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Until the day when I get engaged. -In linear light-
第54話
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ー*ー
パンケーキを食べたあと、カムイはチェスの遊び方を教えてくれた。
「これはポーン。はじめの一歩は二歩すすませることもできるけど、基本的にはまっすぐ前に進むだけ、駒をとるときは斜め前にしか動けない」
「じゃあ、この少しだけ頭が尖っているものは...」
「ビショップだよ。こいつは斜めにしか動けないけど、何歩でも進められるんだ」
色々な駒の動かし方を教えてもらってから、早速遊んでみる。
(落ち着いているみたいでよかったです)
暫くして...
「カムイ、強いです...」
「小さい頃からやってたからね」
カムイは眩しいくらいの笑顔をみせている。
ー**ー
「うう...」
メルが半泣きになっているのを見て、俺は正気に戻った。
(しまった、エリック相手だと本気でかからないと勝てないから、つい...)
「メル、そのビショップを動かしてごらん?」
「こう、ですか...?」
メルのポーンはほとんど俺がとってしまった。
ポーンが少ないとき、俺はビショップで攻略する。
「そうそう、上手だよ」
メルはぱあっと明るくなった。
それから俺は、分からない程度に手を抜いて...
「私の、勝ちですか...?」
まずい。どうやらメルは大事なことを忘れているようだ。
「メル、そういう時は...」
「あ!チェックメイトです」
「よくできました。俺の負けだね」
「やりました!」
メルは大喜びしている。
「どうだった?」
「はじめてやってみましたが...とても楽しかったです!」
「それはよかった。次は何をして遊ぼうか...」
ー*ー
「じ、ジェンガという遊びをやってみたいです...」
「うん、分かった。それなら多分ここに...」
ぐぅ...
「あ!えっと、ええっと...」
なんてタイミングの悪いおなかだろう。
カムイはくすっと笑って、私の方を見る。
しばらくすると、ぐぅ...と鳴った。
「俺のおなかもすいたって。先にご飯にしようか」
「はい!」
時計を見ると、三時をまわっている。
「おやつの時間だし...ブリオッシュにしようか」
「ブリオッシュ...?」
また知らない食べ物がでてきた。
「作るから待ってて」
「じゃあ、私は紅茶を...」
カムイが私の手を止める。
「いや、俺がやるよ。...怪我させちゃったし」
「いいんです、私にやらせてください。アールグレイでいいですか?」
「...ありがとう」
私はいつもどおりの手順で作っていく。
そうこうしているうちに、ブリオッシュができあがった。
私はテーブルにおかれたそれを、フォークとナイフで切り分け、カムイの口の前に持っていく。
「はい、口開けてください」
ー**ー
無邪気な笑顔でそう言ってくるメルを見て、俺はドキドキしてしまった。
可愛すぎて、どうしたらいいのか分からない。
取り敢えず口を開ける。
「...うん、ちゃんとできたみたい。よかった、実はこれのレシピ、うろ覚えだったんだ」
「そうなんですか?でも、とっても美味しそうですよ?」
「そうかな?」
俺は自分のブリオッシュを切り分け、メルの前に持っていく。
「メルも食べて?」
「...え?ええ⁉」
メルは顔を真っ赤にしている。
...当然だ。俺は切り分けたものをフォークでささず、素手で掴んでメルにさしだしたのだ。
「食べて?」
「ええっと、紅茶が冷めちゃいますよ...?」
一生懸命恥ずかしさを誤魔化すメルも可愛いと思ってしまう。
「いいから、ほら。...俺のわがまま、聞いてくれない?」
「...っ」
メルは覚悟を決めたように口を開ける。
彼女の柔らかい舌と、それほど鋭くない歯が俺の指にあたる。
「ごめんなひゃい!指に歯が...いひゃくなかったでふか?」
口のなかにブリオッシュをいれたまま喋っているメルは、少しだけふごふごとした話し方になっている。
「...ははっ!大丈夫だよ、それより...早く飲みこんだ方がいいかもしれないよ?」
「...カムイは時々意地悪です。美味しいですけど、あんまり意地悪言わないでください」
むすっとした顔で俺の方を見るメルは、少し子どもらしさが残っていて。
俺はつい、そういうところにもドキドキしてしまう。
(本当に可愛い)
ー*ー
それから、ジェンガの遊び方を教えてもらい、早速やってみた。
「ゆっくり抜けば大丈夫だよ」
「はい!」
慎重に抜いていく。
そして、ようやく一本抜けた。
「やりました!」
「よし、じゃあ次は俺の番ね」
そうして交互に抜いていき...
「そこを抜いたら終わりだよ」
「はい!」
私は最後の一本を慎重に抜いていく。
なんとか抜くことができた。
「できましたよ、カムイ!」
「うん、お疲れ様」
「ドキドキする遊びでしたね」
「そうだね...!メル!」
(え...)
