物置小屋

１人向け・other

悪夢も呑みこんで

もしもし？夕飯できてるよ。
遅くなる？残業？分かった、先に食べてる。
謝らないで。帰ってくるの、待ってるね。
帰ったらご飯温める。それじゃあまた後で。


…ねえ、どこ行くの？お願い、待って。行かないで。
ひとりはもう嫌だ。どれだけ待っても誰も来てくれなくて、暗くて寒い。


…あれ、おれ、ねてた？ごめん。いつの間に寝ちゃってたんだろう。
うなされてた？起こしてくれてありがとう。
ちょっと、昔のことを思い出しちゃったんだ。
ずっと誰かにいてほしくて、ずっと手を伸ばしてた。
だけど、誰かの手をとるのも怖くて…どうすればいいか分からなかった。
そんななか、君だけは俺の手を離さないでいてくれた。
みんな離れていったのに、君だけは最後まで話を聞いてくれた。
…今日はひとりでいる時間が多かったからかな？
責めてるわけじゃないんだ。ただ、俺の調子がちょっと悪かっただけで…ごめん。
君を責めるつもりはないことは分かってほしい。
俺に知ってほしいこと？何？
…離れていても大切、か。そんなこと言われたの、初めて。ありがとう。
俺も大好きだよ。これから先もずっと、一緒にいよう。
ご飯？…食べるの忘れた。
君もまだなの？それじゃあ今から温めなおすね。
座ってて。疲れてるでしょ？君のお陰で元気になったから、今度は俺に君を癒やさせて。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
疲れてしまった彼の話にしました。