物置小屋

黒蝶

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1人向け・other

さよならの音(最後の願い)

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どうかした?なんだかすごく疲れているみたいだけど…。
そっか、またそういうことを言われたのか。いちいち絡まれるのが辛いね。
せめて放っておいてくれれば、もう少し落ち着いて過ごせるのに…。
世界は優しくないから、君を理解しようとしてくれない。
それは勿論俺にも当てはまることだけど、俺は君を分かりたいと思ってる。
分からない、知らないって言うならせめてそっとしておいてほしいよね。
そんな人たちの相手をする暇があったら、理解してくれようとしてくれる相手と話したい…そう思ったこと、ない?
やっぱりあるんだ。俺もだよ。
ただ自分らしくいたいだけなのに、それさえ許されないなんて苦しいよね。
だけど、そんな理不尽な世界で君は今日も頑張った。
そんなことないって君は言うけど、寧ろ頑張りすぎで心配になるくらい頑張ってる。
誰がどう思おうが、それは変わらない。
…それだけは、覚えていてほしいな。それはこれからも変わらないよ。
あ、君はこっち。だって、そんなところに立っていたら……。
大丈夫?怪我、してない?よかった…。
泣かないで。これでいいんだ。
俺は君に愛されて、幸せなまま終われる…。
ぼんやりしていた俺の責任だ。…道路の真ん中に立つ君を、放っておけなかった。
エゴだって言われるかもしれないけど、君に死なないでほしかったんだ。
君が轢かれる未来より、君が、笑える未来がいい。
…約束して。俺の分まで、なんて言わないから…自分が生きたい道を、自由に生きて。
それじゃあ、お土産話…楽しみにしてる、から。
…ばいばい。
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道路上での決死の会話。
彼の言葉は彼女に届いたでしょうか。
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