264 / 1,897
1人向け・慰め系
今宵、あなたを頂戴します(怪盗の秘密)
しおりを挟む
こんばんは。...まさか、はじめましてなんて言われるとは思ってなかった。
...いえ、こちらの話です。
ところで、どうしてそんなに浮かない顔をしていらっしゃるのですか?
家を出たい?どうしてそんなことを...成程、もしかしなくても家族が原因ですね。
そうですか、何を話してもほとんど反応が返ってこない...それは辛いですね。
誰も聞いてくれないというのは、とても寂しいことです。
誰かが側にいれば、あなたは叫んで僕の存在を周りに知らせることもできたでしょう。
そうしなかったということは家庭環境に問題があるのではと予想はしていましたが、やはりそうでしたか。
...相変わらず、ここの人間たちはあなたの話をちっとも聞いていないようだ。
いえ、なんでもありません。ただ、そんなにここにいるのが嫌ならこのトランクにあなたの大切なものを入れてください。
何故こんなことを言うのか?だって、俺...僕は今夜あなたをいただきにきたのですから。
あなたがここを出たいと仰るのなら好都合です。
それでは、少しだけ左にずれていただけますか?
...はい、これで追っ手がくることもありません。
大丈夫ですよ、殺してはいませんから。
さっきのは少々眠ってもらう為のものですので、そう長くは持ちません。
それでは急ぎましょう。
ここが僕の家です。部屋はあのときのまま...いえ、片づいていますのでご自由にお使いください。
質問?僕に答えられるものであればどうぞ。
どうして、ですか...あなたの内面の美しさに一目惚れしたから、ということにしておきます。
それより、空腹なのではありませんか?
もしよろしければ召しあがってください。
...美味しいですか?それはよかった。
それでは僕は奥の部屋にいますので、ごゆっくりおくつろぎください。
どうかなさいましたか?
3年前...何のことでしょうか?
...なんだ、思い出しちゃったんだ。
あのときの約束、忘れられたんだなって思ってたのに...。どうして分かったの?
そっか、部屋にオルゴールを置いてたのをすっかり忘れてた。
3年前のあの日、君は俺を手当てして助けてくれた。
そのおかげで腕の傷はほとんどよくなったんだ。
いつか必ず迎えに行くって言ったでしょ?
あれからちょっとだけ強くなったんだ。
色々な道具を作ったり、武術ももっと磨こうって思って...。
君が幸せに暮らしているなら諦めようと思ってた。
でも、あのときと変わらず君は独りで泣いてたから連れてきた。
また傷つけられているなら、俺がもらってしまおうって思ったんだ。
あの日から、俺が寂しくないようにってオルゴールをくれた君のことを忘れたことはなかった。
ずっと好きで、いつか想いを伝えようって...。
でも、今の俺は盗品を取り返す怪盗だ。...それでも一緒にいてくれる?
ありがとう。それじゃあ...これから先ずっと、君の心をいただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3年越しの約束を叶えるという話にしました。
...いえ、こちらの話です。
ところで、どうしてそんなに浮かない顔をしていらっしゃるのですか?
家を出たい?どうしてそんなことを...成程、もしかしなくても家族が原因ですね。
そうですか、何を話してもほとんど反応が返ってこない...それは辛いですね。
誰も聞いてくれないというのは、とても寂しいことです。
誰かが側にいれば、あなたは叫んで僕の存在を周りに知らせることもできたでしょう。
そうしなかったということは家庭環境に問題があるのではと予想はしていましたが、やはりそうでしたか。
...相変わらず、ここの人間たちはあなたの話をちっとも聞いていないようだ。
いえ、なんでもありません。ただ、そんなにここにいるのが嫌ならこのトランクにあなたの大切なものを入れてください。
何故こんなことを言うのか?だって、俺...僕は今夜あなたをいただきにきたのですから。
あなたがここを出たいと仰るのなら好都合です。
それでは、少しだけ左にずれていただけますか?
...はい、これで追っ手がくることもありません。
大丈夫ですよ、殺してはいませんから。
さっきのは少々眠ってもらう為のものですので、そう長くは持ちません。
それでは急ぎましょう。
ここが僕の家です。部屋はあのときのまま...いえ、片づいていますのでご自由にお使いください。
質問?僕に答えられるものであればどうぞ。
どうして、ですか...あなたの内面の美しさに一目惚れしたから、ということにしておきます。
それより、空腹なのではありませんか?
もしよろしければ召しあがってください。
...美味しいですか?それはよかった。
それでは僕は奥の部屋にいますので、ごゆっくりおくつろぎください。
どうかなさいましたか?
3年前...何のことでしょうか?
...なんだ、思い出しちゃったんだ。
あのときの約束、忘れられたんだなって思ってたのに...。どうして分かったの?
そっか、部屋にオルゴールを置いてたのをすっかり忘れてた。
3年前のあの日、君は俺を手当てして助けてくれた。
そのおかげで腕の傷はほとんどよくなったんだ。
いつか必ず迎えに行くって言ったでしょ?
あれからちょっとだけ強くなったんだ。
色々な道具を作ったり、武術ももっと磨こうって思って...。
君が幸せに暮らしているなら諦めようと思ってた。
でも、あのときと変わらず君は独りで泣いてたから連れてきた。
また傷つけられているなら、俺がもらってしまおうって思ったんだ。
あの日から、俺が寂しくないようにってオルゴールをくれた君のことを忘れたことはなかった。
ずっと好きで、いつか想いを伝えようって...。
でも、今の俺は盗品を取り返す怪盗だ。...それでも一緒にいてくれる?
ありがとう。それじゃあ...これから先ずっと、君の心をいただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3年越しの約束を叶えるという話にしました。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる