やまあらしのジレンマ

なごみ

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「では、さっそくゲストを紹介いたしましょう!」

「本日のゲスト、1人目は女優の澪さんです!」

「よろしくお願いしまーす!」

「澪さんは近々写真集を出されるらしいですね。」

「そうなんです!実は、初めての写真集なんですよ!」

「へぇ、初めて!意外だなー。」

「いままでにない私を表現しているので、みなさんぜひご購入ください!」

澪ちゃーん、という会場のお客様の声援に澪はにこにこと手を振っている。

澪は、ミルクティー色のふわふわした髪に茶色のくりくりした瞳を持った可愛らしい子だ。
身長もその容姿にあった154cmと小さめで、小動物感を醸し出している。

「続いては、歌手のAzuさんです!」

「よろしくお願いします。」

「Azuさんは今回ドラマの主題歌を担当されているとか。」

「はい。来週の木曜10時から始まる"恋します"の主題歌を歌わせていただいてます。」

「今回の楽曲はどのような曲なんですか?」

「はい。今回の曲は、恋をしている可愛い女の子をイメージしたアップテンポのものになってます。」

「この曲は後ほど披露していただきます。」

「みなさん、楽しみにしていてくださいね。」

出演者の紹介が終わり、CMに入る。
この後、私たちは椅子に座った状態でシークレットゲストの紹介があるはずだ。


「AzuさんAzuさん!今日のシークレットゲスト誰ですかね!」

隣に座った澪が、興奮したように杏に話しかけてきた。
澪は人懐っこい性格であるため、昔共演した際に仲良くなり、和葉と同い年であるということも相まってプライベートでも付き合いがある。

「澪ちゃんったら和葉ちゃんと同じこと言ってるわ。」

「そりゃそうですよ!だって、和葉と賭けしてますもん!」

「え、賭けしてるの?」

「そうですよー。当たったほうにジュースを奢るんです!」

随分と可愛らしい勝負だと杏はくすりと笑う。

「CMあけまーす。」

「あ、いよいよですね!」

澪はこそこそと杏に囁くと、そわそわとシークレットゲストが登場する扉を見つめる。
その様子を杏は微笑ましく見ていた。

「はい。では、みなさまお待ちかね、本日のシークレットゲストをお呼びいたしましょう!この方です!」


ーきゃー!

扉が開き、その男が笑顔を浮かべながら登場すると、会場からは黄色い声が上がる。

「本日のシークレットゲストは俳優のKyoさんです!」

「よろしくお願いします。」

黒い短髪に涼しげな目元、すっと通った鼻筋に薄い唇。
爽やかを前面に押し出して微笑んでいる。

「こちらへどうぞ。」

「はい、ありがとうございます。」

Kyoは杏の隣に座る。
澪はKyoとは反対側の杏の隣で小さくガッツポーズをしていた。
賭けは澪が勝ったらしい。

「いやー、イケメンですねー。」

「女性のお客様の黄色い声がすごい!」

「ありがとうございます。」

にっこりと男が笑うとまた客席から悲鳴があがる。

「KyoさんはAzuさんが主題歌を担当されているドラマに出演されるんですよね?」

「はい、ヒーロー役を演じさせていただきます。」

「AzuさんはKyoさんとお会いされたことはあるんですか?」

「いえ、今日が初めましてです。現場に伺ったときは別のお仕事でいらっしゃらなくて。」

「差し入れはあとでいただきました。ありがとうございました。」

若手俳優Kyoは20代になってから芸能界デビューを果たし、そのルックスと抜群の演技力から瞬く間に人気になった。
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