物置小屋

１人向け・看病系

君の体温(薬があわなかった話)

ごめんください。ねえ、いないの？...あれ、鍵開いてる...入るよ？
お邪魔します...って、寝てる。
というより、ぐったりしてる？
...大丈夫？起きられそう？
待ち合わせの時間になっても来ないから、もしかして何かあったんじゃないかと思って様子を見に来たんだ。
そうしたら床に倒れこんでたから、ここまで運んできたんだけど...。
そんなに謝らなくていいから、どうしてあんな状況になってたのか話してもらえないかな？
...つまり、新しくもらった薬が合わなくて体調を崩したってこと？
よかった、それならちょっとだけ安心した。
もし脳や心臓がどうにかなってるとか、そういう深刻なものならどうしようって思ってたんだ。
少し休めば体調も回復していく、よね？
何か食べられそう？君みたいに上手くはできないかもしれないけど、それでよければキッチン借りるね。
それから、分かってると思うけどその合わなかった薬は飲まないこと。
できれば近いうちに病院に行くのが1番いいんだろうけど、それは嫌だって顔をしているのは見ていれば分かるから言わない。
取り敢えずそのまま横になって休んでて。
できあがったらちゃんと起こすから。

...よし、完成。
ご飯できたよ。スープに焼き魚っていうかなりシンプルなものになったけど...。
まさかそんなにお礼を言われるとは思ってなかった。
あんまり美味しくできてないんじゃないかって不安なんだ。
もし不味かったら遠慮なく言ってね。
それじゃあ、いただきます。
...どう？喜んでもらえてよかった。
でも、やっぱり君みたいに上手にはできなかった。ごめんね。
わっ、どうしていきなり頭をわしゃわしゃするの...？
君は何も悪いことしてないでしょ？
連絡しようとしてくれていたのも、すごく苦しい思いをしたことも、ちゃんと分かってるから。
近くにスマホ落ちてたし、ずっと魘されてるみたいな声を出してたから...。
ご飯だって俺が一緒に食べたくて作っただけだし、君が謝ることなんて何もないんだよ。
その代わり、今夜は泊まっていっていい？
万が一これからまた副作用が出たら困るから、今日は側にいさせて。
...さっきより顔色はいいし、いつもどおり話せてるからよかった。

ごちそうさまでした。
食器は洗っておくから...どうしたの、いきなり抱きついてきて？
眠れない？それなら一緒に寝てあげようか？なんて...そうしたい？
分かった、もうちょっとだけ待ってて。
これ片づけたら一緒に布団に入ろう。
俺も最近あんまり眠れてないし、君がすごく温かくて安心するから。
...って、ごめん！こんなこと言うつもりじゃなかったのに...もしかして、君もなの？
誰かとぬくもりを分けあえるのって大切だよね。
俺は君と分けあえれば、それだけで嫌なことが全部吹き飛ぶような気がするんだ。
...はい、食器洗い終わり。
今夜は手を繋いで隣にいるから、ゆっくり寝てね。
...おやすみ。
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なんとなく綴ってみたのですが、大丈夫でしょうか...。