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約束のスピカ
問2
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《部屋?どういうこと?》
《君が思い浮かべたとおりになる場所…帰る場所っていうのが正しいかな?
自分の好きなものや大切なものが沢山つまってる場所になったはずだよ。さあ、入って》
フードの人に促され扉を開けると、そこは星が部屋一面に散りばめられた状態になっていた。
《すごい、ベッドがふかふかだ。図鑑も望遠鏡も全部ある…》
家に居場所がなかった僕は、先生にお願いして望遠鏡を置かせてもらっていた。
先生と話した内容をぼんやり思い出す。
『流山』
『しつこい』
『俺は授業に出ろと言いにきたわけじゃない。…そのかわり、今日みたいに俺に見つかったら俺の授業を受けてもらう。
テストで赤点回避にはなるし、それで出席扱いにできる』
『…本当?』
『ああ。約束だ』
室星先生とは1年の頃からのつきあいで、毎日僕を探しに来てくれた。
つい最近までそうしていたはずなのに、懐かしい気がする。
毎日先生の授業を受けて、夜はこっそり校舎に忍びこんだところを見つかって一緒に星を眺めるのが日課だった。
見つからなかった日は1日もなかったけど、どうして先生が探しに来てくれたのか分からないままだ。
《どうかした?》
《ううん、なんでもない。…あの、名前を聞いていい?》
《俺は御蔭さんと呼ばれているものだよ》
おかげさん…噂だけは聞いたことがある。
人の影に入りこんで、どこまでもついてきてくれる親切な人らしいと。
《それで、今の君をもう少し生きていた頃の状態に近づける方法だけど…生きているとき、楽しかったことってあった?》
《人よりは少ないけど、全然なかったわけじゃない…と、思う》
星を見るのは好きだったし、先生と一緒にいる時間は嫌いじゃなかった。
…直接言えたことはないけど、ずっと僕を見放さないでくれた先生のことは嫌いになれなかったんだ。
《どうかした?もしかして、会いたい人でもいるの?》
《いや、まあ…うん》
合わせる顔がない。
あんな酷いことを言ったから、先生だってきっともう僕のことなんて嫌いになっただろう。
《君のこと、少しなら知ってるけど…まあいいや。先に力を抑える方法を教えないとね》
おかげさんの話によると、楽しいことを沢山考えてできるだけ嫌なことを遮るといいらしい。
僕にとって楽しかったことといえば、先生と過ごしていた時間ばかりだ。
あと思い出せるのは、おばあちゃんが生きていた頃。
『瞬はこういうのが好きなの?今度おばあちゃんにも教えてね』
買ってくれた図鑑は今でも宝物だ。
「あ…」
小窓に写った自分の姿はいつもどおりのものになっていた。
色々なところに包帯やガーゼがついているけど、もう痛くない。
《今日は疲れたでしょ?もう休んでなよ。また明日も来るから、ノックしたらドア開けてね》
「あの…ありがとう」
おかげさんは吃驚した顔をしていたけど、くくっと笑って外に出た。
星に囲まれた部屋に、ぽつんと見覚えがあるものがある。
「どうしてここに…」
近づいて拾ってみると、やっぱり思ったとおりのもので…それは、ぼろぼろにされたのを先生が直してくれた図鑑だった。
《君が思い浮かべたとおりになる場所…帰る場所っていうのが正しいかな?
自分の好きなものや大切なものが沢山つまってる場所になったはずだよ。さあ、入って》
フードの人に促され扉を開けると、そこは星が部屋一面に散りばめられた状態になっていた。
《すごい、ベッドがふかふかだ。図鑑も望遠鏡も全部ある…》
家に居場所がなかった僕は、先生にお願いして望遠鏡を置かせてもらっていた。
先生と話した内容をぼんやり思い出す。
『流山』
『しつこい』
『俺は授業に出ろと言いにきたわけじゃない。…そのかわり、今日みたいに俺に見つかったら俺の授業を受けてもらう。
テストで赤点回避にはなるし、それで出席扱いにできる』
『…本当?』
『ああ。約束だ』
室星先生とは1年の頃からのつきあいで、毎日僕を探しに来てくれた。
つい最近までそうしていたはずなのに、懐かしい気がする。
毎日先生の授業を受けて、夜はこっそり校舎に忍びこんだところを見つかって一緒に星を眺めるのが日課だった。
見つからなかった日は1日もなかったけど、どうして先生が探しに来てくれたのか分からないままだ。
《どうかした?》
《ううん、なんでもない。…あの、名前を聞いていい?》
《俺は御蔭さんと呼ばれているものだよ》
おかげさん…噂だけは聞いたことがある。
人の影に入りこんで、どこまでもついてきてくれる親切な人らしいと。
《それで、今の君をもう少し生きていた頃の状態に近づける方法だけど…生きているとき、楽しかったことってあった?》
《人よりは少ないけど、全然なかったわけじゃない…と、思う》
星を見るのは好きだったし、先生と一緒にいる時間は嫌いじゃなかった。
…直接言えたことはないけど、ずっと僕を見放さないでくれた先生のことは嫌いになれなかったんだ。
《どうかした?もしかして、会いたい人でもいるの?》
《いや、まあ…うん》
合わせる顔がない。
あんな酷いことを言ったから、先生だってきっともう僕のことなんて嫌いになっただろう。
《君のこと、少しなら知ってるけど…まあいいや。先に力を抑える方法を教えないとね》
おかげさんの話によると、楽しいことを沢山考えてできるだけ嫌なことを遮るといいらしい。
僕にとって楽しかったことといえば、先生と過ごしていた時間ばかりだ。
あと思い出せるのは、おばあちゃんが生きていた頃。
『瞬はこういうのが好きなの?今度おばあちゃんにも教えてね』
買ってくれた図鑑は今でも宝物だ。
「あ…」
小窓に写った自分の姿はいつもどおりのものになっていた。
色々なところに包帯やガーゼがついているけど、もう痛くない。
《今日は疲れたでしょ?もう休んでなよ。また明日も来るから、ノックしたらドア開けてね》
「あの…ありがとう」
おかげさんは吃驚した顔をしていたけど、くくっと笑って外に出た。
星に囲まれた部屋に、ぽつんと見覚えがあるものがある。
「どうしてここに…」
近づいて拾ってみると、やっぱり思ったとおりのもので…それは、ぼろぼろにされたのを先生が直してくれた図鑑だった。
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