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注意事項:魔法は正しく唱えましょう。
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何とか古の魔法の書を一冊借りることができた。
そして、再びいつもの客間へと戻ってきた。
護衛のガルシアは客間の外で待機している。
用が無い時は、本人の許可なく立ち入らないのが普通なのだそうだ。
ということで、客間には私一人である。
「さてと………」
窓際に設置されているアンティーク調のデスクとチェア。
そこに古の魔法の書を置いて椅子へ腰掛ける。
「おぉ………」
魔法の書、略して魔書を撫でて感激する。
書の表面はザラザラしていて、赤いその書は所々剥がれ落ちており、黒くなっている。
書に触れた指を見ればサラサラとした赤い粉がついていることに気がついた。
それは、ただの古くさい本というよりは時代や歴史を感じさせるものであり、思わず感嘆の声が溢れ落ちる。
そっと丁寧に本を開ける。
壊さないように、慎重にページをゆっくり開ける。
「………」
そしてパタリと閉じる。
フリーズ。
「………読めん」
さっぱりわからん。
会話が成立してたから、てっきり読むのも可能だと思い込んでいたが違った。
再び書を開けてまじまじと見つめる。
グニョグニョした蛇のような筆記体、所々に点やらある。
いやぁ~ラノベのチートだったら言語には苦労しないのにな……。
つくづくそう思うが、無いものをねだっても仕方がない。
「おーい! ガルシア、ちょっとこっち来てくれ!」
椅子に腰掛けたまま背後へ顔を向けてドアの向こうにいるガルシアに声をかけた。
ゴトンと音を立ててドアが開き、ガルシアは側に来た。
「どうした?」
「いやな、言葉通じるから文字も読めるだろと思って開いたんだが、全く読めなかったんだよ。向こうと全然違うし、こりゃ、参ったわ。ハハハハハハ………」
乾いた笑い声が思わず私の口からこぼれ落ちた。
「………それで、俺にどうしろと?」
「読み聞かせしてくれねーかなぁと………駄目か?」
男に頼み事をするときには上目遣いを忘れずに。
ふふふ、私はなんて計算高い女なのだろうか。
「………わーったよ。読んでやる。貸せ」
計画通り。
「ありがとう!」
可愛く見られるように、首を傾げてお礼を言うのも忘れてはならない。
「で、どの魔法から覚えるんだ? 召喚、火魔法、水魔法、風魔法、闇魔法、光魔法、無魔法」
「無魔法って何だ?」
「本来、水は火、火は風、風は水、光は闇、闇は光に強い。だが、無魔法の場合は特別、何かに対して強いわけでもなく、弱いわけでもない。よって、全属性に対応できる魔法といわれている。まあ、特定の性質に対して強力なダメージを与えられるわけではないというのがデメリットではあるがな」
「なるほど」
「じゃあ、無魔法おしえてくれ!」
何かあったとき全属性に対応できたほうがいいしな!
「……俺が教えたからといって必ずしも全部習得できると思うなよ? 魔法を放出して、初めてその魔法の適性があるかどうかが決まるんだからな」
「わかってるって!」
ガルシアは古の魔法の書に挟まれていた紙を広げ、床に敷いた。
その紙にはいかにもといった感じの魔法陣が描かれていた。
「………じゃあ、まず魔法陣の中心に立て」
頷いて、指示通りに中心に立つ。
「今から読み上げる呪文を復唱しろ、いいな?」
「わかった」
ゴクリと唾を飲み込み喉を鳴らした。
「無魔法の生みの親、偉大なる魔術師アルテラよ」
「無魔法の生みの親、偉大なる魔術師アルテラよ」
「その力を示し、我に力を与え給え」
「その力を示し、我に力を与え給え」
「全属性を……………全てを呑み込み死を上回るほどの畏れを与えよ!『亜空間』」
「全属性を……………全てを呑み込み死を上回るほどの畏れを与えよ!『亜空間』」
瞬間、
ドガカーーーーーーーーーーーーーーーーン!
大きな爆発音、崩壊音、そして室内に充満した灰色の煙。
「ゲホケホケホ……」
「ガハガハガハ……」
煙は次第に消えていき、視界がクリアになる。
な、何が起こった!
途端、パニックになる。
ガルシアの顔を向ければ、サッと顔をそらされた。
後ろめたいことでもあるような顔。
怪しい。
「おい、ガルシア。どうしてこんなことになってる?」
「わ、悪りぃ。呪文長すぎて、ダルくなってきたから省略したらこうなった……」
「おい……」
呆れてものも言えぬ。
だが、その気持ちがわからないわけではない。
だって後半の呪文唱えてるとき、かなり恥ずかしかったもん。
中二病かよっ!て。
澄まし顔で唱えてたつもりだが、正直、顔が熱い。
羞恥プレイだったよ、本当に。
「「「「襲撃だーーーーーーーーーー敵は何処だーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」
爆発音と崩壊音を聞きつけて大勢の兵士が駆け込んできたことは言うまでもない。
毎度毎度、お騒がせしてすみません。
というか、今回は私、悪くないよな?
