物置小屋

１人向け・看病系

優しさ溢れる瞬間(二側歩行)

危ない！…よかった、間に合ったみたいね。
あたしは平気よ。そんな顔しないで。
まったく、ぶつかったのにそのまま行っちゃうなんて…。
相手が怪我をしてないならいいなんて、あなたは本当に優しいのね。あたしなら怒っちゃうもの。
それじゃあ、帰りましょうか。


夕飯のお持ち帰り弁当も買えたし、あなたと久しぶりに外を歩けて楽しかったわ。
ご飯の後は何をしようかしら？そういえば、いつものお店で新作プリンを買って…ねえ、どうしてそんな変な顔してるの？
変？あたしが？そんなことないと思うけど…え、痛!?
…あーあ。上手く隠し通そうと思ったのに。
大丈夫よ、さっき支えたときに体勢があまりよくなかったみたいで、手首と足首をやっちゃったみたい。
段差だからこそ油断しちゃいけなかったのに…。
あなたが謝る必要はないわ。怪我してないみたいだし、それでいいの。
え、手当て？そこまでひどくないから大丈夫よ。
ほら、冷める前にご飯にしましょう。
い…分かったから、そんな顔しないで。
おまえはそうやって心配するから言いたくなかったんだ。
あと、きっと自分のせいだって考えるだろうと思った。
おまえのせいじゃないし、俺はおまえが怪我をする方が嫌だ。
…けど、どうしてもって言うなら手当てしてもらうことにするか。

相変わらずテーピングが上手ね。ありがとう。もうほとんど痛みがないわ。
もう謝らないでって言ったのに…。
へえ…なんでもする、ね。その言葉、後悔するなよ。
…なんて言っても、何をしてもらうかまだ考えてないんだけどね。
一先ずご飯にしましょう。話はそれから、ね？
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この後何をお願いしたのかは、ふたりだけの秘密の話。