物置小屋

１人向け・看病系

曖昧なものさし(トラウマ)

どうかしたの？…そっか、嫌なことを思い出しちゃったんだ。
もう無理しないで。君が悪いわけじゃないんだし…家まで歩けそう？
無理そうだね。俺が支えるから、申し訳ないけどもうちょっとだけ耐えて。


…到着。さっきより顔色がよくなったみたいで安心した。何か飲み物でも淹れようか。
謝らないで。突然大声をあげる人がいたら誰だって驚くよね。
だいぶ前のことを引きずって…？そんなことを言う人いるんだ。
俺は、君が傷ついたっていう出来事しか知らない。
だけど、そのときの心の傷の深さはそれぞれだから過去を引きずるのが悪いことみたいに言われちゃうのは虚しいよね。
俺だって君の全部が分かるわけじゃないけど、ちゃんと分かりたいって思ってる。
どれだけ時間が経っても苦しいのは、それだけ心に苦しみが刻みこまれているってことなんだと思う。
それを周りの人が勝手に判断していいわけがない。
…だけど、俺はもっと君のことを分かりたいって思ってる。
難しいかもしれないけど、困ったときは遠慮なく頼ってほしい。
心無い人たちから君を護りたいんだ。
…手、握っていようか？それとも先に薬を飲む？
これだよね？水持ってくる。…大丈夫、俺に寄りかかって。
眠くなったらそのまま寝ちゃっていいからね。
…いつか、少しでも苦しみが和らぐ日がきますように。
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心に負った傷は目に見えないから難しい、という話にしてみました。