物置小屋

１人向け・看病系

ホワイトデイズ(マスクな恋人シリーズです)

あ、席空いたよ。俺はこのまま立ってるから、君はそこに座ってて。
この時間帯、結構人が多いんだね...。
もう少し人がいないタイミングを見計らって乗るべきだったかもしれないね。
前は少なかったんだけど...え、そうなの？電車が減ってるの、知らなかった...。
ただでさえ少ないのに減ってるから、みんな同じような時間の電車に乗るんだね。
...ちょっと人に酔っちゃった？次の駅で降りて一旦休もうか。

そんなに謝らなくても大丈夫だよ。
色々な人たちがわいわい賑やかに話しているのが苦手なこと、俺は知ってるから。
次の電車もあるし、無理そうならタクシーとか徒歩って選択肢もある。
誰が悪いわけでもないんだから、謝らなくてあいんだよ。
何か飲めそう？ここでならマスクを外しても、俺しかいないから君の傷痕を見る人はいないよ。
首のところのファンデーションが落ちてきてるから、もしかするとそれが気になったのかもしれないね。
え、もう平気なの？我慢してない？本当に...？
それじゃあ次のやつに乗ろうか。


やっと家に到着...。意外と時間かかっちゃったね。
俺が夜食の買い物をしすぎた生なんだけど...あ、笑った。
いや、怒ってないよ。寧ろよかったなって思っただけ。
そんなに照れなくてもいいのに...君は本当に可愛いね。
お風呂、もう沸いてるはずだから先に入って。
それからゆっくりしよう。

お待たせ...って、あれ？髪生乾きだね。俺がやってもいい？
君の髪、すごくさらさらで綺麗だよね...あ、また照れてる。
からかったんじゃないよ。本当のことを言っただけ。
はい、できた。さっき買った飲み物とってくるね。
紅茶とほうじ茶ラテ、どっちが飲みたい？それじゃあ俺は紅茶にして...コンビニのコロッケって美味しいよね。
ついでに買えてよかった。それに、やっとまともに君の顔を見られてよかった。
言ったでしょ、俺相手には傷痕を隠さなくていいって。
他の人たちがどう思おうと、俺にとって君は大切な恋人だから。
どうしてそんなに泣きそうな顔してるの？
どれだけ心が傷つきやすくても、その顔の痕が一生残っても...君が君であることに変わりはない。
俺が好きになったのは君自身なんだから。
それじゃあ、ささやかなパーティーでもはじめようか。
今日も1日お疲れさまでした。...乾杯。
やっぱりふたりで食べると美味しいね。どんなものでも、ひとりで食べたときの何倍も美味しい。
ほら、君もコロッケ食べて。
あとはクラッカーにチョコレートに...やっぱりこうやってふたりで夜更かしするの、すごく楽しい。
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久しぶりに綴ってみました。
相変わらず人前で傷痕を隠す彼女ですが、彼の前でだけは本当の自分でいられるのかもしれません。