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泣けないver.
新しい1日 優翔side
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朝玄関を開けると、そこには弟が立っていた。
「兄貴」
「大翔...この前はごめん」
「いいよ、気にするな。というか、相変わらず機械音痴なんだな」
テレビ電話をかけるだけで苦戦してしまったのを思い出して、ただ苦笑することしかできない。
「もう学校行くのか?...早いな」
「大翔だってこれからバイトでしょ?そっちこそ早いんじゃない?」
「...まあな」
大翔に待っているように言ってそのまま車を動かす。
「途中まで乗せていくよ。寒いでしょ?」
「それじゃあ、ありがたく。...なあ、兄貴」
その声は真剣で、何か話したいことがあることくらいは予測できた。
「どうしたの?」
「保証人になってくれない?...家の」
「え、もう予算貯まったの!?早いな...。いいよ、1人だけで借りられるいい場所を知ってるしそこにするなら」
「どこにあるんだ、それ」
然り気無く予算を聞き出しておいてから、僕は自信を持って勧めた。
「僕のマンションの向かいのアパート。...あそこと僕が住んでるマンションは管理会社が同じで、家賃を割り引いてくれるサービスがあるから」
「謎だな」
「僕もそう思った」
沢山話しているうちに、いつものカフェへと辿り着く。
「大翔、今度一緒に家具を見に行こう。僕のお古でよければ要らなくなったのはあげるから」
「ありがとう。じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」
大翔の後ろ姿を見送り、車を出来るだけ早く走らせる。
学校に到着してからすぐ詩音を探してみたものの、残念ながら姿がない。
もしかすると今日は休んでいるかもしれない...そう思いつつ、辺りを見回してみる。
すると、校門の前に人影があるのが目にはいった。
「おはよう」
「おはよう...ございます」
危ないという表情をしながら慌てて敬語を使う詩音が微笑ましい。
幸い他の生徒たちはまだ誰も来ていないような時間帯だったので、僕たちは隠れることもせず保健室へと足を運ぶ。
「先生、今日も会に出席するから午後はいないんだって。
...会が意外と多いんだなって実感した」
鍵を開けて入るとやはり誰もいなかった。
詩音に視線を向けると、なんだか不安げに瞳が揺れている。
「大丈夫だよ、あんな悲しいことが起こらないように僕も頑張るから」
「...ありがとう」
今はまだ完全に恋人モードで接しているが、詩音は気を抜くことが出来ないのか名前で呼ぼうとしない。
或いはノートの1件にそれだけ傷ついているのだろう。
それにしても、犯人はどうやって落書きをしたのだろうか。
いくら考えても答えは出ず、何も打開策を思いつかないまま今日を迎えてしまった。
「僕に出来ることは少ないけど、詩音の大切なものは今度こそちゃんと護る。
...勿論、恋人としてもね」
「人に聞かれたら恥ずかしいよ...。でも、ありがとう」
ようやく見られた笑顔は、心から安心したようなものだった。
やはり不安だったのだ。
あんなことがあっては、程度は違えどきっと誰でもそうなる。
「いつもどおり一緒に勉強しよう」
「うん」
ふと時計に目をやるともう職員会議が始まる時間帯だった。
「ごめん、ちょっと行ってくる。内鍵は閉めてていいからね」
「いってらっしゃい」
カーテンの側、ふたりで内緒のキスをする。
ふたりでならきっと大丈夫、そう思いながら職員室へと向かった。
「兄貴」
「大翔...この前はごめん」
「いいよ、気にするな。というか、相変わらず機械音痴なんだな」
テレビ電話をかけるだけで苦戦してしまったのを思い出して、ただ苦笑することしかできない。
「もう学校行くのか?...早いな」
「大翔だってこれからバイトでしょ?そっちこそ早いんじゃない?」
「...まあな」
大翔に待っているように言ってそのまま車を動かす。
「途中まで乗せていくよ。寒いでしょ?」
「それじゃあ、ありがたく。...なあ、兄貴」
その声は真剣で、何か話したいことがあることくらいは予測できた。
「どうしたの?」
「保証人になってくれない?...家の」
「え、もう予算貯まったの!?早いな...。いいよ、1人だけで借りられるいい場所を知ってるしそこにするなら」
「どこにあるんだ、それ」
然り気無く予算を聞き出しておいてから、僕は自信を持って勧めた。
「僕のマンションの向かいのアパート。...あそこと僕が住んでるマンションは管理会社が同じで、家賃を割り引いてくれるサービスがあるから」
「謎だな」
「僕もそう思った」
沢山話しているうちに、いつものカフェへと辿り着く。
「大翔、今度一緒に家具を見に行こう。僕のお古でよければ要らなくなったのはあげるから」
「ありがとう。じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」
大翔の後ろ姿を見送り、車を出来るだけ早く走らせる。
学校に到着してからすぐ詩音を探してみたものの、残念ながら姿がない。
もしかすると今日は休んでいるかもしれない...そう思いつつ、辺りを見回してみる。
すると、校門の前に人影があるのが目にはいった。
「おはよう」
「おはよう...ございます」
危ないという表情をしながら慌てて敬語を使う詩音が微笑ましい。
幸い他の生徒たちはまだ誰も来ていないような時間帯だったので、僕たちは隠れることもせず保健室へと足を運ぶ。
「先生、今日も会に出席するから午後はいないんだって。
...会が意外と多いんだなって実感した」
鍵を開けて入るとやはり誰もいなかった。
詩音に視線を向けると、なんだか不安げに瞳が揺れている。
「大丈夫だよ、あんな悲しいことが起こらないように僕も頑張るから」
「...ありがとう」
今はまだ完全に恋人モードで接しているが、詩音は気を抜くことが出来ないのか名前で呼ぼうとしない。
或いはノートの1件にそれだけ傷ついているのだろう。
それにしても、犯人はどうやって落書きをしたのだろうか。
いくら考えても答えは出ず、何も打開策を思いつかないまま今日を迎えてしまった。
「僕に出来ることは少ないけど、詩音の大切なものは今度こそちゃんと護る。
...勿論、恋人としてもね」
「人に聞かれたら恥ずかしいよ...。でも、ありがとう」
ようやく見られた笑顔は、心から安心したようなものだった。
やはり不安だったのだ。
あんなことがあっては、程度は違えどきっと誰でもそうなる。
「いつもどおり一緒に勉強しよう」
「うん」
ふと時計に目をやるともう職員会議が始まる時間帯だった。
「ごめん、ちょっと行ってくる。内鍵は閉めてていいからね」
「いってらっしゃい」
カーテンの側、ふたりで内緒のキスをする。
ふたりでならきっと大丈夫、そう思いながら職員室へと向かった。
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