物置小屋

１人向け・イベント系

いい魔法使い(ハロウィン)

お嬢さん、トリックオアトリート。
お菓子をいただければ悪戯しないけど、持っているかな？
ないならどうしてくれようか。…なんて、嘘だよ。
何故そんなに落ちこんでいるのかは気になるけどね。もしよければ教えてもらえないだろうか。
…自分に自信がない、か。お嬢さん、アレルギーはない？
それなら少しつきあってもらおうか。

今着ているものは普段着？可愛らしいね。
馬鹿になどしないさ。やりたい格好をして何が悪い？
誰かを傷つけて奪ったお金で買ったわけでもなく、誰かに命令されて嫌々やっているわけでもないならそれでいいんだ。
もしお嬢さんに悪意ある言葉をぶつけてくる者がいるなら、それはきっとお嬢さんが眩しすぎたんだ。
だから、満面の笑みを浮かべてやればいい。
一歩歩けばそれだけで世界は変わる。…少なくとも、俺はそう信じている。
ほら、できた。これでどうだろう？
メイクは多少できるから、お嬢さんに魔法をかけようと思ったんだ。
どういたしまして。またどこかで会えたら…連絡先？
かまわないが、君の情報を俺が知っていいのか？
分かった。いつでも連絡してくれ。何かあればまたこの場所でメイクをする他約束しよう。
私の格好？魔法使いのローブのつもりだが、変だろうか？
そうか。安心した。フードがついているから顔も隠せて気にいったんだ。
どうかしたのかな？小さな鞄だな。財布になっているのか。
これを俺に？こんな素敵なものをもらっていいのか？
…ありがとう。大切にする。
ではまた。基本的に返信はゆっくりだが、必ず返す。
ああそうだ、もうひとつ。…その菓子は好きにしてくれ。
よいハロウィンを。
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ハロウィンの出会いの話にしました。