物置小屋

１人向け・イベント系

欲しいのはあなただけ・後篇(バレンタインデートの夜)

...ほら、着いたぞ。
そう、おまえと初めてデートした場所。
というより、初めて出会った場所の方が正解か。
はじめはアウトドア派だと思ってたから、どうすれば喜んでもらえるか真剣に考えた。
...けど、実は照れ屋で、断然インドア派で、ただ夜空が好きな奴だって今なら分かってる。
ん？別に、時がたったはずなのにその感覚があんまりないのが不思議だなって思ってるだけ。
今日色んなところに...まあ、主に植物園に連れ出したのは、バレンタインデート...の、つもり、だから。
こういうとき上手く言えないんだよ！...だから、その最後に、おまえと未来の約束をしたかったんだ。
ここにこられる時間、頑張って作るし...もっと二人で一緒にいたい。
だからこれは、その証。
その花は現地調達のおまけというか、だけど...いいから動くな。
花の意味？知ってるけど知らないな。なんだったかな...。
...ん、やっぱ似合ってるな。
ネックレスくらいちゃんと準備してた。
俺はあんまりこういうの詳しくないし、おまえが欲しそうにしてたってことしか知らないから、デザインがどうとか分からないけど...それでよかったのか？
俺からのものなら、なんでもいいって...相変わらず無欲というか、なんというか。
...そういうところも好きだけど。
いや、今のは、その...そうだよ、俺はいつもおまえのことちゃんと好きだって思ってる。
私は負けないくらい俺が大好きって...おまえ、相当恥ずかしいこと言ってるの気づいてる？
無自覚で言っといて照れるな、俺まで照れるだろ。
...今日一日、おまえと過ごせてよかった。
こうやってずっとくっついていられるのは久しぶりだったから。
ん？おまえの渡したいものってチョコレート...？やっぱり手作りしてたのか。
あんなに必死だったら分かる。
冷蔵庫に俺を近づけまいと必死だったもんな。
後で家でゆっくりと思っていたけど、気が変わった。...今食べたい。けどこれから運転しないといけないから...食べさせてくれるか？
で、家ではもっと甘いものもらうから。
...俺はおまえがいればそれでいいんだよ。
なんでもない、分かったらほら、帰るぞ。
おまえが冷える前に帰りついてやるよ。
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素直に言えない、言葉にするのは難しい...。
特に、『好きだ！』なんて簡単には言えない人が多いと思うんです。
因みに今回あげた花は胡蝶蘭だという裏設定があったりします。
胡蝶蘭の花言葉は、『純粋な愛』『幸福がやってくる』そしてこれがピンクのものになると、『あなたを愛しています』という意味もこめられます。
育てるのが難しいですが、植物好きな恋人ならきっと長く花を咲かせられるでしょう。
素直になるのが難しい...そういうときは、こういったイベントに力をかりるのも気持ちを伝える方法になるのかもしれません。