物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

拝啓、色づく世界で(手紙)

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拝啓

君は覚えているだろうか。
初めて会った日、綺麗な髪だと言ったら照れたのを。
あの日からずっと愛らしいと思っていた。
だが、君が知るとおり俺には些細な季節の変化すら感じられない。
世界がモノクロにしか見えないこの目では、草花の色を見分けることさえできない。
そんな俺がこのまま君の隣にいていいものかと迷っている。
俺だけの意思で勝手に決めたくない。君は俺をどう思っているのか教えてほしい。
迷惑ならもう二度と会わないし、君さえよければこれからも一緒に会話を楽しみたい。
いつもの木の下で、君が好きなクッキーと紅茶を用意して待っている。
優しい君のことだから、嫌だと思っても来てしまうかもしれない。
そんなことはしなくていい。俺に縛られないでほしい気持ちも嘘ではないから。


…この木だな。来てもらえるだろうか。
どうしたんだ、そんなに走って…。俺も今来たところだ。
取り敢えず食べる?…その前に、少し、手を握ってもいいか?
熱いな。緊張…それとも怒り?
すまない。本気で分からないんだ。
表情が怒っているようには見えないが、もしかしたらということもある。
だから、ちゃんと言葉で聞きたくて…これからも、一緒にいてくれるのか?
俺と君が見る世界が重なることは一生ないのに、それでも隣にいてくれるのか?
ありがとう。君がいてくれるだけで、どんな色も見えそうだ。
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手紙の話にしました。
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