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泣けないver.
紺碧色の空、逢瀬
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『...何かあったんだね』
優翔に勘づかれてしまった私は、何も答えることができなかった。
歪む視界にどうしたらいいのか分からずにいると、優しい声が何度も私に語りかける。
『電話は切らないで。...何か話せそうなら話してくれればいいから。
今からちょっと走るけど、気にしないでね』
「優、翔...」
掠れた声で名前を呼ぶのがせいいっぱいで、大丈夫とは言えなかった。
せめて何か温かい飲み物だけでも準備しようと思ったけれど、体中の感覚が麻痺したように動けない。
(私、優翔に甘えてばかりだ)
そんなの嫌だと思っていたはずなのに、心は嘘を吐かない。
本当は寂しくて、誰かに側にいてほしいと思っている。
今すぐ会いたい、沢山話がしたい、離れないでほしい...そんな欲望ばかりだ。
『...着いた。ドア、開けてくれる?』
ふらつきながら扉の鍵を開けると、息を切らした優翔が笑顔を向けてくれた。
通話を終わらせるボタンを押しながら、そのまま家にあがってくる。
「ごめん。夜だから本当は来ない方がよかったんだろうけど...どうしても直接話が聞きたかったんだ」
「...どうぞ」
視界はまだぐらついている。
優翔が倒れそうになった体を支えてくれて、そのまま横抱きにしてリビングまで連れていってくれた。
「大丈夫...じゃないよね。そうだ、温かい飲み物を買ってきたんだ。
よかったら一緒に飲まない?横になってた方がいいなら今のままでいいから...」
「...ごめ、」
「謝らないで。僕がやりたいようにやってるだけだから」
優翔は相変わらず優しく微笑みかけてくれて、何だかそれが複雑だった。
なんとか体を動かそうとすると彼に止められて、結局座ったまま待つことにする。
(どうしよう、だんだん恥ずかしくなってきた...)
本当なら私が飲み物や食べ物を用意しないといけないはずなのに、優翔は文句ひとつ言わずに買ってきてくれた。
その袋の中に私が好きなお菓子が入っていたのも分かっている。
「ココアとカフェラテ、どっちがいい?」
「こ、ココア...」
「このチョコレート、好きだったよね?」
「...うん」
瞬間、ぬくもりに包まれる。
抱きしめられているのだと理解するまでに時間がかかってしまった。
短く返事をしながら涙を流すことしかできない私を、咎めることなくただ優しさで包みこんでくれる。
「...飲み物の前に、こうしていれば少しは落ち着く?」
「ありがとう...」
なかなか涙は止まらなくて、それでも優翔はずっと離さないでいてくれた。
嫌なことだって全部忘れられそうなぬくもりに、ただ身を委せる。
湯気がたっていたはずのココアから何もあがらなくなった頃、哀しそうな表情で私に訊いてきた。
「辛い思いをさせて申し訳ないけど...何があったのか聞かせてくれる?」
私は首を縦にふって、あった出来事をそのまま話した。
優翔に勘づかれてしまった私は、何も答えることができなかった。
歪む視界にどうしたらいいのか分からずにいると、優しい声が何度も私に語りかける。
『電話は切らないで。...何か話せそうなら話してくれればいいから。
今からちょっと走るけど、気にしないでね』
「優、翔...」
掠れた声で名前を呼ぶのがせいいっぱいで、大丈夫とは言えなかった。
せめて何か温かい飲み物だけでも準備しようと思ったけれど、体中の感覚が麻痺したように動けない。
(私、優翔に甘えてばかりだ)
そんなの嫌だと思っていたはずなのに、心は嘘を吐かない。
本当は寂しくて、誰かに側にいてほしいと思っている。
今すぐ会いたい、沢山話がしたい、離れないでほしい...そんな欲望ばかりだ。
『...着いた。ドア、開けてくれる?』
ふらつきながら扉の鍵を開けると、息を切らした優翔が笑顔を向けてくれた。
通話を終わらせるボタンを押しながら、そのまま家にあがってくる。
「ごめん。夜だから本当は来ない方がよかったんだろうけど...どうしても直接話が聞きたかったんだ」
「...どうぞ」
視界はまだぐらついている。
優翔が倒れそうになった体を支えてくれて、そのまま横抱きにしてリビングまで連れていってくれた。
「大丈夫...じゃないよね。そうだ、温かい飲み物を買ってきたんだ。
よかったら一緒に飲まない?横になってた方がいいなら今のままでいいから...」
「...ごめ、」
「謝らないで。僕がやりたいようにやってるだけだから」
優翔は相変わらず優しく微笑みかけてくれて、何だかそれが複雑だった。
なんとか体を動かそうとすると彼に止められて、結局座ったまま待つことにする。
(どうしよう、だんだん恥ずかしくなってきた...)
本当なら私が飲み物や食べ物を用意しないといけないはずなのに、優翔は文句ひとつ言わずに買ってきてくれた。
その袋の中に私が好きなお菓子が入っていたのも分かっている。
「ココアとカフェラテ、どっちがいい?」
「こ、ココア...」
「このチョコレート、好きだったよね?」
「...うん」
瞬間、ぬくもりに包まれる。
抱きしめられているのだと理解するまでに時間がかかってしまった。
短く返事をしながら涙を流すことしかできない私を、咎めることなくただ優しさで包みこんでくれる。
「...飲み物の前に、こうしていれば少しは落ち着く?」
「ありがとう...」
なかなか涙は止まらなくて、それでも優翔はずっと離さないでいてくれた。
嫌なことだって全部忘れられそうなぬくもりに、ただ身を委せる。
湯気がたっていたはずのココアから何もあがらなくなった頃、哀しそうな表情で私に訊いてきた。
「辛い思いをさせて申し訳ないけど...何があったのか聞かせてくれる?」
私は首を縦にふって、あった出来事をそのまま話した。
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