物置小屋

１人向け・慰め系

1本の糸(唯一の救い)

…こんばんは。なんだか疲れているみたいだけど、何かあった？
大丈夫って顔じゃないよ。すごく苦しそうだし…。
そうだ、今からうちにこない？何も食べてないんでしょ？
今から夜食にしようと思って、材料を買ってきたんだ。行こう。


今の時間に食べるって結構背徳な気もするけど、割と時間をかけずにできるから座って待ってて。
飲み物は好きなのを選んでね。
…遠慮しないで。寧ろいつもひとりで食べてるから、一緒に食べてくれる人がいて嬉しいんだ。
これでよし。…鮭、嫌いじゃなかった？それならよかった。
どうぞ。鮭に小麦粉とパン粉、卵をつけて揚げただけのものだけど、気に入ってもらえたら嬉しいな。
つけあわせのひじきは買ったやつで、スープは今温めたものだよ。
…どう？美味しい？ごめん、もしかして泣くほど不味かった？
違う？…そっか。ならいいんだ。
おにぎりもまだ作れるし、汁物もおかわりあるから好きなだけ食べてね。
…落ちこんだときほどご飯はちゃんと食べた方がいいよ。
僕の場合はだけど、それだけでちょっと上を向けるんだ。
何があったか知らないけど、前進だろうが後退だろうが進んでるってことが大事だと思う。
勿論、立ち止まって考えることも選択のひとつだし逃げたっていい。
…もし辛くて限界になったら、いつでもここに逃げてきて。
そのときは、君の人生の責任を持つから。
それと、君が抱えているものを半分だけでも背負えたらいいなって思う。
…行くところがないなら泊まっていく？
僕のことが信用できないなら、そっちの部屋の内鍵をかけて。
よほどの緊急事態じゃない限り絶対開けないから。
何か用事があるときはいつでも声をかけてね。
食器は片づけておくからゆっくり休んで。
どうしてここまでするのか、か…。僕も人に助けてもらったことがあるから、かな。
それに、人を助けるのに理由なんていらないでしょ？
それじゃあ、また明日。朝ご飯作ってから起こすね。
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僅かに残った希望の話にしてみました。