物置小屋

１人向け・慰め系

星空をかける(クラシオンシリーズです)

もう暗いのに、あんなふうに駆け回ってるなんてどうしたんだろう。
こんばんは。...申し訳ありません。驚かせてしまいましたか？
ただ、こんな遅い時間にここにいるのは...話を聞いた方がよさそうですね。
俺の店、すぐそこなので休んでいってください。


何か飲み物を持ってきますので少々お待ちください。
...なかなか手強そうな相手だ。心を開いてもらえるといいけど...。

もしよろしければこちらをどうぞ。
飲み物があれば、多少は落ち着くかなって...ご迷惑なようでしたらすぐにおさげいたします。
...あの、君はさっきからずっと頑張らなきゃって言ってたけど、悩みがあるのかな？
俺相手でよければ、どんな小さなことでもいいから話してみてほしいんだ。
そもそも、悩みに大小なんてないしね。
君は夢があるんでしょ？...絵を描くのが好きなんだね。
どうして？うーん...強いて言うなら、服に色鉛筆がついているからかな。
スケッチブックだって持ってるし、指にタコができてる。
それだけ一生懸命取り組んでいるってことだよね。
...もしよかったら、絵を見せてもらえないかな？
すごく上手だね。俺はこんなふうに描けないな...。
ごめん、何か失礼なことを...褒められたことがなかった？
それは辛いね。誰かに頑張っているからと認めてもらえないと、頑張り方が分からなくなる。
そもそも頑張れているのか、間違ったことをしていないのか...色々なことを考えてしまう。
そんななか、君はずっと休まずに頑張ってきたんだろうね。
我慢しなくていいんだよ。辛いときは思いきり泣いて、苦しいときは苦しいって言っていいんだ。
少なくても、ここではそうして自分の心に正直でいていいんだよ。
...俺は咎めたりなんかしないから。

飲み物はお口にあいましたか？それはなにより。
今から山をおりるのは危ないから、君さえよければ奥の部屋を使って。
お金なんて気にしなくていい。
この店では、そういうものは受け取っていないから。
気がすまないなんて、君は真面目なんだね。
そうだな...それじゃあ、1枚絵をもらってもいいかな？
俺は好きだよ。...君の絵は、君の心が綺麗だから輝いているんだろうね。
だから見ていると落ち着くし、俺にとっては宝物になる。
だから、明日帰るときにもらうね。
今夜は遅いから休んだ方がいい。...おやすみなさい。

...あれ、もう起きたのか。おはよう。
朝食の準備はできたから...これって、昨日の星空？本当に綺麗だね。
ありがとう。大切に仕舞っておくよ。
そんなに不安そうな顔をしなくても、ここはいつでも開いてる。
だから、来たければいつでもおいで。
食欲もあるみたいでよかった。
ゆっくり食べてね。

絵、本当にありがとう。一生懸命描いてくれて、すごく嬉しかったよ。
本当に大切なものなら、これからも自分を信じて描き続けて。
ありがとうございました。
...あの子はきっとまたここに来ることになる。
いつか心が癒えるといいな。
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今回は自作小説『クラシオン』をかなりいじって綴ってみました。
やっぱり台本の方が紡ぐのが難しいです...。