物置小屋

１人向け・other

俯く少女に幸福を(憑依体質)

…気がついた？ごめんね、勝手なことして…。
どうやら、君の目の前の人を助けたいっていう想いが僕を起こしたみたい。
心配しないで。暴力はふるってないから。
言ったでしょ、君が嫌いなことはしないって。
どうして謝るの？…気にしなくていいんだよ。
僕が勝手にやったことだし、君のせいじゃない。
君の体を借りてるお礼に君を護るって、初めて会ったときに約束したでしょ？
…それより、僕と話してていいの？他の人たちには視えてないのに。
君が楽しいって思ってくれるのは嬉しいけど、無理させたくない。
体に結構負担がかかるだろうし、僕が手助けできることは少ないのに…。
あ、危ない。…怪我しなかった？よかった…。
…って、ごめん！今の動きは変則的だったよね。相手、ちょっと気味悪がってたな…。
というか、ぶつかったのに何も言わずに行っちゃうなんて…ちょっともやもやする。
たしかに僕は、君の体を借りない限り普通の人間には物理的に干渉できない。
だけど、体を貸してくれてる相手にならできるんだ。…言ってなかったっけ？
ごめんごめん。…あ、ちょっと借りるね。
駄目だよ、悪いことしちゃ。君、人間じゃないでしょ？
僕は事情があってこうしてるけど、君は今無理矢理はいりこもうとした。
そういうのはいけないことだと思う。
…僕がこの体にいられる理由？君に話す必要はないでしょ？
この子を護るのが僕の仕事なんだ。…消されたくなかったらこの場から去れ。


…あ、起きた？謝らないで。変な奴は追い払っておいたから、もう大丈夫だよ。
君のことは僕が護るから。
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憑依体質の少女と、ある事情から取り憑いている少年の霊の話にしてみました。