積みあがっていたジェンガがボロボロと崩れていき...私の身体はいつの間にか床に転がっていた。
「メル、怪我は...」
「大丈夫です、カムイが守ってくれたので」
「不可抗力とはいえ、こんな格好になるなんて...」
カムイがそう小さく呟いた。
「?」
パンケーキを食べたあと、カムイはチェスの遊び方を教えてくれた。
「これはポーン。はじめの一歩は二歩すすませることもできるけど、基本的にはまっすぐ前に進むだけ、駒をとるときは斜め前にしか動けない」
「じゃあ、この少しだけ頭が尖っているものは...」
「ビショップだよ。こいつは斜めにしか動けないけど、何歩でも進められるんだ」
色々な駒の動かし方を教えてもらってから、早速遊んでみる。
(落ち着いているみたいでよかったです)
暫くして...
「カムイ、強いです...」
「小さい頃からやってたからね」
カムイは眩しいくらいの笑顔をみせている。
ー**ー
「うう...」
メルが半泣きになっているのを見て、俺は正気に戻った。
(しまった、エリック相手だと本気でかからないと勝てないから、つい...)
「メル、そのビショップを動かしてごらん?」
「こう、ですか...?」
メルのポーンはほとんど俺がとってしまった。
ポーンが少ないとき、俺はビショップで攻略する。
「そうそう、上手だよ」
メルはぱあっと明るくなった。
それから俺は、分からない程度に手を抜いて...
「私の、勝ちですか...?」
まずい。どうやらメルは大事なことを忘れているようだ。
「メル、そういう時は...」
「あ!チェックメイトです」
「よくできました。俺の負けだね」
「やりました!」
メルは大喜びしている。
「どうだった?」
「はじめてやってみましたが...とても楽しかったです!」
「それはよかった。次は何をして遊ぼうか...」
ー*ー
「じ、ジェンガという遊びをやってみたいです...」
「うん、分かった。それなら多分ここに...」
ぐぅ...
「あ!えっと、ええっと...」
なんてタイミングの悪いおなかだろう。
カムイはくすっと笑って、私の方を見る。
しばらくすると、ぐぅ...と鳴った。
「俺のおなかもすいたって。先にご飯にしようか」
「はい!」
時計を見ると、三時をまわっている。
「おやつの時間だし...ブリオッシュにしようか」
「ブリオッシュ...?」
また知らない食べ物がでてきた。
「作るから待ってて」
「じゃあ、私は紅茶を...」
カムイが私の手を止める。
「いや、俺がやるよ。...怪我させちゃったし」
「いいんです、私にやらせてください。アールグレイでいいですか?」
「...ありがとう」
私はいつもどおりの手順で作っていく。
そうこうしているうちに、ブリオッシュができあがった。
私はテーブルにおかれたそれを、フォークとナイフで切り分け、カムイの口の前に持っていく。
「はい、口開けてください」
ー**ー
無邪気な笑顔でそう言ってくるメルを見て、俺はドキドキしてしまった。
可愛すぎて、どうしたらいいのか分からない。
取り敢えず口を開ける。
「...うん、ちゃんとできたみたい。よかった、実はこれのレシピ、うろ覚えだったんだ」
「そうなんですか?でも、とっても美味しそうですよ?」
「そうかな?」
俺は自分のブリオッシュを切り分け、メルの前に持っていく。
「メルも食べて?」
「...え?ええ⁉」
メルは顔を真っ赤にしている。
...当然だ。俺は切り分けたものをフォークでささず、素手で掴んでメルにさしだしたのだ。
「食べて?」
「ええっと、紅茶が冷めちゃいますよ...?」
一生懸命恥ずかしさを誤魔化すメルも可愛いと思ってしまう。
「いいから、ほら。...俺のわがまま、聞いてくれない?」
「...っ」
メルは覚悟を決めたように口を開ける。
彼女の柔らかい舌と、それほど鋭くない歯が俺の指にあたる。
「ごめんなひゃい!指に歯が...いひゃくなかったでふか?」
口のなかにブリオッシュをいれたまま喋っているメルは、少しだけふごふごとした話し方になっている。
「...ははっ!大丈夫だよ、それより...早く飲みこんだ方がいいかもしれないよ?」
「...カムイは時々意地悪です。美味しいですけど、あんまり意地悪言わないでください」
むすっとした顔で俺の方を見るメルは、少し子どもらしさが残っていて。
俺はつい、そういうところにもドキドキしてしまう。
(本当に可愛い)
ー*ー
それから、ジェンガの遊び方を教えてもらい、早速やってみた。
「ゆっくり抜けば大丈夫だよ」
「はい!」
慎重に抜いていく。
そして、ようやく一本抜けた。
「やりました!」
「よし、じゃあ次は俺の番ね」
そうして交互に抜いていき...
「そこを抜いたら終わりだよ」
「はい!」
私は最後の一本を慎重に抜いていく。
なんとか抜くことができた。
「できましたよ、カムイ!」
「うん、お疲れ様」
「ドキドキする遊びでしたね」
「そうだね...!メル!」
(え...)
積みあがっていたジェンガがボロボロと崩れていき...私の身体はいつの間にか床に転がっていた。
「メル、怪我は...」
「大丈夫です、カムイが守ってくれたので」
「不可抗力とはいえ、こんな格好になるなんて...」
カムイがそう小さく呟いた。
「?」
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