物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

月影(お月見・失声症)

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ただいま。今日もお疲れ様。どうかしたの?
『なんでもないよ』…嘘つき。それならどうしてそんなに落ちこんでるの?
首を横にふっても、君の様子がおかしいことくらい分かるんだからね。
…ごめん。責めるつもりはないんだ。ただ心配で…。君はよく自分で自分を追いつめるから。
大丈夫、ゆっくりでいいから教えて。
『店員さんと話していたら笑われちゃった』…そっか、やっぱり優しくない世界もあるんだね。
『品物の場所が分からなくて、店員さんにも迷惑かけちゃった』…今度そのお店に行くとき、俺が一緒に買い物するよ。
そうすれば君も自由に買い物ができるでしょ?…そうだ、どうしても元気が出ないなら少し気分転換しない?
それじゃあ決まり。ほら、今夜は月が綺麗だよ。
『偃月だね』…?これってなんて読むの?
『えいげつだよ。下弦の月のこと』…そうなんだ、知らなかった。
団子もすすきもないけど、君と一緒に見られる景色ならどんなものでも嬉しいよ。
君は人に迷惑をかけてばかりだって言うけど、俺は君が一緒にいてくれるから頑張れるんだ。
『私はあの影と同じ』…それは、暗いっていう意味で言ってる?
どんなものにも光と影があるけど、どっちも綺麗だと俺は思う。
影がないと光は生きていけないんじゃないかな?なんて…。少し元気になったみたいでよかった。
今度時間を作るから、そのときは本格的なお月見をやろう。
それから、嫌なことがあったときはすぐ言うこと。…約束だよ。
…ありがとう。君の『好き』は、何度聞いても世界で1番眩しいな。
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迷子になってしまいました…。
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