は、あたしの手を優しくとり、馬車へとエスコートしてくれた。
「ナタリー、待っててね」
「はい、お姉様」
「行き先はちゃんと彼に伝えてね」
「はい」
近くに豪華な馬車が用意されているのが見えた。
あたしの荷物はトランク二つ。
彼らの荷物は、馬車二台分。
...あたしだけ釣り合っていないのがよく分かった。
「じゃあ、私たちはコーヒーでも飲んでからにしましょう」
「そうだな」
各々は屋敷へと入っていった。
この屋敷での唯一の味方はジェイソンだった。
あたしを外に連れ出してくれたり、普通の学校に通うことを許してもらえるようにと説得してくれたのもジェイソンだった。
それなのに、彼はもういない。
(やっていけるのかな、あたし)
「どこに行けばいいだか?」
「えっと...まずはその角を右に」
そこまで言った時、屋敷は火の海になっていた。
「!」
あたしはそのなかに飛びこもうとした。
「ダメだよ、今そこに行ったらきみを逃がしたご家族の意志を無にしてしまうだよ」
あたしは声にならないくらいに叫んでいた。
「離して!お願い!」
あんな人たちでも、家族なのだ。
ここには思い出もある。
なのに...
「いやっ!いやっ!」
「...女性にこの手は使いたくなかっただが」
あたしはそのまま意識を失った。
《ベン目線》
おいらはお嬢様に手刀をおろし、馬車に乗せた。
「エリック、カムイ。問題発生だよ」
おいらは通信で状況を伝えながら、馬車を走らせる。
(...おいらの家に連れていくしかないだよ)
おいらの家はあの屋敷に比べるととても狭い。
それでも、彼女のためになるならばと、女性の身体に触れるのはいけないと思いつつ、ようやくたどり着いたおいらの家のベッドまで運ぶ。
「...」
おいらはそっと涙を拭ってやる。
『ベン、ナタリーは...』
「今は寝ているだよ」
エリックの心配そうな声を聞きながら、おいらは食事の準備をした。
この冬は比較的寒く、雪が積もることも少なくなかった。
『そっちに行く』
「了解だよ」
俺は綺麗な金髪の髪をそっと撫でてやる。
「ん...」
おいらよりはるかに小さな手が、おいらの手を優しく...
「⁉」
(この小さな身体のどこからそんなパワーがくるだよ...)
「痛いだよ」
『ベン?』
「カムイっ、エリック...ドア、勝手に開けて、入って、くれ、だよ」
『どこか怪我したのか⁉』
ドアが勢いよく開かれる。
「...すまない、ナタリーは超ド級の怪力でな。俺ははじめて会ったとき、男だと思ってたんだ」
「それいつ?」
「学校の天使像が破壊されたと言ったろう」
「え、ナタリーが壊したの?」
「まあな。...で、その怪力は眠っていても健在なのか。もうこの子には身寄りがない。ベンが言っていた事件は俺たちで解決するとして...あとはナタリーが起きてからだな」
「この子、とっても悲しそうだっただよ」
「...そうか」
女性嫌いのエリックがいつもおいらたちに話すその女性が、今目の前にいる。
(変な感じだよ)
「ん...」
「!」
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