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泣けないver.
『学校探検』
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「僕、未だにこの学校で行ったことがない場所があるんだ」
ゆっくり休んだ後、優翔は私を連れ出してくれた。
「小学生がよくするでしょ?たまには、こうやって校舎を歩くのも悪くないんじゃないかって思ったんだ」
「お仕事は大丈夫なの?」
「うん。明後日の分くらいまで進めたから、気にしなくても平気だよ」
保健室の先生のお仕事というものを、私はよく知らない。
けれど、忙しそうにしていることだけは分かる。
「いつも気になってたんだけど...ここって何?」
「...第1準備倉庫。備品とかもろもろ入ってる。
その隣が放送室。生徒たちが放送を流す場所だから、掃除の時間とか賑わう」
「あれ、ここからの音だったんだ...」
優翔は本当に知らなかったらしく、わくわくした様子であちこちを見回っていた。
「この部屋にも入ったことないな...。詩音、この教室は?」
「第3倉庫。体育祭で使う道具の一部が仕舞われてる」
「体育祭か、懐かしいな...」
少しずつ体調が悪くなってくるのを感じる。
体が重い。真っ直ぐ歩けていないような気がする。
(駄目だ、気分が悪い...)
かくん、と膝が折れるのを感じたのを最後に、私の意識はそのまま暗闇に落ちていった。
──次に目を開けたとき、白い天井と不安そうな表情の優翔が見える。
「私、どうして...」
「体調悪かったの、気づけなくてごめん...」
「楽しかったから...黙っていたかった。だから優翔のせいじゃないよ」
ただ校舎を歩くだけ、それに何の楽しみがあるというのか。
そんなことを考えていたけれど、本当に楽しかった。
久しぶりに放送室に行けたし、いつも息がつまりそうになるのにそれもない。
何より、ふたりで歩けたのが嬉しくて...その時間に終わってほしくなくて。
そう考えると、少しの目眩くらい我慢しようと思ったのだ。
「結局迷惑をかけてしまって...ごめんなさい」
「楽しいって思ってくれたのはすごく嬉しい。
だけど、それで無理をして倒れちゃったら意味がないんだよ?」
優翔の言うとおりだ。返す言葉もない。
「ごめ、」
「僕が近くにいられるときでよかった...」
安心したような声で一言告げて、そっと私に口づける。
そうした直後にはっとした様子ですぐ離れた。
「ごめん、先生モードを作るのすっかり忘れてた」
「...私はそのままでもよかったのに」
「駄目だよ、そこはちゃんとしないと。でも、さっき言ったことは詩音にしか言わないから」
「ありがとう」
ふたりで過ごせるだけで、こんなにも楽しい。
目眩のことなんてすっかり忘れて、決められた時間まで保健室でゆっくり休ませてもらった。
ゆっくり休んだ後、優翔は私を連れ出してくれた。
「小学生がよくするでしょ?たまには、こうやって校舎を歩くのも悪くないんじゃないかって思ったんだ」
「お仕事は大丈夫なの?」
「うん。明後日の分くらいまで進めたから、気にしなくても平気だよ」
保健室の先生のお仕事というものを、私はよく知らない。
けれど、忙しそうにしていることだけは分かる。
「いつも気になってたんだけど...ここって何?」
「...第1準備倉庫。備品とかもろもろ入ってる。
その隣が放送室。生徒たちが放送を流す場所だから、掃除の時間とか賑わう」
「あれ、ここからの音だったんだ...」
優翔は本当に知らなかったらしく、わくわくした様子であちこちを見回っていた。
「この部屋にも入ったことないな...。詩音、この教室は?」
「第3倉庫。体育祭で使う道具の一部が仕舞われてる」
「体育祭か、懐かしいな...」
少しずつ体調が悪くなってくるのを感じる。
体が重い。真っ直ぐ歩けていないような気がする。
(駄目だ、気分が悪い...)
かくん、と膝が折れるのを感じたのを最後に、私の意識はそのまま暗闇に落ちていった。
──次に目を開けたとき、白い天井と不安そうな表情の優翔が見える。
「私、どうして...」
「体調悪かったの、気づけなくてごめん...」
「楽しかったから...黙っていたかった。だから優翔のせいじゃないよ」
ただ校舎を歩くだけ、それに何の楽しみがあるというのか。
そんなことを考えていたけれど、本当に楽しかった。
久しぶりに放送室に行けたし、いつも息がつまりそうになるのにそれもない。
何より、ふたりで歩けたのが嬉しくて...その時間に終わってほしくなくて。
そう考えると、少しの目眩くらい我慢しようと思ったのだ。
「結局迷惑をかけてしまって...ごめんなさい」
「楽しいって思ってくれたのはすごく嬉しい。
だけど、それで無理をして倒れちゃったら意味がないんだよ?」
優翔の言うとおりだ。返す言葉もない。
「ごめ、」
「僕が近くにいられるときでよかった...」
安心したような声で一言告げて、そっと私に口づける。
そうした直後にはっとした様子ですぐ離れた。
「ごめん、先生モードを作るのすっかり忘れてた」
「...私はそのままでもよかったのに」
「駄目だよ、そこはちゃんとしないと。でも、さっき言ったことは詩音にしか言わないから」
「ありがとう」
ふたりで過ごせるだけで、こんなにも楽しい。
目眩のことなんてすっかり忘れて、決められた時間まで保健室でゆっくり休ませてもらった。
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