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泣けないver.
禁断のお誘い 優翔side
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詩音が流した涙がぽたぽたと零れる音が聞こえるほど、静かな夜の室内だった。
話を聞いているうちにだんだん怒りがこみあげてくる。
何故教師は生徒の心を踏みにじるのだろう。
まともに調べもせず、ただ彼女を責めているようにしか聞こえない。
「それは悲しかったね...」
詩音が出した勇気は相当のものだったはずだ。
それにも関わらず、結局何も変えるつもりはないらしい。
「明日からも、先生にめ、わく...」
「そんなふうに思わなくていい。少なくても、あの先生はそんなふうに思ったりしないよ」
だが、このまま学校に行けというのは正解ではないような気がする。
もしこのまま、夏休みの最終日のような状態まで追い詰められてしまったら...自分の経験も踏まえて考えると、安易に行けとは言えなかった。
「...もし詩音さえよければ、明日一緒に出掛けない?」
「でも、明日は...」
そう、明日だって学校は休みになってくれない。
詩音が不安に思っているのはその部分だろう。
だが、このまま放っておくことなんかできるわけがない。
彼女の1番近くにいるのは僕なのだから、やれるだけのことをしてみようと思う。
「詩音はずっと学校の決まりに従ってきてる。だからこそ出席日数も足りているし、テストだって頑張ってた。
でも、たまにはいい子をやめてもいいんだよ」
詩音は校則にあったように『保健室登校は原則登校日数にカウントされる』というものや、『テストを受けて50点以上取れば履修したことになる』というものをしっかりこなしてきた。
つまり、彼女に文句を言える立場にある人間は誰もいないことになる。
それに、1日欠席したくらいでは響かないほどしっかり保健室には出席しているのだ。
...ここまで必死に戦ってきたのだから、少しくらいご褒美があってもいいだろう。
「返事は明日でいいから、今日はこれを飲んでゆっくり休んで」
「あ、ありがとう...」
温め直したココアを差し出しながら、3年前に思いを馳せる。
...どこかで見たことがある制服だとは思っていたが、まさかこんな偶然があるとは。
やはりあの学校はほとんど何も変わっていないのだと残念に思う。
これではまるで、彼の死が軽視されているようだ。
「...優翔?」
「ごめん、なんでもない。流石に泊めてもらうのはまずいから帰るけど...」
そこで言葉を止める。
このまま1人にしてしまうのが嫌だと思ったから。
「鍵はポストに入れておくから、詩音が寝るまでここにいてもいい?」
「本当にいいの...?」
「いいよ。眠れないなら眠くなるまで話をしよう。...どんなことでもいいから」
僕はそうしてほしいと思ったことがあった。
だが、恥ずかしくなって相手に上手く伝えられず...それでも大翔が来てくれたことがあったのを思い出す。
『そんな辛いときに独りじゃもっと辛くなるだろ?』
そう言ってくれて、一緒に紅茶を飲んだりお菓子を作ったことは記憶に新しい。
だから今は僕が詩音の支えになりたい、そう思う。
しばらく話していたが、やがて寝息が聞こえ始める。
それはとても穏やかなものでとても安心した。
「...また明日」
布団をかけ直してからそっと立ちあがる。
明日、詩音はどちらを選ぶのだろうか。
──例えどちらを選んでも、僕は側で支えるだけだ。
話を聞いているうちにだんだん怒りがこみあげてくる。
何故教師は生徒の心を踏みにじるのだろう。
まともに調べもせず、ただ彼女を責めているようにしか聞こえない。
「それは悲しかったね...」
詩音が出した勇気は相当のものだったはずだ。
それにも関わらず、結局何も変えるつもりはないらしい。
「明日からも、先生にめ、わく...」
「そんなふうに思わなくていい。少なくても、あの先生はそんなふうに思ったりしないよ」
だが、このまま学校に行けというのは正解ではないような気がする。
もしこのまま、夏休みの最終日のような状態まで追い詰められてしまったら...自分の経験も踏まえて考えると、安易に行けとは言えなかった。
「...もし詩音さえよければ、明日一緒に出掛けない?」
「でも、明日は...」
そう、明日だって学校は休みになってくれない。
詩音が不安に思っているのはその部分だろう。
だが、このまま放っておくことなんかできるわけがない。
彼女の1番近くにいるのは僕なのだから、やれるだけのことをしてみようと思う。
「詩音はずっと学校の決まりに従ってきてる。だからこそ出席日数も足りているし、テストだって頑張ってた。
でも、たまにはいい子をやめてもいいんだよ」
詩音は校則にあったように『保健室登校は原則登校日数にカウントされる』というものや、『テストを受けて50点以上取れば履修したことになる』というものをしっかりこなしてきた。
つまり、彼女に文句を言える立場にある人間は誰もいないことになる。
それに、1日欠席したくらいでは響かないほどしっかり保健室には出席しているのだ。
...ここまで必死に戦ってきたのだから、少しくらいご褒美があってもいいだろう。
「返事は明日でいいから、今日はこれを飲んでゆっくり休んで」
「あ、ありがとう...」
温め直したココアを差し出しながら、3年前に思いを馳せる。
...どこかで見たことがある制服だとは思っていたが、まさかこんな偶然があるとは。
やはりあの学校はほとんど何も変わっていないのだと残念に思う。
これではまるで、彼の死が軽視されているようだ。
「...優翔?」
「ごめん、なんでもない。流石に泊めてもらうのはまずいから帰るけど...」
そこで言葉を止める。
このまま1人にしてしまうのが嫌だと思ったから。
「鍵はポストに入れておくから、詩音が寝るまでここにいてもいい?」
「本当にいいの...?」
「いいよ。眠れないなら眠くなるまで話をしよう。...どんなことでもいいから」
僕はそうしてほしいと思ったことがあった。
だが、恥ずかしくなって相手に上手く伝えられず...それでも大翔が来てくれたことがあったのを思い出す。
『そんな辛いときに独りじゃもっと辛くなるだろ?』
そう言ってくれて、一緒に紅茶を飲んだりお菓子を作ったことは記憶に新しい。
だから今は僕が詩音の支えになりたい、そう思う。
しばらく話していたが、やがて寝息が聞こえ始める。
それはとても穏やかなものでとても安心した。
「...また明日」
布団をかけ直してからそっと立ちあがる。
明日、詩音はどちらを選ぶのだろうか。
──例えどちらを選んでも、僕は側で支えるだけだ。
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