物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

大切だったもの(箱庭-2)

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おはよう。…って言っても、この世界はいつでも夜なんだけどね。
君が好きなものが反映されているからだと思うんだけど、夜が好きなの?
どうかした?あの世界が気になる?…君が消えたって大騒ぎみたいだよ。
何日も帰ってこないとなるとそういう反応になるんだろうね。
うわべだけ、か。辛辣な気もするけど、君がされてきたことから考えればそう考えるのも当然か。
この世界には慣れた?辛くない?…前にも言ったでしょ、君が帰りたいって言うまで帰れなんて言わないって。
ただ、いくら必要ないとしても食事と睡眠はとった方がいいと思う。
何か食べたいもの、ないの?…もしかしてこれ?
今そっちのテーブルに出てきた。唐揚げが好きなんだね。
僕は君のことをまだあんまり知らないから、こうやって交流して何かしら収穫が得られればそれでいい。
分けてくれるの?ありがとう。いただきます。…うん、すごく美味しい。
どうして泣いてるの?懐かしい…そっか、大切な人が作った味がするんだね。
えっと…よしよし。人間同士はこうやって触れ合うこともあるってなんとなく知ってたんだけど、もしかして怒った?
そうじゃないならいいけど…ねえ。君は今それを食べて幸せだって思った?
知りたかったんだ。君がこの夢の世界に何を望むのか、ちゃんと君の心が温かくなっているのかね。
…僕に感情があればよかったんだけど、そこまで優秀じゃないから。
いきなりどうしたの?…こうやってぬくもりを分け合うこともできるんだね。
ありがとう。知らないことを知れてよかった。
また何かあれば声をかけて。僕にできることなら頑張るから。
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こちらの箱庭の彼女は、幸福に浸ることにしました。
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