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1人向け・慰め系
これから先も、君の隣で。(死神さんとの話です)
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おはよう。
...今日もご飯用意してくれたんだ。いただきます。
面倒なら、君の分だけ作って食べていいんだよ?
食事なんて、僕にとっては必要ないものだから...。
一緒に食べる人、か。...そういうものが大切なんだね。
...ごめん、少し考え事をしていたから聞いてなかった。
悩みというか...これから向かう仕事の資料を読んでいるんだけど、何だか複雑だなって思ったんだ。
...心中する恋人みたいなんだけど、彼女の方が抱えていることを話さなかったみたいだから、後悔しないのかなって。
今回も一緒にくる?
いいよ、いつもどおり隠れていてくれるなら。
それじゃあ行こうか。
こんにちは。白昼堂々心中とはなかなか思いきったことをしたね。
...僕は死神。君たちは生死の狭間にいる。
今はただ、君たちふたりの話を聞きたい。
本当なら選択肢の話をするんだけど...ちゃんと話した方がいい。
彼は不治の病だと打ち明けた。
だったら君も、ちゃんと伝えるべきなんじゃないかな。
...君は彼女が自分のせいで死んだと思っている部分もあるんだろうけど、それは違う。
多分君に話したことも本当だ。
だけど、それだけじゃない。...彼女が嫌がらせを受けていたという話を、君は知らないんじゃない?
どうして話したのか、か...彼の苦しみだけを知っておいて、自分のことは話さないなんて残酷じゃないかな。
いいよ、時間ならまだあるから。
全部終わったら呼んでくれればいい。
それじゃあ、僕は少し離れた場所にいるから。
どうかした?...僕なら慣れているから大丈夫だよ。
大丈夫...だったはずなんだけどね。
ごめん、少しだけ抱きしめていてもいいかな?
疲れてしまったみたいだ。
...そうだよ。彼女の方は社内で嫌がらせを受けていたんだ。
だけど、病弱な恋人には話していなかった。
彼の方に不治の病が見つかって、一緒にということになったらしい。
どうして話さなかったんだろう...。
話せなかったって、どうして?
相手を傷つけない為...ごめん、また分からない。
それで自分が傷ついたら意味がないんじゃないかな?
それでも護りたい、か...やっぱり人間って難しいね。
話が終わったみたいだ。ちょっと行ってくる。
それじゃあ、これから選択肢の話をするよ。
1つは生き返る。もう1つはこのまま旅立つ。
...さあ、君たちはどちらを選択する?
これから本当に死ぬというのに、どうしてそんなふうに笑顔で答えられるの?
彼からもらった、たった1つの愛...?
それはきっと、君だから持てたものだね。
僕にも分かる日がくる?...そうなのかな。
その道を真っ直ぐ進んで。
それじゃあ、僕はここで。...さようなら。
さあ、帰ろうか。
どうしたの、急にそんなことを訊いてくるなんて...君が望むなら、僕はずっと隣にいるよ。
だから、そんなふうに震えなくていい。
大丈夫だよ。僕は絶対裏切ったりしないから。
君のこと、絶対離さないから。
...側にいたい、離したくない、傷ついてほしくない、護りたい。
相変わらず君と一緒に過ごしていると想いが流れこんでくるみたいだ。
この感情は、一体なんていうものなんだろう...。
取り敢えず、一緒に帰ろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
久しぶりの死神さんの話です。
小説でのこのエピソードは心中した恋人の彼女の視点が主となっているうえ、人物が複数登場するものだったのでかなり苦戦しました。
相変わらず死神さんと彼女の関係は特に変わるわけでもなく...。
因みに小説の方だとどのキャラクターにもちゃんと名前があるのでやりやすいのですが、台本で名前を出すのはまずいのかな?とも思い、代名詞なりで代用して綴りました。
...今日もご飯用意してくれたんだ。いただきます。
面倒なら、君の分だけ作って食べていいんだよ?
食事なんて、僕にとっては必要ないものだから...。
一緒に食べる人、か。...そういうものが大切なんだね。
...ごめん、少し考え事をしていたから聞いてなかった。
悩みというか...これから向かう仕事の資料を読んでいるんだけど、何だか複雑だなって思ったんだ。
...心中する恋人みたいなんだけど、彼女の方が抱えていることを話さなかったみたいだから、後悔しないのかなって。
今回も一緒にくる?
いいよ、いつもどおり隠れていてくれるなら。
それじゃあ行こうか。
こんにちは。白昼堂々心中とはなかなか思いきったことをしたね。
...僕は死神。君たちは生死の狭間にいる。
今はただ、君たちふたりの話を聞きたい。
本当なら選択肢の話をするんだけど...ちゃんと話した方がいい。
彼は不治の病だと打ち明けた。
だったら君も、ちゃんと伝えるべきなんじゃないかな。
...君は彼女が自分のせいで死んだと思っている部分もあるんだろうけど、それは違う。
多分君に話したことも本当だ。
だけど、それだけじゃない。...彼女が嫌がらせを受けていたという話を、君は知らないんじゃない?
どうして話したのか、か...彼の苦しみだけを知っておいて、自分のことは話さないなんて残酷じゃないかな。
いいよ、時間ならまだあるから。
全部終わったら呼んでくれればいい。
それじゃあ、僕は少し離れた場所にいるから。
どうかした?...僕なら慣れているから大丈夫だよ。
大丈夫...だったはずなんだけどね。
ごめん、少しだけ抱きしめていてもいいかな?
疲れてしまったみたいだ。
...そうだよ。彼女の方は社内で嫌がらせを受けていたんだ。
だけど、病弱な恋人には話していなかった。
彼の方に不治の病が見つかって、一緒にということになったらしい。
どうして話さなかったんだろう...。
話せなかったって、どうして?
相手を傷つけない為...ごめん、また分からない。
それで自分が傷ついたら意味がないんじゃないかな?
それでも護りたい、か...やっぱり人間って難しいね。
話が終わったみたいだ。ちょっと行ってくる。
それじゃあ、これから選択肢の話をするよ。
1つは生き返る。もう1つはこのまま旅立つ。
...さあ、君たちはどちらを選択する?
これから本当に死ぬというのに、どうしてそんなふうに笑顔で答えられるの?
彼からもらった、たった1つの愛...?
それはきっと、君だから持てたものだね。
僕にも分かる日がくる?...そうなのかな。
その道を真っ直ぐ進んで。
それじゃあ、僕はここで。...さようなら。
さあ、帰ろうか。
どうしたの、急にそんなことを訊いてくるなんて...君が望むなら、僕はずっと隣にいるよ。
だから、そんなふうに震えなくていい。
大丈夫だよ。僕は絶対裏切ったりしないから。
君のこと、絶対離さないから。
...側にいたい、離したくない、傷ついてほしくない、護りたい。
相変わらず君と一緒に過ごしていると想いが流れこんでくるみたいだ。
この感情は、一体なんていうものなんだろう...。
取り敢えず、一緒に帰ろう。
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久しぶりの死神さんの話です。
小説でのこのエピソードは心中した恋人の彼女の視点が主となっているうえ、人物が複数登場するものだったのでかなり苦戦しました。
相変わらず死神さんと彼女の関係は特に変わるわけでもなく...。
因みに小説の方だとどのキャラクターにもちゃんと名前があるのでやりやすいのですが、台本で名前を出すのはまずいのかな?とも思い、代名詞なりで代用して綴りました。
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