物置小屋

１人向け・慰め系

予告、あなたを頂戴します(怪盗)

ただいま。…ねえ、開けてもいい？
そんなに嫌がられると傷つくな…。謝らないで。家の人だと思ったんでしょ？
ちゃんと予告状に書いたはずだよ。『今夜、あなたを頂きに参上します』って。
と、いうわけで。これから俺に拐われてもらいます。
ここにいるのが辛いんだよね？だったら、これから沢山外の世界を見せてあげる。
世界って、君が考えている以上に広いんだよ。だから…君が探し求めている、優しい世界もいつかきっと見つかるさ。
それまで俺の助手をしてもらって、嫌になったら好きな場所に行っていい。
君を縛りつけようなんて思ってないから。
さあ、手をとって。君の夢や希望を打ち砕いた人間たちが帰ってくる前に、早くここを出よう。…ほら、こっち。
俺は君に暴力をふるったり、理不尽な要求をしたりしない。
人を信じるのも、新しい世界への一歩を踏み出すのも怖いよね。
初対面の相手に信じろなんて言われても無理な話かもしれない。
…それでも、今回は俺を信じてくれないかな？
絶対に君の優しさを踏みにじったりしないから。…お願い。
本当？ありがとう。それじゃあ持っていきたいものをまとめて。あと5分であの人たちが帰ってきちゃうから、それまでにね。
…それだけでいいの？分かった。それじゃあしっかり掴まっててね。


…到着。ここが俺のアジトだよ。
今日はつかれたでしょ？そこが君の部屋だから、好きに使ってね。
あ、ちょっと待ってて。…お待たせ。コンビニのおにぎりを温めたんだ。
あのときのお礼、なんて…ううん、なんでもない。
それ食べて、今夜はもう休んで。
朝になったらもっと栄養バランス考えてご飯作るね。それじゃあ、おやすみ。
…あの子を取り巻く劣悪な環境は変わってなかった。
君が憧れる王子様とは全然違うんだろうけど、これから君を護ると違うよ。
助けてもらった恩は、ちゃんと返したいから。
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実は恩返しに来た、という設定にしてみました。