そして、再びいつもの客間へと戻ってきた。
護衛のガルシアは客間の外で待機している。
用が無い時は、本人の許可なく立ち入らないのが普通なのだそうだ。
ということで、客間には私一人である。
「さてと………」
窓際に設置されているアンティーク調のデスクとチェア。
そこに古の魔法の書を置いて椅子へ腰掛ける。
「おぉ………」
魔法の書、略して魔書を撫でて感激する。
書の表面はザラザラしていて、赤いその書は所々剥がれ落ちており、黒くなっている。
書に触れた指を見ればサラサラとした赤い粉がついていることに気がついた。
それは、ただの古くさい本というよりは時代や歴史を感じさせるものであり、思わず感嘆の声が溢れ落ちる。
そっと丁寧に本を開ける。
壊さないように、慎重にページをゆっくり開ける。
「………」
そしてパタリと閉じる。
フリーズ。
「………読めん」
さっぱりわからん。
会話が成立してたから、てっきり読むのも可能だと思い込んでいたが違った。
再び書を開けてまじまじと見つめる。
グニョグニョした蛇のような筆記体、所々に点やらある。
いやぁ~ラノベのチートだったら言語には苦労しないのにな……。
つくづくそう思うが、無いものをねだっても仕方がない。
「おーい! ガルシア、ちょっとこっち来てくれ!」
椅子に腰掛けたまま背後へ顔を向けてドアの向こうにいるガルシアに声をかけた。
ゴトンと音を立ててドアが開き、ガルシアは側に来た。
「どうした?」
「いやな、言葉通じるから文字も読めるだろと思って開いたんだが、全く読めなかったんだよ。向こうと全然違うし、こりゃ、参ったわ。ハハハハハハ………」
乾いた笑い声が思わず私の口からこぼれ落ちた。
「………それで、俺にどうしろと?」
「読み聞かせしてくれねーかなぁと………駄目か?」
男に頼み事をするときには上目遣いを忘れずに。
ふふふ、私はなんて計算高い女なのだろうか。
「………わーったよ。読んでやる。貸せ」
計画通り。
「ありがとう!」
可愛く見られるように、首を傾げてお礼を言うのも忘れてはならない。
「で、どの魔法から覚えるんだ? 召喚、火魔法、水魔法、風魔法、闇魔法、光魔法、無魔法」
「無魔法って何だ?」
「本来、水は火、火は風、風は水、光は闇、闇は光に強い。だが、無魔法の場合は特別、何かに対して強いわけでもなく、弱いわけでもない。よって、全属性に対応できる魔法といわれている。まあ、特定の性質に対して強力なダメージを与えられるわけではないというのがデメリットではあるがな」
「なるほど」
「じゃあ、無魔法おしえてくれ!」
何かあったとき全属性に対応できたほうがいいしな!
「……俺が教えたからといって必ずしも全部習得できると思うなよ? 魔法を放出して、初めてその魔法の適性があるかどうかが決まるんだからな」
「わかってるって!」
ガルシアは古の魔法の書に挟まれていた紙を広げ、床に敷いた。
その紙にはいかにもといった感じの魔法陣が描かれていた。
「………じゃあ、まず魔法陣の中心に立て」
頷いて、指示通りに中心に立つ。
「今から読み上げる呪文を復唱しろ、いいな?」
「わかった」
ゴクリと唾を飲み込み喉を鳴らした。
「無魔法の生みの親、偉大なる魔術師アルテラよ」
「無魔法の生みの親、偉大なる魔術師アルテラよ」
「その力を示し、我に力を与え給え」
「その力を示し、我に力を与え給え」
「全属性を……………全てを呑み込み死を上回るほどの畏れを与えよ!『亜空間』」
「全属性を……………全てを呑み込み死を上回るほどの畏れを与えよ!『亜空間』」
瞬間、
ドガカーーーーーーーーーーーーーーーーン!
大きな爆発音、崩壊音、そして室内に充満した灰色の煙。
「ゲホケホケホ……」
「ガハガハガハ……」
煙は次第に消えていき、視界がクリアになる。
な、何が起こった!
途端、パニックになる。
ガルシアの顔を向ければ、サッと顔をそらされた。
後ろめたいことでもあるような顔。
怪しい。
「おい、ガルシア。どうしてこんなことになってる?」
「わ、悪りぃ。呪文長すぎて、ダルくなってきたから省略したらこうなった……」
「おい……」
呆れてものも言えぬ。
だが、その気持ちがわからないわけではない。
だって後半の呪文唱えてるとき、かなり恥ずかしかったもん。
中二病かよっ!て。
澄まし顔で唱えてたつもりだが、正直、顔が熱い。
羞恥プレイだったよ、本当に。
「「「「襲撃だーーーーーーーーーー敵は何処だーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」
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というか、今回は私、悪くないよな?
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