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追憶のシグナル
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学校は結構憂鬱だ。
「お、陽向おはよう!」
「おはよう。相変わらず朝から元気だね」
「おはよう岡副君」
「おはよう」
声をかけてくれるのはありがたいけど、ちょっとキャラを作りすぎたと後悔することも多い。
実はあんまり人と話すのが好きではないからだ。
…敵意を向けられないように気をつけすぎた結果こうなった。
居心地がいいと思ったことはない。
けど、明らかに敵意を剥き出しにしてくる奴等は減って安堵した。
「岡副、少しいいか?」
「……?はい」
俺は事情も分からずそのまま先生についていく。
その途中で、監査部の話だろうとなんとなく察した。
「中高連携を強めたくて、近年交流会をやってるだろ?去年は体調不良で来られなかったが、今年は顔を出せそうか?」
「大丈夫です。予定はいつですか?」
「来週だな。今年から入った1年が新監査部長になるから、引き継ぎ前に顔合わせくらいはと思ってな」
「高入の先輩ですか?」
この頃、かっこいい女の先輩がいるという噂だけは耳にしていた。
会ったことがないからどんな人か分からないけど、高2のメンバーがいない監査部で時期リーダーが満場一致で決まるということはいい人なんだろう。
「予定空けときます」
「頼んだ」
そろそろ桜良の声も戻っているかもしれないと、1限目をさぼって旧校舎へ向かう。
彼女はやっぱりいつもどおり放送室にいて、かちかちとラジオのダイヤルを回していた。
「桜良」
「…いた、の」
「ついさっき。ちょっと話せるようになった?」
「まだ、し、たが……」
「ゆっくりでいいよ。ちゃんと聞くから」
桜良の声は一気に戻るものじゃない。
ずっと一緒にいるから、どれくらいで元通り話せるようになるかなんとなく分かる。
「…今夜現れるかな?」
「も、もし、来たら…逃げ、て」
「どうして?」
「傷つ、のを……たく、ない」
「俺は平気だよ」
どうせどんな怪我を負っても死ねないのだ。
だったらその頑丈さで勝負したい。
桜良は不安そうな顔をしてるけど、大丈夫だって伝えて微笑んだ。
「そんなに心配しなくても、簡単にやられるつもりなんてないから」
それからは午後まで授業をさぼり、午後からだけは真面目に顔を出して1日を終える。
「夕飯、一旦家に帰ってから食べる?」
「……炒飯、作る」
作って欲しいってリクエストしていたのをすっかり忘れていた。
ご飯は交代で作っているが、俺の料理の腕はそこまでいいわけじゃない。
それでも、文句ひとつ言わずに食べてくれる彼女に感謝しかなかった。
「ご飯、食べたら……」
「だね。もう1度噂について調べないと」
今日もクラスで話している人間がいるのを見かけたが、かなり悪い方向へ進んでしまっていた。
【捕まったら最後、ぺろりと食べて成り代わられちゃうんだって!】
視えない人たちには悪意なんてないんだろうけど、その噂で無実の人が苦しめられることになることはどうにか理解してほしい。
…そう思ってしまうのは、我儘だろうか。
炒飯を食べ終えて、いつもどおり隠し通路から学園内へ侵入する。
旧校舎を中心に見て回ることにして、桜良に荷物を預けた。
「絶対放送室から出ないで。出るのは自分が危険な状態になったときだけに、鍵は閉めておくこと。…すぐ戻るから」
グローブをはめ、早速探索をはじめる。
なんだか静かすぎて少し不気味だった。
「お、陽向おはよう!」
「おはよう。相変わらず朝から元気だね」
「おはよう岡副君」
「おはよう」
声をかけてくれるのはありがたいけど、ちょっとキャラを作りすぎたと後悔することも多い。
実はあんまり人と話すのが好きではないからだ。
…敵意を向けられないように気をつけすぎた結果こうなった。
居心地がいいと思ったことはない。
けど、明らかに敵意を剥き出しにしてくる奴等は減って安堵した。
「岡副、少しいいか?」
「……?はい」
俺は事情も分からずそのまま先生についていく。
その途中で、監査部の話だろうとなんとなく察した。
「中高連携を強めたくて、近年交流会をやってるだろ?去年は体調不良で来られなかったが、今年は顔を出せそうか?」
「大丈夫です。予定はいつですか?」
「来週だな。今年から入った1年が新監査部長になるから、引き継ぎ前に顔合わせくらいはと思ってな」
「高入の先輩ですか?」
この頃、かっこいい女の先輩がいるという噂だけは耳にしていた。
会ったことがないからどんな人か分からないけど、高2のメンバーがいない監査部で時期リーダーが満場一致で決まるということはいい人なんだろう。
「予定空けときます」
「頼んだ」
そろそろ桜良の声も戻っているかもしれないと、1限目をさぼって旧校舎へ向かう。
彼女はやっぱりいつもどおり放送室にいて、かちかちとラジオのダイヤルを回していた。
「桜良」
「…いた、の」
「ついさっき。ちょっと話せるようになった?」
「まだ、し、たが……」
「ゆっくりでいいよ。ちゃんと聞くから」
桜良の声は一気に戻るものじゃない。
ずっと一緒にいるから、どれくらいで元通り話せるようになるかなんとなく分かる。
「…今夜現れるかな?」
「も、もし、来たら…逃げ、て」
「どうして?」
「傷つ、のを……たく、ない」
「俺は平気だよ」
どうせどんな怪我を負っても死ねないのだ。
だったらその頑丈さで勝負したい。
桜良は不安そうな顔をしてるけど、大丈夫だって伝えて微笑んだ。
「そんなに心配しなくても、簡単にやられるつもりなんてないから」
それからは午後まで授業をさぼり、午後からだけは真面目に顔を出して1日を終える。
「夕飯、一旦家に帰ってから食べる?」
「……炒飯、作る」
作って欲しいってリクエストしていたのをすっかり忘れていた。
ご飯は交代で作っているが、俺の料理の腕はそこまでいいわけじゃない。
それでも、文句ひとつ言わずに食べてくれる彼女に感謝しかなかった。
「ご飯、食べたら……」
「だね。もう1度噂について調べないと」
今日もクラスで話している人間がいるのを見かけたが、かなり悪い方向へ進んでしまっていた。
【捕まったら最後、ぺろりと食べて成り代わられちゃうんだって!】
視えない人たちには悪意なんてないんだろうけど、その噂で無実の人が苦しめられることになることはどうにか理解してほしい。
…そう思ってしまうのは、我儘だろうか。
炒飯を食べ終えて、いつもどおり隠し通路から学園内へ侵入する。
旧校舎を中心に見て回ることにして、桜良に荷物を預けた。
「絶対放送室から出ないで。出るのは自分が危険な状態になったときだけに、鍵は閉めておくこと。…すぐ戻るから」
グローブをはめ、早速探索をはじめる。
なんだか静かすぎて少し不気味だった。
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