公開処女喪失させられた王女は魔力を奪われました

空田かや

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7 スーリのキス

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シャルリンテは自分の部屋へ、全力で走り込んだ。

部屋の中には、机の上に置きっぱなしにしていたティアラを持って、心配そうに立っているスーリがいた。

思わず、スーリに駆け寄りシャルリンテは抱きつく。

そして、シャルリンテは興奮ぎみに語り出す。

「…初めて…!初めて私、男の人に、付き合ってもいいって言ってもらえた!その上、求められた…!!」

それを聞いたスーリの顔が一瞬、ピクリッ…と凍り付く。

「もうじき、失恋20回目を数えようとしていた私が…よ?その男ってば、醜男ぶおとこってわけでもなく、なかなか恰好いいのよ?ああ…!あんたに見せてやりたい!信じられる?!」

そう言うと、スーリから体を離し、くるりくるりと回りながら、全身が映る姿見の前まで移動した。

そして、頭に巻いていた布を勢いよく外し、まとめていた髪を下ろすと、熱心にブラッシングを始める。

「夜に会えば、髪のメッシュもよく見えないし…。身分さえ隠せば、私、男に相手をしてもらえるみたい…。もしかして私は、自分が思っているほど、醜女しこめってわけでもないんじゃない?!」

シャルリンテは髪の毛にふりかけようと、お気に入りの香油に手を伸ばし、ハッと気がつく。

「湯あみが…必要だわね。それに…あの男に抱かれたら、メッシュも魔力も消えてしまうけれど…。いいよね?父王だって、私が頼めば厩番うまやばんでも、きっと結婚を許してくれる!だってこんなチャンスを逃したら、きっと次はないかもしれな…」

スーリは熱に浮かされたように話しているシャルリンテの手を、すっと取ると、そのままシャルリンテの体を壁に押し付けた。

そして、怒っている青い瞳でシャルリンテの茶色い瞳を射抜く…。

「…スーリ…?」

スーリは有無を言わさず、シャルリンテにキスをした。

シャルリンテは固まった。

スーリはすぐにキスをやめて唇を離し、誘うようにシャルリンテの唇を指でなぞった…。

そして再び角度を変えて、淫靡いんびな音をたてながら、キスを繰り返し始める。

──クチュ…チュッ…クチャ…

あまりの衝撃で、途切れていたシャルリンテの思考回路がやっと繋がり出す…。

唇が離れた瞬間に、シャルリンテはすかさず聞いた。

「…女が…好きなの?」

そんな言葉を、完全に無視し、スーリは再び深いキスを繰り返す。

スーリの唇は柔らかく、舌使いはいやらしく、形のいい長い指は、シャルリンテの首に微かに触れる。

相手は女だ…と分かっていても、初めて経験したキスは魅力的だった…。

唇をふっと離したスーリの顔を、シャルリンテは間近で見た。

スーリの青い瞳は、怖いぐらいに冷静で真剣だった…。

少し興奮しているのか、口元からは荒い息が漏れている。

スーリは美しい顔を近づけると、再び甘いキスをする。

シャルリンテは、自分の秘所がだんだんと濡れてくるのが分かった…。

思わず顔を背け、キスを中断させる。

「分かった…。分かったわよ。私に先に恋人ができるのが、気にくわないの?それとも女が好きなわけ…?悪いのだけど、私、ヘテロセクシャルで男が好きだから、あなたの気持ちには応えられない…」

スーリは何も聞こえていないかのように、シャルリンテの耳を甘噛みし、耳元で甘い吐息を吐いた。

そして、首筋にキスをおろし始める…。

「あっ…」

思わず、シャルリンテの声が漏れる。

自制の力がなくなってきたのを知ったシャルリンテは、残っていた理性で魔力を使い、天蓋付きの寝台の後ろまで瞬間移動した。

そして、すばやく天蓋のカーテンの裏に身を隠す。

「…厩番うまやばんの所には行かない…。もう行かないから、キスはやめて……!」

これ以上の事をされたら、女相手に「抱いてくれ…」と、自分から言い出してしまいそうで怖かった…。



その夜、いつも通りシャルリンテの寝台の横に寝具を敷いて寝ているスーリに、ぼそりと言った。

「あなた、キスが上手いのね…。今まで、沢山…男の人にしてもらってきたの?羨ましいなぁ…。あなた、綺麗だから、男が放っておかないものね。まぁ、あなたの場合、相手は女なのかもだけど…。私もキスが…上手くなったら、男に好かれるようになる?」

背を向けて寝ていたスーリの背中は、全くの無反応だった…。

「寝ちゃってるわけ?…もし、もしもよ?よかったら…なんだけど、今度、私のキスの練習相手になってくれない?」

そう言われたスーリは、すばやく振り返ると、ギッとシャルリンテを睨んだ。

そして、ふとんをバサッと被ると寝てしまった。

「……ケチ女」

シャルリンテは、ふとんに丸まっているスーリに向かって小さい声で悪態をついた。


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